「タイトル、拒絶」デリヘルという仕事を生業にしていても底辺だからと卑屈になる必要は無いと思う。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「タイトル、拒絶」を観てきました。

 

ストーリーは、

雑居ビルにあるデリヘルの事務所で、華美な化粧と香水の匂いをさせながらしゃべる女たち。デリヘル嬢たちの世話係をするカノウは、様々な文句を突きつけてくる彼女たちへの対応に右往左往している。やがて、店で一番人気のマヒルが仕事を終えて戻って来る。何があっても楽しそうに笑う彼女がいると、部屋の空気は一変する。ある日、モデルのような体型の若い女が入店したことをきっかけに、店内での人間関係やそれぞれの人生背景が崩れはじめる。

というお話です。

 

 

就職試験を受けるもことごとく落ち、とうとうデリヘルの体験入店に訪れる。履歴書を提出するも”資格なんて必要ないんだよね。”と言われ、いざ体験へ。いざ行為の段階になって怖気づき、下着のままホテルの外に逃げ出してしまう。結局、デリヘルの世話係として雇われることになったカノウ。

雑居ビルにあるデリヘルの事務所で、世話係としてデリヘル嬢たちから次々とぶつけられる不満や要望に対応するカノウ。忙しく働きながらも彼女は、その場の空気を一変させる華やかさを持つ店一番の人気デリヘル嬢マヒルと自分を比べていた。



 

カノウは、自分は子供の頃に学芸会で”カチカチ山”の狸を演じて、自分は狸だと思っている。誰もが可愛い兎しか目に停めず、狸なんて目に入らない。そんな自分の人生に、タイトルなんて必要あるんすかねって思っているんです。

ある日、若くてモデルのようなスタイルの女性が入店してくる。それを機に、デリヘル嬢の人気の序列が変わり、店内の人間関係やそれぞれが抱える人生の背景が大きく変わっていく。底辺の世界だと言いながら、そこでも順列を付けている自分たちとは一体なんなのか。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、強烈でした。デリヘルの雑用係をしているカノウは、最初、デリヘル嬢をするつもりで面接に来たんだけど、客の相手が出来ず逃げ帰って、雑用係をする事になったようなんです。

 

どんな過去があって、デリヘルに勤めようと思ったのかわからないけど、最初の服装が普通の就職活動用のスーツだったので、それまで荒れた生活をしていたとは思えないんです。それでもデリヘルに就職しようと思うのが凄いと思いました。給料が良いと言っていたけど、雑用係では、大して貰えないと思うのよね。そこら辺が、ちょっと曖昧というか、嘘っぽいかなと思いました。

 

 

毎日、デリヘル嬢たちが通ってきて、仕事が来るのを待っているんです。やっぱりキレイな子の方が人気なのかな。その人気順で、やっぱり序列があって、TVを一人占めして観ている子が一番上だったのかしら。他の子には文句を言わせないって感じでしたね。

 

まぁ、どんな会社でも、成績が良い人が一番言う権利があるので、当たり前なんです。日本は資本主義社会なので、綺麗事言ったって、稼ぐ奴が一番なんですよ。口が上手いか、または技術を持っているか。または、こういう世界では容姿が良いか。どれかが欠けているなら、どれかで補填しようとしないと勝てません。偉そうに勝ち負けじゃないとか、お金じゃないって言うけど、やっぱり最後はお金でしょ。だから、このカノウだってデリヘルで働くんだよね。

 

 

デリヘルの子は、それぞれに何か闇を抱えているようでした。母親の再婚相手に性的虐待を受けていたり、コンプレックスを抱えていたり、何かへの反発の為にデリヘルをやっていたり、不思議な人物が多かったです。私が謎だったのは、メガネをかけている女性で、いつも部屋の隅の方でノートに何かを書いているんです。日記のようでしたが、凄く几帳面に書いてあって、頭も良さそうでした。それなのにデリヘルで働いているんです。一般の会社に就職しても問題無く仕事が出来そうに見えるのに、どうしてかなと思いました。途中で、父親が亡くなったという連絡が入り、早退するんですけど、その様子から、何か家族との確執があって、嫌がらせというか、当てつけにデリヘルで働いていたのかなと思いました。ここら辺、もう少し知りたかったな。

 

他にも、気になる事が沢山あって、全部書き出したいんだけど、ネタバレになっちゃうから出来ないんです。でもね、一つだけ聞きたかったのが、モトーラ世里奈さんが去っていく後ろを、通り魔のような人が追って行く描写があって、あれは、いつ、誰が不幸に見舞われるか解からない世の中だという事なのかしら。あまり詳しくは書けないけど、そんな場面もあり、勝手な解釈をするしかありませんでした。

 

カノウという女性が主役なんだけど、彼女から見たデリヘル嬢たちの生き様のような描き方で、ちょっと面白いなと思いました。解りにくい部分はありましたけど、楽しめました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。こんな世界もあるのだなという事を知ることが出来て楽しめます。でも、ここが底辺だとは思えませんでした。彼女たちは、職業としてそれを選んだだけで、別に悪い事でも何でもない。手っ取り早くお金が稼げるなら、それでいいじゃないですか。誰も、彼女たちの生き方に文句は言えないんです。昨日、底辺だった人が、一夜でセレブになっている時代ですよ。低いとか高いとか、下らない価値観に振り回されないように、自分を楽しめば良いんです。そんな事を思う映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「タイトル、拒絶」