【フランス映画祭】「カラミティ」女性が自由に生きるのが困難だった時代に一人立ち向かった女性。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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【フランス映画祭】「カラミティ」を観てきました。

 

ストーリーは、

 

マーサは家族とともに大規模なコンボイ(旅団)で西に向けて旅を続けていますが、旅の途中、父親が暴れ馬で負傷してしまいます。マーサが家長として幼い兄弟を含め、家族を守らなければならない立場になってしまいます。普通の少女であったマーサは、乗馬も、馬車の運転も経験がありません。団長の息子が代わりに手伝ってくれますが、勝気なマーサは、自分も出来ると、乗馬や投げ縄の練習をし始めます。


そんなマーサは、少女であることの制約に苛立ち、家族の世話をする義務をよりよく果たすためにスカートではなく、ズボンを履き、少年のように働くことを決心します。女性は女性らしくという時代にあって、マーサの生き方は、古い慣習を大事にする旅団の面々と軋轢を生みます。

 

更にマーサを野獣からの危険から救ってくれた中尉をコンボイに引き入れたことで、盗みの共犯の疑いまでかけられてしまいます。そして・・・。


というお話です。

 

 

フランスでは有名な歴史上の人物らしいのですが、私は、全く知らない人でした。カラミティ・ジェーンという名前で、1800年後期に、女性がまだ男性と同等には扱われていなかった時代に、ズボンを履いて、男性と同じように荒野で活躍した女性だそうです。この映画では、カラミティが、少女の頃を描いていて、どうして男性と同じように行動をしなければならなくなったのか、どうして周りに認められたのかということが、描かれています。

 

初めて観る日本の私のような人間でも、彼女の事がとても解りやすく、大変な時代に女性を認めさせるのがどれ程辛かったのか、という、時代の背景も良く描かれていました。

 

 

この時代、インディアンとの戦争が続いており、その戦争にも、彼女は参加していたそうです。それは、大人になってかららしいのですが、その戦争の幾つもの作戦に参加して、そこでカラミティ・ジェーンという名前が有名になったようです。史実では、それまでは普通の女性であり、どうも男装をするようになったのも20歳以降のようでしたが、この映画は、解りやすく、子供の頃に困難があり、男装をするようになったという事で描かれています。

 

カラミティ・ジェーンは、マーサ・ジェーン・カナリーという名前で、マーサと呼ばれていました。旅団に加わって移動している時に、ある中尉と出会って、行動を共にするのですが、中尉が消えて、旅団の人々の貴重品も一緒に消えた為に、中尉を連れてきたマーサが仲間じゃないのかと疑われて拘束され、旅団を逃げ出すしかなくなってしまいます。

 

 

この頃の人々って、マーサがお父さんの代わりに仕事をする為にズボンを履いたりするのは女性としてけしからんと言われて、その事から、何をしても良く思われなくなり、酷い扱いを受けるようになっていたんです。その上、こんな事件が起こったので、誰もマーサを信じてくれず、酷いなぁと思いました。まるでオオカミ少年のように言われてしまっているんです。

 

人々の”普通”とか”常識”って、その時代、その場所、などで全く変わるので、難しいですね。今思うと、ズボンを履くことの何が悪いのか解りませんが、この時代には、女性はスカートをはいて、大人しく女性らしい仕事をするのが当たり前だったようなんです。そういう人間の考え方を変えて行くのは並大抵の事では無いですね。それは、現代でも同じなので、とても共感が出来ました。

 

この映画、子供にも良い作品だと思いました。昔は、性別で差別されることも多かったという事を知ることが出来るし、自分が正しいと思った事は最後まで訴えて、相手の信頼を勝ち取ることはとても素晴らしい事だという事も描かれていました。子供に観て欲しいですね。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。ちょっと、史実とは違う部分もありますが、監督もフィクションで描きましたとおっしゃっています。歴史とは違うかもしれないけど、とても良い作品になっています。公開は、2021年となっています。まだ日時は決まっていないようです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「カラミティ」