「10万分の1」またも胸焼けする少女漫画の映画化です。難病を扱うのは良くないと思いました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「10万分の1」を観てきました。

 

ストーリーは、

高校剣道部のマネージャーを務める桜木莉乃は、中学時代からの友人である剣道部の人気者・桐谷蓮に思いを寄せていた。しかし自分に自信が持てない莉乃は、学校中の生徒たちの憧れの的である蓮に気後れしてばかりで、告白して気まずくなるくらいなら友達のままでいようと思っていた。そんなある日、思いがけず蓮の方から告白され、2人は付き合うことに。誰もがうらやむ幸せな日々を送る莉乃と蓮だったが、やがて「10万分の1」の確率でしか起こらない残酷な運命が2人に降りかかる。

というお話です。

 

 

いつも、桐谷蓮の姿を目で追いかけている、桜木莉乃。同じ高校で同じクラス、でも莉乃にとって学校一人気者の蓮は憧れの存在、その姿を見ているだけで十分だった。


ある日の放課後、莉乃の気持ちを知っている親友の橘千紘が、彼氏で蓮の親友でもある比名瀬祥とのデートを口実に、莉乃と蓮が2人で帰れるように仕向けてくれる。


翌日、前の席の蓮から莉乃に渡されたプリントに、「昼休み、二人で話したい」という付箋が。「これって、告白?」と舞い上がる莉乃だったが、屋上で待っていた蓮からは、昨日、電車の中で落とした手帳を差し出される。それは、ムカつくと一句詠むという、莉乃の秘密のノートだった。

 


 

「ありがと」と何とか笑顔で受け取って走り去り、プールサイドで激しく落ち込んでいる莉乃のもとに、意外にも蓮がやってくる。「好きだよ」と突然告白され、動揺する莉乃。自分に自信がなく、「そんなわけない」と信じない莉乃に、蓮は「とにかく全部好きなんだ。自分でも、変な子好きになったと思うけど」と屈託なく笑うのだった。


その日から、初めての両想いの日々が始まる。見つめ合い、微笑み合い、なんでもない言葉を交わすだけで幸せだった。両親を事故で亡くした莉乃は、たった一人の家族である祖父の春夫にも蓮を紹介する。


そんな中、心配事が持ち上がる。莉乃の足が時々、動かなくなってしまうのだ。病院で検査を受けるが、意志から「ALSの可能性がある」と告げられる。「10万人に1人の確立でかかる難病」だと知った莉乃は、蓮に迷惑をかけないために別れようと決意する。だが、蓮は「見くびらないでよ。オレは後悔しない。こんなに大切な人に出会えたんだから」と力強く宣言するのだった。後は、映画を観て下さいね。

 

 

私、今までにも何度も書いてきていますが、どうして邦画はこういうレベルが低い作品を作り続けるのでしょうか。女子高生、恋愛、病気という三拍子を入れれば映画がウケるとでも思っているのかな。もう、ストーリーがベタな少女漫画で、最初の場面だけでも胸焼けがしました。出演している俳優さんたちに罪はありません。可愛いし、これからの邦画を担ってくれるかもしれない俳優さんたちです。彼らに、酷い映画をさせる制作側が悪いという事です。

 

でね、今回の最悪な部分は、ALSを扱った事。ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、本当に難病です。苦しんでいる方が沢山いますし、進行を遅らせる薬はあっても、治療薬がまだ開発されていません。「こんな夜更けにバナナかよ」という映画でも描かれていますが、誰かが傍に付いていなければ危ないし、いつ呼吸が止まるか解りません。足が動かないだけではなく、身体の幾つもの部分のニューロン伝達がされなくなるのですから、目が動かなくなる、顔の筋肉も動かなくなる、排泄だって自分の意志で出来なくなるなど、本当に大変な病気です。

 

それをセリフでは、難病で死に至る病気だと言って大変そうに話しますが、ただ、綺麗なままでヒロインが苦しんでいくというように描かれていて、ALSの大変さが、全く描かれていないんです。クラスメイトに病気の事を話して、協力してくださいというのですが、ALSの介護って、クラスメイトがちょっと手を貸す程度で出来るもんじゃないんですけどね。まぁ、酷かったです。ALS関係の方は、病気を知って貰えるだけでも良いと思われているのかしら。こんなに簡単な病気だと扱われてしまったら、後々、嫌な思いをする方も出てくるんじゃないかなと心配になります。

 

 

病気のことはそれくらいで、後は、映画の内容についてですが、うーん、もう、本当に、この辺りで少女漫画は辞めませんか?どうしてこの系統の映画が作りたいの?映画館に行っても、高校生なんて、ほとんど観に来ていませんよ。見ているのはアイドルが好きなオッサン系か、私のような映画オタクで一応観てみるかという人だけ。時々、EXILEファンの子もいるけど、高校生じゃなくて、オバサン入りかけの派手な女子くらいかな。渋谷のTOHOで、画面に彼が出る度に騒いでスマホで映画を写真に撮っていましたが、何も言えませんでした。犯罪だけど、怖くて言えませんよ。何されるか解らないもん。

 

コロナ禍で予算も限られてくる映画業界なら、もっと良い作品を作って欲しいです。少女漫画系の映画は、公開直後はアイドルのファンが観るでしょうが、何の実りも無い映画なんです。もっと、未来に繋がるような映画を作った方が良いのではないですか?

 

若手の映画監督にチャンスを与えても良いと思うし、舞台俳優などを連れてきても面白いだろうし、駆け出しのアイドルもどきでも良いだろうし、そういう人達に低予算で作らせてみたら、実力が発揮されるかもしれない。こんな映画を作るなら、これにかかる予算で、低予算映画を3本くらいつくれるかも知れないのに、どうしてやらないのかしら。「カメ止め」みたいなことも起きるかもしれませんよ。

 

あーあ、最近、映画を観ては、ため息をついている自分に腹が立ちます。世界には良い映画が沢山あるのに、邦画のレベルが上がってこないのがムカ付きます。「罪の声」みたいにレベルが高い作品も作られているのだから、もっと頑張って欲しいです。作り手が悪いのではなく、作らせる企業の見る目が無いとしか思えません。昔の日活、東映、松竹、東宝は、もっと万人が喜べる映画を作っていたと思うけど。CG映像も良いけど原点回帰も必要だと思うし、ストーリーだって鬼滅人気で解ったと思うけど、解りやすく感動出来るものを求めているんです。

 

 

えっと、話を映画に戻して、この「10万分の1」ですが、私は、うーん、まぁ、お薦めしておきます。話はベタだし、演技も上手いとは言えないけど、主演の白濱くんと平さんが努力しているのは解るのよ。適当にやっている風には見えなかったので、頑張る可愛い二人に免じて、応援しておきます。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「10万分の1」