「サイレント・トーキョー」誰が正義かなんて判らない。誰もが正しいと思って行動しているんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「サイレント・トーキョー」を観てきました。

 

ストーリーは、

クリスマスイブの東京。恵比寿に爆弾を仕掛けたという一本の電話がテレビ局にかかって来た。半信半疑で中継に向かったテレビ局契約社員と、たまたま買い物に来ていた主婦は、騒動の中で爆破事件の犯人に仕立て上げられてしまう。そして、さらなる犯行予告が動画サイトにアップされる。犯人からの要求はテレビ生放送での首相との対談だった。要求を受け入れられない場合、18時に渋谷・ハチ公前付近で爆弾が爆発するというが・・・。

というお話です。

 

 

12月24日、東京。恵比寿に爆弾を仕掛けたとTV局に電話が入る。半信半疑で中継に向かった来栖公太は、そこにいた主婦・山口アイコとともに犯人の罠にはまり、実行犯へと仕立てられてゆく。

恵比寿の爆弾が爆発するが殺傷能力は無く、人が傷つくことは無かった。そして恵比寿の爆弾の犯行声明と次の爆弾予告が動画サイトに上げられる。犯人からの要求は「次の標的は渋谷・ハチ公前。要求は首相との対談。期限は午後6時」。警察は直ぐに渋谷にいる人々の退避を促し、独自の捜査をする刑事の世田と泉が渋谷の駅前交差点に現れる。

 

 

同じ頃、渋谷交差点にはIT起業家・須永も姿を現す。彼は、恵比寿の爆発場所にも表れていて、世田がマークしていた男だった。そして世田の姿を見て驚いたもう一人がいた。彼女は高梨と言い、須永を友達と一緒にイブに渋谷の有名レストランで食事をしませんかと誘ったのだが断られたのだ。横浜に行くと言っていた須永が渋谷にいて、何かおかしいと感じた高梨は、須永の後を友人と追い始めるが、人混みの中で見失ってしまう。

午後6時、首相はテロには屈しないと言い続け、対話には応じなかった。渋谷のハチ公前では、野次馬が大騒ぎをし、写真を撮る若者、クリスマスの仮装をしてカウントダウンする人々、まさか日本で爆弾テロなどが起こるはずが無いと誰もが思っていたその時、大きな音と共に、爆風が渋谷ハチ公前に吹き荒れる。誰もが予期していなかった爆弾テロが行われたのだった。

 

 

人々が倒れ込み、惨憺たる情景が広がっていた。その中に、世田も高梨もいた。世田は無事だったが、泉は怪我をして動けないようだ。その場で須永を見つけた世田は、泉を残して、単身、須永を追い始める。高梨は、一緒にいた友人が大怪我をしてお腹から出血している。人を読んでも誰も答えない。救急車のサイレンが聞こえてきて・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、私は好きでした。群像劇なので、もう少し、一人一人を深く描いてくれたら面白かったんだろうけどね。もし、日本でも爆弾を作れる人物がいたとして、何か訴えたいことがあったとしたら、こんな事もあるかもしれないと思いました。だって、いつまでも利益を追っている政治家、バカな経営者、環境を一切考えない人々、本当に日本はボロボロになっていくのが判っているのに、何もしないでしょ。時々、私だって、日本にカンフル剤を打ってくれる人がいないかなって思う事ありますもん。

 

 

渋谷でテロが行われたらどうなるのかという映像は、素晴らしいと思いました。イマドキ、爆弾テロ予告がありましたっていうと、こぞって若者ユーチューバーらしき人達が大喜びで集まるのでしょうね。だって、みんな観るでしょ。閲覧数を増やす為に、実況中継するに決まっていますよね。どーせ、日本で爆弾テロなんて起こる訳が無いと思っているんだから。小遣い稼ぎしたいアホが沢山いるんだろ思います。

 

そんな奴らが被害にあって、それを税金で補助するのってムカつくなぁ。治療費は自費で払って貰いたいわ。一瞬、マジでこんな事が起こってくれたら、バカな奴らが一掃出来て、少しは渋谷も綺麗な街になるかななんて思ってしまいました。あー、ごめんなさい、つい私の中の悪魔が・・・。

 

 

こういう事を映画でやってくれていれば、少しはもしかして起こるかもと思う人も出てきて、日本も危機管理が出来るようになっていくかしら。世界では宗教がらみでこんなことが沢山起きているけど、日本はあまり宗教色が無いので、今まではテロの心配はそれほど無かったけど、今は日本も多国籍になってきているから、色々な心配が必要だと思います。それに、この映画のように、政府が国民の方を向かなくなった時には、こんな事も起きるかもしれませんね。



 

群像劇なので何人もの人が出てきて、誰が主役というのはありませんが、やっぱり事件の中核を追って行くのは、西島さん演じる世田という刑事かな。最初の方は誰もが怪しくて、犯人みたいに見えるのですが、恵比寿爆破(最初の方です。)の前にTV局の人が人質にされて、その時点で、私、何となく犯人が解ってしまいました。脚本では上手く誤魔化してあるのかしら。これ、話だけ観ていると解らないんだけど、映像を見ていると、何となく解るんですよねぇ。うーん、ちょっと残念でした。面白かったんだけどね。

 

それにしても、ROBOTさんが製作をすると、どうしても”レインボーブリッジ”を封鎖したくなるのかな。あの時点で、”レインボーブリッジが封鎖できません!”っていう織田さんの声が聞こえてきそうで、笑ってしまいました。あのね、そんな簡単に封鎖は出来ないのよ。青島さんが言ってたでしょ。警察庁と警視庁と国交省と、色々な省庁に印鑑貰わないとダメなんだって。(笑)

 

 

話を戻して、ちょっと簡単に話しが進み過ぎちゃったかなという感じがありました。この内容で、100分くらいの長さだと、ちょっと寂しいんです。確かに、息をつく暇が無いように作られてはいるのですが、やっぱり人物の掘り下げがもう少し欲しかったです。特に朝比奈については、本当に表面を撫でるくらいしか描写が無かったので、とても残念でした。この人物が一番深くて、描きがいがありそうな人物だったのに。

 

でも、今回、良かったと思ったのは、昔の映像が出た時、佐藤さんが若い頃の朝比奈を演じるのではなく、若い役者が朝比奈を演じていて、顔は違うけど、やっぱり本人が無理やり若い役を演じるよりも、違う役者がやってくれた方がリアルな気がするなと思いました。こういう判断って、良いですよね。

 

 

結構、私、楽しんだので、感想が長くなってしまいました。私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。この年末に、少し危機管理というものを知って欲しいのと、コロナ禍で大変なんだから、人混みなんかに行くんじゃないよって言う警告になると良いなと思って。短い映画なので、あっという間に色々な体験が出来て、そんなに頭を使わないで楽しめる映画だと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「サイレント・トーキョー」