「泣く子はいねぇが」を観てきました。
ストーリーは、
秋田県・男鹿半島で暮らす、たすくに娘が誕生した。たすくが喜ぶ中、妻のことねは子どもじみていて父になる覚悟が定まらない夫に苛立ちを募らせていた。大みそかの夜、たすくは妻と「酒を飲まずに早く帰る」と約束を交わし、地元の伝統行事「ナマハゲ」に参加する。しかし、酒を断ることができずに泥酔したたすくは、「ナマハゲ」の面を付けたまま全裸で街へと走り出し、テレビで全国に放送されてしまう。ことねに愛想を尽かされ、地元にもいられなくなったたすくは逃げるように東京へと向かう。それから2年、東京にも居場所が無いと感じたたすくは地元へ帰ってくるのだが・・・。
というお話です。
たすくは、娘が生まれ喜びの中にいた。一方、妻・ことねは、子供じみて、父になる覚悟が見えないたすくに苛立っていた。大晦日の夜、たすくはことねに「酒を飲まずに早く帰る」と約束を交わし、地元の伝統行事「ナマハゲ」に例年通り参加する。
周りの雰囲気に流され、先輩からの酒を断ることができずに泥酔したたすくは、溜め込んだ鬱憤を晴らすように「ナマハゲ」の面をつけたまま全裸で男鹿の街へ走り出す。ちょうどその日は、伝統行事”ナマハゲ”の取材をテレビ局がしに来ており、取材中の生放送のテレビの前に全裸のたすくが現れてしまい、テレビで全国放送されてしまうのだった。直ぐに放送中止となったものの、”ナマハゲ”のイメージは悪くなり、たすくは地元に居られなくなってしまう。
それから2年の月日が流れ、たすくは東京にいた。ことねには愛想をつかされ、地元にも到底いられず、逃げるように上京したものの、そこにも居場所は見つからず、くすぶった生活を送っていた。そんな矢先、東京へ出てきた親友の志波からことねの近況を聞く。ことねと娘への強い想いを再認識したたすくは、ようやく自らの愚行と向き合い、地元に戻る決意をする。だが、現実はそう容易いものではなかった。
地元に戻ってきたたすくだが、やはり居場所は無い。仕事が無いので、母親がやっている屋台のアイスクリーム屋を手伝い、元妻のことねを探し始める。義父は亡くなっており、ことねと娘は、既に以前の住まいには居なかった。志波のおかげでことねの職場が解り、行ってみるのだが、再婚をするから二度と会わないと言われてしまい･･･。
後は、映画を観て下さいね。
この映画、凄く現実的というか、こういう男っているよなぁ～と思うような内容でした。もし、付き合っていて、結婚でもしてしまったら、このことねさんのように、イライラして、「いい加減にしてよ！」って言ってしまうと思いました。何で、こうへらへらと笑っているような顔をしちゃうんでしょうね。きっと、笑っているつもりはないんだろうけど、子供の頃から何事も真剣に向き合ってこなかったから、困ったことが起きると、自然と考えることを拒絶する為にこの笑い顔が出てしまうのでしょう。うーん、ムカつきます。
たすくは、年末のナマハゲの生中継で全裸を晒してしまい、地元に居られなくなるのですが、これ、周りの人間が酷いなぁと思いました。だって、ナマハゲの生中継をする為に、沢山の人がいた訳でしょ。全裸の人間がカメラの前にでてしまう前に押さえようよ。だって、酔っぱらって、ヨタヨタしているんだから、いくらでも周りが引っ張れるでしょ。なまはげの会の会長だって、責任をたすくに押し付けていたけど、それ、自分のせいだからね。なまはげを続けたいなら、なまはげを演じる人間も管理するべきです。帰りたいというたすくを引き留めて酒を呑ますなんて、それダメでしょ。パワハラだから。
まぁ、気が弱くて断れないたすくも悪いんだけど、でも、そういう子っているから、頭の人間が全てを見ていて配慮するべきなんです。それが出来ないなら、会長なんてやっちゃダメです。上に立つ資格はありません。
東京に出たたすくですが、仕事も無くバイト暮らしで、そこにも居場所がないんです。そりゃそうよ。そこで腰落ち着けてやろうっていう気概が無いですから。結局、東京でもハジかれて、地元に戻ります。元妻が気になったのもあるだろうけど、東京からも逃げた感じなのよ。そうでなきゃ、地元の方が仕事が無いんだから、東京を引き払わないでしょ。
と、主人公の悪口ばかりですが、そういう彼を描きたかったのだと思いました。周りからイライラされるような、どうしようもない男の生き様を描いたんでしょ。うんうん、面白かったです。父親の意識が芽生えて、娘の事を思い始めても、もう既に遅いということを理解出来ずに、うろうろする姿が、なんとも情けないけど困った男だなぁと、愛せるキャラクターでした。
たすくは若い頃にことねとデキ婚するんだけど、失敗するのよね。よく若い頃の失敗は買ってでもしろというけど、一度の失敗が取り返しのつかないこともあるんです。これから頑張ればっていうけど、頑張ったって、相手がいる事なんだから、二度と元には戻れない。失敗するのは仕方がないけど、失敗すればそれなりのリスクはあるんだよという事をたすくは知ったと思います。一度の躓きでも、一生を左右することもある。慎重になり過ぎるのは良くないけど、いくら若くても、行動する時はよく考えなくてはね。甘い考えでは、人生は渡って行けません。”ちったぁ、考えろ！”って言われます。そんなことを感じました。
私は、この映画、超！お薦めしたいと思います。クズの行く末を描いているけど、とても現実味があって、楽しめました。主演の仲野太賀さん、上手いですよね。彼の上手さに引っ張られてか、吉岡さんも凄く良かったです。それと友人役の寛一郎さんも、見る度に良くなるなぁ。この３人は、これから本当に観て行きたい役者です。映画も良かったので、佐藤監督、今後も楽しみにしています。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「泣く子はいねぇが」
