【フランス映画祭】「マーメイド・イン・パリ」を観てきました。
ストーリーは、
老舗のバーでパフォーマーとして働くガスパールは、ある夜、傷を負い倒れていた人魚ルラを見つける。美しい歌声で男たちを魅了し、恋に落ちた男の命を奪っていたルラは、ガスパールの命も奪おうとする。しかし、過去の失恋により恋する感情をなくしてしまったガスパールには、ルラの歌声がまったく効果がなかった。2人は次第に惹かれ合っていくが、ルラは2日目の朝日が昇る前に海に帰らなければ、命を落としてしまうという。
というお話です。
花の都パリ。セーヌ川に浮かぶ老舗のバーで働くガスパール。そのバーは、ガスパールの祖母が始めた店で、上手い歌手とたくさんのパフォーマーが人々を楽しませていたのだ。大人気だった店も、今は寂れ、借金が払えず、ガスパールの父親は売ろうかと考えていた。その店のパフォーマーとして働く息子のガスパールは、父親を助けるお金も無く、父にレコーディングボックスは持って行って良いと言われるが、落ち込んでしまう。
そんな夜、店からの帰り道に、セーヌ川のほとりで、傷を負い倒れていた人魚を見つける。ほおっておけず、病院に連れて行くが、身分証も保険証も無い人間は見れませんと言われ、仕方なく自宅に連れ帰り、浴室に入れることにする。
ルラと名乗る人魚は、美しい歌声で男性を虜にする力を持っており、その力で命を奪っていた。母親を人間の漁師に殺され、その復讐をしていたのだった。ルラは、ガスパールの命も奪おうとするが、過去の失恋で、恋する感情を捨ててしまったガスパールには、その歌声が全く効かなかった。
ルラを看病するガスパールの献身的な優しさに、ルラは次第に心惹かれていく。しかし、彼女は2日目の朝日が昇る前に海に帰らねば命を落としてしまうという。と同時に、ガスパールの身体に異変が起こる。ガスパールもあまりにもキュートなルラに惹かれていて、恋する感情が生まれ始めていたのだ。胸がギュッと締め付けられるような苦しさを感じ始めたガスパール。そんな二人を追って来る影が現れる。
ルラを最初に連れて行った病院で、車の中で倒れているルラを助けようとした医者がいた。しかしルラの歌声で命を落としてしまう。その医者の婚約者の女医が、突然死をした婚約者の原因を探ろうとすると、駐車場に青い血とウロコが落ちていたのだ。その2つと、ガスパールが忘れて行った本を頼りに、医者は二人を追い始める。婚約者の復讐の為に。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、面白かったです。まぁ、ファンタジー映画としては、良くある感じではありますが、人魚を演じているマリリン・リマさんが、凄くキュートなのよ。最初は、歌声で男を海へ誘って殺すという怖そうな存在として出てくるんだけど、ガスパールに対しては歌声が効かないって判って、ちょっと大人しくなって、従順になると、もうキュートなのよ。ガスパールが”お姫様抱っこ”をするんだけど(人魚だから歩けない)、やっぱりお姫様抱っこは女性の憧れよねぇ。うんうん、幸せそうでした。
で、人魚のルラちゃんに、ガスパールが魚のフライを作ってあげるんだけど、人魚なんだから、生魚をそのままあげた方が喜ばれるんじゃないの?って思ったんだけど、何故か、わざわざフライにしているのよ。そしてルラは美味しいって食べるんです。うーん、人魚にフライフィッシュかぁ~って笑っちゃった。
ガスパールは、もう恋はしないと決めていて、どうも歌手との苦しい恋を味わった後のようでした。でも、前の恋については、全く出てこないので、どうして二度と恋はしないというほど追い詰められたのかは、解りませんでした。そこら辺を回想シーンか、ガスパールの語りだけで良いので欲しかったかな。
それと、ガスパールの祖母が謎なんです。その老舗のバーを開いた人で、不思議な力を持っていたみたいなんです。不思議な飛び出す絵本を引き継いでいて、その先の話はガスパールに描きなさいと言ったらしいんです。その絵本以外にも、ガスパールは子供の頃から持っているおもちゃや、思い出の品を全部捨てられず、家に飾ってあるんです。不気味な人形とか、よく解らないおもちゃとか。そんな不思議ちゃん部屋に住んでいるので、何か祖母や母親に秘密でもあったのかしらと勘繰ったのですが、それも全く明かされず、変なモノ好きの男っていうだけのように描かれていて、何か設定があったら面白いのになぁと思いました。
ルラの方は、母親が漁師に殺されて、復讐をしているというのは分かったんだけど、それ以上に人魚の話は膨らまず、少し寂しい気がしました。もっと人魚なんだから、何か欲しかったな。仲間はいないようでしたが、それ以上は全て謎のままでした。もし、ガスパールと恋をして、結婚とかなったら、やっぱりウナギイヌの両親のように、傾いた家を水辺に建てて、陸地に父親が、水辺に母親が寝ているって構図になるのかしら。人間と人魚のハーフだったら、ウナギイヌみたいにはならないんだろうなぁ。うーん、不思議・・・。
凄く面白くて、キュートなラブストーリーだったんだけど、細かい部分の説明は一切しないので、謎が多いなと思いました。まぁ、二人の恋路には関係ないと言われれば、確かにそうなので、これ以上、文句を言っちゃいけませんね。いやぁ、それにしても、ルラは可愛かった。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。私は好きな映画でした。ツッコミどころは多いのですが、ルラのキュートさに負けました。もう、それだけでイイです。好きです。日本では、2021年2月11日に公開予定です。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「マーメイド・イン・パリ」