「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」を観てきました。
ドキュメンタリー映画なので内容は、
ニューヨーク文壇の寵児として注目を集め、セレブリティのアイコン的存在として社交界を席巻したカポーティ。
待ち望まれていた新作「叶えられた祈り」はニューヨークの上流階級の実態を描いた最高傑作となるはずだったが、第1章が発表されると、そのスキャンダラスな内容は激しい論争を巻き起こした。
社交界から追放されたカポーティはアルコールと薬物に溺れ、作品の完成を待たずしてこの世を去る。ジャーナリストのジョージ・プリンプトンによる評伝「トルーマン・カポーティ」の取材テープをはじめ、時代をともにしたセレブリティたち、友人知人や敵対した人物へのインタビュー、秘蔵映像などを通して彼の波乱に満ちた生涯に迫り、“未完の絶筆”とされる問題作「叶えられた祈り」を巡るミステリーをひも解いていく。
というお話です。
トルーマン・カポーティのドキュメンタリー映画なのですが、彼に関して思った事を、彼の周りにいたことが”ある”人が語っているので、イマイチ、それが本当の彼を表しているとは思えず、何だか、ふわふわした映画でした。
カポーティ本人の映像は少なくて、色々な方が語っている方が多いような気がしたかな。こういう映画って、本人を良くいう人だけを集めれば、その人は良い人に見えてくるし、本人を悪く思っている人に聞けば悪口ばかりで悪い人に見えるでしょ。映画を作る人がよく考えないと、とても偏った映画になってしまい、ただの宣伝映画になる場合もあるのよね。ドキュメンタリー映画が出ると、新しい本を出版するとか、商売の為に、その人を良い人として描くこともあるから、この映画も、ちょっと心底信用出来ないという感じでした。
カポーティが、社交界の事を悪く書いて追放されたというけど、そりゃ、人気作家が一方的に誰かを非難したら、みんな引いて行くんじゃないの?社交界って必要悪だと思われていて、金持ちでイヤな奴らかもしれないけど、彼らのおかげで社会経済の一旦が担われているんですよ。お金の問題だけじゃなくて、情報だって社交界だけで回ったり、婚姻によって大きな会社が合併したりと、色々あるのだと思います。ただ汚い部分だけを上げ連ねて攻撃するような事があってはいけないと思うんです。そういう均衡を保とうという概念が、このカポーティさんには無かったんじゃないかな。
若い頃に人気作家としてデビューし、ビジュアルも良くて、その上、ゲイだと公表して、それなりの苦労もあったと思うけど、調子に乗っちゃった部分もあるんじゃないかなと思いました。この映画の中では、カポーティが可愛そうみたいな描かれ方をしていますが、人気作家に悪口書かれちゃった人の立場になれば、そりゃ、一緒のパーティで顔を合わせたくないわよね。あの人が来ているなら帰るって言うと思うよ。
それは、素晴らしい作家さんだったと思うし、ドキュメンタリー映画じゃなくて、伝記映画でフィリップ・シーモア・ホフマンがカポーティを演じたのは、とても面白かったと思います。トルーマン・カポーティという人物が、本当はどんな人物だったのかというのは、謎に包まれたままですが、まぁ、亡くなっちゃった後に悪く言う事も無いので、良い人だったと思い返す感じで良いのではないでしょうか。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。ドキュメンタリー映画で、ちょっと偏った感のある内容ですが、トルーマン・カポーティという人の一端を知るには良いのではないかと思いました。でも、ドキュメンタリー映画なので、凄く面白いとかは無いです。彼に興味がある方にお薦めです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」