【フランス映画祭】「ハッピー・バースデー 家族のいる時間」を観ました。
ストーリーは、
フランス南西部の邸宅で夫や孫と優雅な暮らしを送るアンドレア。彼女の70歳の誕生日を祝うため、長男バンサンと妻と2人の息子、そして映画監督を目指す次男ロマンが恋人を連れてやって来る。宴が始まる中、3年前に姿を消した長女クレールが帰って来る。アンドレアは娘を温かく迎え入れるが、他の家族は戸惑いを隠しきれない。情緒不安定なクレールは家族の秘密や問題をさらけ出し、彼らの間に大きな火種を生んでしまう。
というお話です。
70歳になるアンドレアは、夫のジャン、孫娘のエマとフランス南西部の邸宅で穏やかに暮らしている。そこへ、母の誕生日を祝うため、しっかり者の長男ヴァンサンと妻のマリーが二人の息子を、そして映画監督志望の次男ロマンは恋人ロジータを連れてやってくる。
ロマンはドキュメンタリーを撮りたいからと言ってカメラを据え、今回のアンドレアのバースデーを撮影し始める。家族の記録にもなるだろうと家族は撮影を受け入れ、食卓の用意をするのだった。ガーデンパーティをやるつもりだったのだが、いきなり大雨が降ってきて、全てを家の中に取り込むことになる。
そんな雨の中、家の電話が鳴り、アンドレアが出ると、3年前に娘をこの家に置いて、姿を消していた長女クレールからの電話だった。街まで来ているから、車で迎えに来て欲しいというのだ。アンドレアは直ぐにヴァンサンに迎えに行くように頼み、クレールは家に帰ってくる。
アンドレアは可愛いクレールが帰ってきたことを喜ぶのだが、家族は戸惑いと隠せない。何故なら、クレールは精神的な病があり、何度も病院に入っているのだ。家を出て行ってからも、アメリカで男と暮らしていたが、ここ最近は病院に入っていたらしい。
元気になったというクレールだが、突然に情緒不安定になったする。子供の頃に父親が亡くなり、クレールが相続した遺産を使ってこの家を買ったのだと言い出し、ヴァンサンやロマンは何も知らなかったので話を聞くと、アンドレアの夫は若い頃に亡くなり、そのお金を妻と娘のクレールが相続をしたのだが、その時、アンドレアにはこの家を買い戻すだけのお金が無く、クレールの相続分も借りて、この家を買い取ったのだった。
それも解決しなければというアンドレアに、ヴァンサンは、甘やかしすぎなんだという。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、カトリーヌ・ドヌーヴが主演だし、女優で監督のエマニュエル・ベルコも共演しているから注目作なんですが、どいつもこいつも性格が破城していて疲れたなぁ。家族の群像劇なのですが、みんなクセありで家族に問題があるから、そのせいで、クレールという長女が病んでいるのかなと思いました。まず、母親のアンドレアは、汚いモノや悪い事は見ないようにするって感じで、目の前に問題が転がっていても、見て見ないふりをするんです。クレールの問題も、早い内に病院と連携して治してあげれば良かったのに、大丈夫と言って取り合わなかったから、歳をとってから苦労をすることになったと思います。
そんな母親だから、クレールも我が儘で、何でも自分の思い通りになると思ってしまったのかなと思いました。娘を実家に置いて、自分だけ男のところに行ってしまうとか、よく聞く話だけど、私には信じられません。自分が産んだ子供を捨てて男のところに行くなんて、そりゃ、自分は捨てられることになるわよね。自分が捨ててきたなら、自分も捨てられるって理解出来ていないようですね。全ては回り回って、自分のところに戻ってくるんです。甘く見てるんじゃないよって言ってやりたい。
長男のヴァンサンはまともなんだけど、次男で末っ子のロマンも問題児でしたね。子供のまま、大人になっていないんです。今だに高校の頃のように、大麻を吸って酒を飲んで、面倒なことは後回しにする癖がついているって感じ。面倒な事こそ、先に終わらせないとダメなのにね。映画監督になると言って家を出たようですが、すでに映画の仕事はやっておらず、お金にも困っている様子。酷いでしょ。この事からも、この親は子供たちが独り立ちできるように育てていないんです。そこが根本的な問題ですね。
まぁ、そんな子供たちが一気に帰ってきたものだから、ヴァンサンが苦労してまとめようとするんだけど出来る訳もなく、事態はどんどん悪い方向へと向かっていきます。クレールは病気が治っていないから、もう、やる事なす事はちゃめちゃなんです。店に入れば万引きし、不動産屋へ行き、家族の承諾も無く家の査定をお願いします。家にどのくらいの価値があるのか査定し、自分の取り分を取り返そうと思ったのでしょう。でも、1日で大金を使い切るクレールですから、もし渡したとしても、一瞬で無くなると思うんですけどね。とにかく、酷い女性でした。
自分の年齢に関しても、よく分かっておらずまだ若いと思っているのか、男は誰でも自分に靡くと思っているんです。でも、もちろん誰からも相手にされません。自分の年齢を自覚しなさいよって思っちゃった。確かに美しい人だけど、いくら何でも、その年齢じゃねぇ。よく美魔女とか言っているけど、年相応の美しさなら良いけど、ムリしてんのってキモいもんね。
そんな家族のどうにもならない2日間を描いています。アンドレアの70歳のバースデーなのに、それまでのツケが回ってきたような感じでした。見過ごして何とかしようと思って誤魔化しても、必ずいつかはツケが回ってくるので、向き合わなきゃいけなくなるんです。問題には、早め早めに対処するようが良いですよ。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。ちょっと、話がバラバラしているような感じはありますが、家族の問題は逃げていたって必ず向き合わなきゃいけなくなるんだよっていう事を描いているようで、考えさせられました。2021年1月8日より公開です。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ハッピー・バースデー 家族のいる時間」