「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」とても良く出来た傑作です。演劇を観たくなります。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」を観てきました。

 

ストーリーは、

1897年、パリ。詩人で劇作家のエドモン・ロスタンは、もう2年近くもスランプ状態に陥っていた。そんな彼のもとに、大物俳優コンスタン・コクランの主演舞台を手がけるチャンスが舞い込む。しかし決まっているのは「シラノ・ド・ベルジュラック」というタイトルだけで、執筆は一向に進まない。そんな中、親友レオが愛する女性ジャンヌと、レオになり替わって文通することに。彼女との詩美あふれる手紙のやり取りに刺激され、自身の脚本執筆もついに進み出すのだが・・・。

というお話です。

 

 

「とんだ駄作だな。1週間で打ち切る」と、パリの名立たる劇場の支配人から宣告されてしまった、無名の劇作家にして詩人のエドモン・ロスタン。1895年、主演の大女優サラ・ベルナールに気に入られたことだけが、若きアーティストの唯一の収穫だった。

それから2年、エドモンはスランプ一直線。そんな時、サラが名優コンスタン・コクランに口をきいてくれる。だが、それは2時間後にコクランに新しい作品を持って行けというムチャぶりだった。

カフェでまっ白なノートを前に呆然としていたエドモンは、店主のオノレからヒントを得て、「醜男だが行いは華麗な人物」という設定を思いつき、実在した剣術家にして作家のシラノ・ド・ベルジュラックを主人公にしようと決める。しかし、シラノは200年も前の人物。あくまでキャラクターを借りるだけで、ストーリーは自力で生み出さねばならない。思いつく限りのアイディアを並べ立てるエドモンにコクランは、「喜劇」を条件に依頼をするのだった。



 

しかし多額の借金から、「パリ中の劇場から追放する」と古巣の支配人にキレられてしまうコクラン。そこで来年の1月1日まで借りているポルト・サン=マルタン座で、急遽「シラノ~」を上演すると決める。今日は12月5日、まだ1ページも書けていないのに、もはや時間がない!

プレッシャーに押しつぶされるエドモンの前に、友人で俳優のレオが現れ、衣装係のジャンヌへのラブレターにアドバイスを求める。最初は渋々、愛の言葉を紡ぐうちに、エドモンの脳裏に次々とアイディアが! しかも、詩心のあるジャンヌからの返事も、創作意欲を掻き立ててくれる。エドモンはレオに成りすましてジャンヌと文通を始め、胸躍る物語を生み出すのだった。



 

レオとジャンヌ、さらに浮気を疑う妻を騙し、台詞に文句ばかりのヒロイン女優をなだめ、台本を書き続けるエドモン。ところが、初日1週間前、予想もしなかった危機が劇団を襲う!(公式HPより) 後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、面白かったぁ~!よく出来ている良い作品でした。こんな風に「シラノ・ド・ベルジュラック」が舞台になったのなら、本当に奇跡のようだなと思いました。とっても観やすい作りになっていて、まっさらな状態から、ちゃんとシラノ・ド・ベルジュラックの舞台が出来上がっていくまでを、楽しく描いています。

 

 

主人公のエドモンは、素晴らしい詩人で劇作家なのですが、この時代の流行りの作風ではなく、駄作と評されて舞台を打ち切られ、スランプに陥ってしまいます。サラ・ベルナールの紹介で再起を図ろうとするのですが、頭に何も浮かびません。そんな時、口を出たのが”シラノ・ド・ベルジュラック”。歴史的に有名な剣術かで作家・哲学者だった人物です。それを俳優のコクランが面白いと思ったらしく、それで喜劇を書いてくれと依頼します。

 

これだけで、もう、全く先を考えていないのが解かると思いますが、行き当たりばったりで脚本を書いていきます。その脚本の元となるのが、友人レオの恋愛。レオは、イケメンなんですけど、全く文才が無く、ラブレターはダメダメなんです。なので、エドモンがラブレターを代筆したことから、問題が起きちゃいます。

 

 

現代で、SNSで出会って結婚とかあるでしょ。文章ではとても相性が良くても、会ってみたらちょっと違うって事もあると思うんです。それと同じで、手紙の文章は素敵だけど、それを書いているのは違う人だから、内容と姿がリンクしないんです。レオが書いていると思ったら、エドモンが書いていたんですから。相手は、文章が素敵だからどんどん盛り上がっていくんだけど、レオの中身とは違うんですよ。

 

エドモンは、手紙が盛り上がって行って、自分が恋しているような気持ちになり、それを戯曲にするんだけど、それは戯曲の為の事で、自分には、愛する妻と子供たちがいるんです。ここら辺の設定が、とても上手いんですよ。恋愛モノだとドロドロしちゃうけど、完璧に妻を愛していて、だけど戯曲の為に疑似の恋をしちゃっているというところが、とても笑えて、観ていても嫌な気持ちにならないんです。エドモンという人物の誠実さが、この映画を美しくまとめることが出来た重要な部分じゃないかな。

 

 

それにしても、面白かった。本当にドタバタなのに、観ていて凄く楽しいんですよ。ぐちゃぐちゃしていて、イライラしちゃいそうなのに、何故か、笑って観ていられるので、とっても楽しめるんです。俳優のコクランは、実在の人物でとても有名な方なんだけど、メチャな人物に描かれていて楽しかったな。女優のマリアも笑えました。

 

そうそう、来月にナショナル・シアター・ライブで「シラノ・ド・ベルジュラック」を上映するようですよ。ジェームズ・マカヴォイ主演で、オリヴィエ賞を受賞した作品のようです。アレンジされているようですが、面白いと思いますよ。私は、観に行く予定です。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。この映画は面白かった。歴史的な作品が、どうやって出来上がったのかというフィクションですが、こんなに楽しく出来上がったのなら、そりゃ、良い作品になるわよね。楽しめました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」

 

「ナショナル・シアター・ライブ」