「ウルフウォーカー」を観てきました。
ストーリーは、
中世アイルランドの町キルケニー。イングランドからオオカミ退治のためにやって来たハンターを父に持つ少女ロビンは、森の中で出会った少女メーヴと友だちになるが、メーヴは人間とオオカミがひとつの体に共存した「ウルフウォーカー」だった。魔法の力で傷を癒すヒーラーでもあるメーヴと、ある約束を交わしたロビン。それが図らずも父を窮地に陥れることになってしまうが、それでもロビンは勇気を持って自らの信じる道を進もうとする。
というお話です。
イングランドからオオカミ退治の為にやってきたハンターを父に持つ少女ロビン。街から出るなと言われていたが、どうしても父親を助けたくてオオカミ退治に森に付いて行ってしまう。
ロビンは、森の中でオオカミに追われ矢を射るが、その矢が相棒マーリンの羽に当たってしまう。すると落ちて動けないマーリンを狼が連れ去ってしまう。どうしてもマーリンを諦められないロビンは、再度、森へ入って行くと、元気なマーリンとオオカミのメーブに出会う。森で友だちになったのは、人間とオオカミがひとつの体に共存し、魔法の力で傷を癒すヒーラーでもある “ウルフウォーカー”のメーヴだった。
メーヴは彼女の母がオオカミの姿で森を出ていったきり、戻らず心配でたまらないことをロビンにうちあける。母親のいない寂しさをよく知るロビンは、母親探しを手伝うことを約束する。翌日、森に行くことを禁じられ、父に連れていかれた調理場で、掃除の手伝いをしていたロビンは、メーヴの母らしきオオカミが檻に囚われていることを知る。
森は日々小さくなり、オオカミたちに残された時間はわずかだ。ロビンはなんとしてもメーヴの母を救い出し、オオカミ退治を止めなければならない。それはハンターである父ビルとの対立を意味していた。それでもロビンは自分の信じることをやり遂げようと決心する。そしてオオカミと人間との闘いが始まろうとしていた。(公式HPより) 後は、映画を観て下さいね。
アニメーションスタジオの”カトゥーン・サルーン”制作のアニメで、ケルト三部作として制作された3作目の作品だそうです。前の2作を観ていないので、ぜひとも観なければと思いながら、この映画を観に行きました。
イギリスから狼退治の為にキルケニーにやって来たロビンと父親。その町のリーダーである護国卿に依頼されて来たんです。護国卿は、人間の為に、森にいる狼を退治して農地を増やそうと考え、その為に厳しい戒律などを作っていました。狼がいる為に、子供は町の外には出てはいけないとして、厨房などで働かせていました。
ロビンはイギリスで、父親に好きな事をさせて貰っていたので、父親とも別にされ、窮屈な生活をさせられるのを拒み、勝手に外に出てってしまいます。そこでオオカミに出会うのですが、観ていて、こんな娘がいたら言う事も聞かないし、大変だなぁと思いました。結果的に、ロビンが正しいと解るんだけど、でも、最初は、決められたことをせず、自分勝手に行動するロビンをウザと思いました。
森でオオカミに追いかけられ、ペットの鷹・マーリンを取られてしまいます。酷いんですよ、ロビンは慌てて、自分の矢でマーリンを打ってしまうんです。最初の方だったから死んでないだろうとは思ったけど、あの場合、普通は死んでいるからね。小さな鷹を矢で射るなんて、いくら慌てていたからと言って、飼う資格無いですよ。もー、ムカついた!でも、それがきっかけで、オオカミのメーブと知り合うんです。
最初は、ロビンを好きになれませんでしたが、オオカミと知り合い、オオカミの視点でものを考え始めると、違ったものが見えてくるんです。人間の為にオオカミを殺し、森を切り開くということが、実はオオカミの家を奪うことになり、居場所を奪ってしまうことになる。別に、人間は、今ある場所だけでも十分に生活は出来るのに、欲で森を切り開こうとしているんです。それが、ロビンの目を通して見えてきて、やっぱり人間は強欲で、自分たちの事しか考えていないのだという事が解ってくるんです。
本当に心が痛くなりました。今、街中に熊や猪、鹿などが出てきて、騒ぎになっていますが、人間が森を切り開いたから、食料が無くなり、住むところも無くなって、出てきているんですよね。全部、人間が悪いじゃないですか。動物に欲は無いので、必要な食糧、必要な寝床しか求めない。人間だけですよ、欲で多くを望むのは。自然に申し訳ないと思いました。
この護国卿という人物は敬虔なキリスト教(ピューリタン)で、聖書に書いてあることを忠実に守ることを良しとして、彼らにとってオオカミは自分たちの生活を犯す悪魔と同等と見なしていたのだと思います。だから、絶滅させようとしたのかなと思いました。この時代は、とても独裁的な考え方が強い宗派のようでした。
そんな護国卿と対立してしまったロビンは、オオカミを助ける為に、とっても活躍します。もちろん、娘を大切に思う父親も、ロビンの事を思い、オオカミを狩る為にここに来たのに、オオカミを助ける側にまわることになります。展開が面白かったですよ。
アニメなのですが、水彩で描かれているようで、本当に美しい映像でした。日本では、あまり観ない手法で、とても芸術的だと思いました。うーん、この前のケルト2作品を観ていないのが悔やまれます。AmazonでDVDを探さなくちゃ。このウルフウォーカーも、DVDが出たら欲しいと思っています。ゆっくり家で観たいし、ずっと流していても良いような美しい映像でした。癒しになると思います。
私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。これは、ストーリーも良いし、映像も素晴らしいし、文句の言いようがありません。最初はくそガキと思ったロビンでしたが、本当に良い子で、彼女の優しさに感動しました。あまり上映館が無いのが残念ですが、もしかして盛り上がったら、色々な映画館で上映してくれるかな。これは子供に観せたい作品だと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ウルフウォーカー」