「声優夫婦の甘くない生活」マジで甘くない生活に、二人の不安は膨らみ過ぎて弾けてしまうかもです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「声優夫婦の甘くない生活」をオンライン試写会で観ました。紫苑ONLINE(@fashionjp)で当選しました。

 

ストーリーは、

1990年、ソ連からイスラエルへ移民したヴィクトルとラヤ。2人はソ連に届くハリウッドやヨーロッパ映画の吹き替えで活躍した声優夫婦だった。第2の人生を謳歌するつもりで移民をしたものの、イスラエルでは声優の需要がないという現実に直面してしまう。生活のためにラヤは夫に内緒でテレフォンセックスの仕事に就き、思わぬ才能を発揮。一方のヴィクトルは、違法な海賊版レンタルビデオ店で再び声優の職を得る。なんとか生活を軌道に乗せはじめた2人だったが、妻の秘密が発覚したことにより、お互いが長年気付かないふりをしてきた夫婦の本当の声が噴出し始める。

というお話です。

 

 

1990年、イスラエルへ移民したヴィクトルとラヤは、かつてソ連に届くハリウッドやヨーロッパ映画の吹き替えで活躍した声優夫婦だ。ソ連からの移民がこの頃最盛期になっており、沢山のユダヤ人がイスラエルに入って来ていた。

しかしフセインとの戦争は続いており、まだまだ危ない日常がイスラエルにはあった。新しい生活に慣れる為に仕事を探したり、慣習に慣れたり、その上、戦争という危険を感じていて、映画などの娯楽を楽しむほどの余裕が人々には無い時代だったのだ。



 

夢の第2の人生のはずが、新天地では声優の需要がない。生活のため、ラヤは仕方なく、夫に内緒でテレフォンセックスの仕事に就き、思わぬ才能を発揮。62才のラヤだが、22才のマルガリータという女性として活躍してしまう。

一方ヴィクトルは、海賊版レンタルビデオ店で再び声優の職を得る。しかし違法であり映画泥棒だった。ようやく軌道に乗り始めたかに見えたが、当局に逮捕されてしまう。

時を同じくして、妻の秘密が発覚したことをきっかけに、長年気付かないふりをしてきたお互いの「本当の声」が噴出し始める。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

ちょっと珍しいイスラエル映画でした。1990年代は、まだソ連だったのかな。その頃に、ソ連に住んでいたユダヤ人が沢山イスラエルに移住したそうです。イスラエルがユダヤ人の国となったので、自分たちの国と思って、移住したのでしょうね。

 

移民の方たちは、まずイスラエルの公用語のヘブライ語を習わなくてはならず、それ以外にも仕事を探したりと、やることがいっぱいあり、娯楽に使う時間は無いんです。金銭的にも余裕が無さそうに見えました。

 

 

それに、その頃は、まだフセインが生きていて、イスラエルとイラクは交戦状態にあったので、いつ空襲があるのか分からず、ガスマスクを国民に配布するなどの措置をしているほどだったので、大変そうだなと思いました。大きなガスマスクを一人1個持たされて、それを出掛ける時に持ち歩いていたのかなと思うんです。ビックリでしょ。

 

そんな状況なので、映画を吹替で作るなんていう事をしていなかったんです。そうなると、もう、声優は必要無いですよね。なので、イスラエルでは、声優の仕事が無かったんです。60代になって、やっと自分たちの国に移れたのに、仕事が無い二人は、途方に暮れます。どうしようって思って、夫はチラシ配りを、妻は内緒のテレフォンアポイントメント?を始めます。

 

 

そんな設定も面白いのですが、夫婦の関係についても、良く描かれていました。彼らには子供はいないようで、二人でイスラエルに来たのですが、色々な場面でヴィクトルがラヤの写真を撮るんです。二人で取れば良いのにと思うけど、何故か、いつもヴィクトルがラヤを撮るだけ。周りの迷惑を顧みずなんです。ラヤは、周りの反応を見て困った顔をするのですが、そんなことどーでも良いヴィクトル。妻を愛しているんだろうけど、どこかズレているのよね。

 

ラヤは、ヴィクトルが自分を愛してくれているんだろうとは思っているけど、それを分かるように表してくれないので、段々と不満に思い始めます。だって、寝ている時は反対側を向いているし、妻に関心が無いような感じなんですもん。で、ラヤは、仕事で知り合った男性に惹かれていってしまいます。声だけの関係なんですけど。その内に、ラヤのヤバい仕事がヴィクトルにバレてしまい、喧嘩になっちゃいます。

 

 

それとは別に、ヴィクトルはチラシ配りじゃなく、声の仕事がしたいと思っていたら、ビデオ屋が裏でロシア語の吹替版を作っていて、違法なんだけど、その声の吹替をやらないかって言われて、なんと「映画泥棒」に加担するようになるんです。映画館でビデオで撮影して、それにロシア語の吹替をしてレンタルするなんて、許されないぞぉ~!(笑)もちろん違法なので、捕まっちゃうんですけどね。そんな場面もあり、楽しめました。

 

60代になっても、こんな風に喧嘩して、仲直り出来るって素敵な夫婦だなって思いました。そんな夫婦になれるかなぁ。喧嘩して喧嘩して、離婚になりそうで怖いなぁ。(笑)

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。イスラエル建国後にソ連から移民があった事も知らなかったし、こんな生活をしていたんだって事を初めて知りました。その時代から30年経ち、幸せな生活になったのかしら。映画を作れるようになったんだから、良くなったのでしょうね。イスラエル映画、これからも観てみたいです。公開は、12月18日です。ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「声優夫婦の甘くない生活」