【フランス映画祭】「パリの調香師 しあわせの香りを探して」プロならこうありたいと思う人物でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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【フランス映画祭】「パリの調香師 しあわせの香りを探して」を観ました。

 

ストーリーは、

世界中のトップメゾンの香水を手がけてきた天才調香師アンヌ。しかし4年前、仕事へのプレッシャーと忙しさから嗅覚障害になり、地位も名声も失ってしまう。嗅覚が戻った現在は、エージェントから紹介される地味な仕事だけを引き受け、パリのアパルトマンで暮らしていた。そんな彼女に運転手として雇われたのは、離婚して娘の親権を奪われそうな上に仕事も失いかけていたギヨーム。彼はわがままなアンヌに振り回されながらも正面から向き合い、彼女の心を少しずつ開いていく。新しい香水を作りたいと再起への思いを強くするアンヌだったが・・・。

というお話です。

 

 

アンヌは、かつてディオールの香水“ジャドール”をはじめ数々の名作を作った天才調香師。しかし4年前、仕事のプレッシャーと忙しさで、突如、嗅覚障害になり地位も名声も失ってしまった。

嗅覚が戻った現在はエージェントから紹介される企業や役所の地味な仕事だけを受け、他人と関りを持たず、パリの高級アパルトマンでひっそりと暮らしていた。

そんな彼女に運転手として雇われたギヨーム。不器用だが人の良いギヨームは娘の共同親権を得るため、新しい住まいや仕事を欲していた。



 

そんな時、紹介された気難しいお客のアンヌ。戸惑いながらも、唯一率直にものを言うギヨームは気に入られ、少しずつアンヌの閉じていた心も開かれていく。

ギヨームにも匂いを嗅ぎ分ける才能があることに気付いたアンヌは、彼を仕事に連れて行くようになり、自分のアシスタントとして使い始める。運転手の仕事じゃないと言いながらも、付いて行くギョーウ。ふたりは衝突しながらも協力して仕事をこなしていくように。

やがてアンヌは再び香水を作りたいという思いを強くするが、ある日の夜に、興味から外に飲みに出て行ってしまう。すると疲れから、突然また嗅覚を失ってしまう。慌てたアンヌは落ち込み、また休めば戻るのではと思い、睡眠薬を飲み過ぎてしまう。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、私は気に入りました。面白かったです。フランス映画って、なんとなく男女のイチャイチャがあって、キスしまくるというのが定番というような気がするのですが、この映画は違いました。プロの調香師の女性が、生涯をかけていた仕事が出来なくなり苦しんでいた所に、運転手として来た男が彼女の活路を見出し、彼女も彼の活路を見出してあげて、新しい未来を見つけて行くというお話でした。

 

調香師のアンヌは、ディオールなどの高級ブランドに雇われて、人気の香水を作っていた女性です。なので、超プライドが高くて、鼻に付く女なんです。運転手のギョームが迎えに来ると、部屋まで荷物を取りに来いと言い、それ以外にも運転手がやる仕事ではない事をやらせて、ギョームはとうとうキレてしまいます。そりゃそうよねぇ。だけど、今までアンヌに面と向かって文句を言った人がいなかったので、アンヌは気に入って、運転手にギョームを指名してくるようになります。

 

 

このアンヌは、プロ意識が高すぎて、周りに合わそうという気持ちが無く、対人関係が上手く出来ないんです。目も合わせられないし、会話さえマトモに出来ないんです。こじれてるでしょ。根本的な性格が悪い訳ではなく、人との関わりが無かったからそうなってしまったようで、ギョームと出会って、人との関わり方を学んでいくんです。

 

 

ギョームには娘がいるのですが、離婚した妻が親権を持っていて、時々会うことしか出来ないんです。でも、定職について決まった収入があり、大きな部屋を借りることが出来れば、妻と半分づつの時間を娘と住む事が出来るようになるんです。なので、運転手の仕事を定職として、大きな部屋を借りれれば良いのですが、運転免許の点数があとわずかで、免停になればクビになってしまいます。仕事はギリギリだし、大きな部屋は借りられないので、娘と住むのが先延ばしになって行きます。そんなギョームに、匂いを嗅ぎ分ける才能があることをアンヌが見つけ、少しづつ、彼女の仕事を手伝わせるようになります。

 

 

こんな風に、お互いが欠けた部分を補って行く二人の関係は、恋愛にはならず、何というか、とても強い絆で結ばれた同志という感じで、とても良かったです。監督も、この二人が恋愛関係になるのは、絶対に避けようと思っていたそうです。そうなのよ、同志だったのが、恋人になっちゃうと、いきなり依存したりが出てくるので、それは辞めてくれて正解だと思いました。

 

私、調香師の仕事って、香料を混ぜるだけなのかと思っていたけど、色々な薬品を使って、化学反応をさせて香りを作ったりしているんだという事を、この映画で知りました。過酸化何とかって薬品と何かを混ぜると芝生の匂いになるとか、忘れちゃったけど、面白い事を言っていました。香料の知識だけではなく、化学の知識も必要なのだと知りました。この仕事、凄く面白そうだけど、天性の匂いに敏感な鼻を持っていないとなれないようでした。こればっかりは、仕方ないですね。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。これは面白い映画だと思いました。アンヌをエマニュエル・ドゥヴォスが演じていて、ギョームをグレゴリー・モンテルが演じています。とってもイイ感じの二人で、笑える部分もあったりしましたよ。公開は、2021年1月15日です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「パリの調香師 しあわせの香りを探して」