「アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌」精神的な傷を、音楽は癒す力がある。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌」を観てきました。

 

ストーリーは、

幼少期を暴力的な父親アーサーのもとで過ごしながら、やさしさを忘れることがなかったバート。高校時代に歌の才能を見いだされたバードは、父のもとを飛び出して音楽の道へと進んでいく。バートはミュージシャンとして順調にキャリアを積んでいくが、音楽業界で手痛い洗礼を受けたことから自信をなくし、すべてを捨てて父のいる故郷へと戻ってくる。アーサーは自身の過去を悔い、なんとかバートと解り合おうとするが・・・。

というお話です。

 

 

暴力的な父アーサーのもとで幼少期を過ごすも、決して優しさを忘れなかったバート。母親は夫の暴力に耐えられず、バートを置いて出て行き、父と二人で暮らしてきた。

父親の期待に応えようと、必死でアメフトに勤しんでいたが、ある日、プレー中に怪我をして骨折し、二度とアメフトには戻れなくなってしまう。仕方なく他の科目で単位を取ろうと探すが、もうコーラス部しか残っていなかった。

仕方なくコーラス部に通い始めると、顧問がバートの歌の才能に気が付き、彼をミュージカルの主役に抜擢する。主演を務め、歌に自信を持ったバートは、歌なんてとバカにする父親のもとを飛び出し、音楽の道へと進んでいく。父アーサーは、本心ではバートと分かり合いたいと願っているが、その気持ちを素直に現すことができず、バートが去っていくのを止めることが出来なかった。

ミュージシャンとして順調にキャリアを積むバートだったが、ある日、音楽業界の手痛い洗礼を受けた事で自信を無くし、全てを捨てて故郷に戻って来る。そこではアーサーが、過去の自分を悔い、なんとかバートと解り合おうと努力をしていた。しかし、バートはそれを信じることが出来ずに苛立ちを覚えるが、ある日、父親がバートに歩み寄った理由を知ることになり・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

有名なゴスペルソングらしいのですが、私は聞いたことがありませんでした。でも、凄く良い曲でした。この曲にまつわるお話が、この映画です。この曲を作ったバートの生い立ちが描かれ、父親との確執など、苦しんでいたことを描いていました。

 

バートの父親は、有名なアメフト選手だったようですが、怪我か何かでダメになって、あまり良い暮らしをしているように見えませんでした。アメフトが出来なくなった苛立ちからなのか、とても暴力的で、妻にも暴力を振るい、息子のバートにも暴力を振るっていました。バートの母親は、身体的な暴力と精神的な暴力に耐えかねて、バートをキャンプに行かせて、その間に出て行ってしまいます。

 

 

母親が居なくなってからは、父親の暴力は全てバートに向かい、バートは逆らえずに、父親の言いなりになるしかありませんでした。しかし、高校に入り、身体も大きくなって、父親に半強制的にやらされたアメフトで怪我をして出来なくなってからは、少し変わっていきます。歌の才能を開花させたバートは、自信を持てるようになり、段々と父親と対峙するようになります。もちろん、精神的に支配されていたので、簡単には恐怖は拭えませんが、それでも、歌で自信を持ったことが引き金となり、家を飛び出します。

 

きっと、DVを抱えている家庭の子供は、精神的に抑圧されていて、こんな風におどおどした感じになっちゃうんだろうなと思いました。いつもバートはビクビクしているんです。可哀想でした。バートの母親ですが、映画の中でも少しだけ語られていましたが、どーも、こういうDV男に引っかかってしまうタイプのようで、父親と離婚した後、一度、バートが会った時、またDV男と一緒に暮らしていたようで、バートの父親が相手をぶちのめしたっていうセリフがありました。その後、バートはこの歌が売れて、母親と再会出来たようです。

 

 

バートは、家を出てからバンドを結成し、段々とメジャーになって行くのですが、子供の頃からの精神的な抑圧があり、舞台に出ると焦りからか、凄い早口で喋りまくるんです。それが災いして、音楽業界のスカウト相手にも失敗してしまうんです。精神的に余裕があれば、相手の話を待って、落ち着いて聞けるのだと思いますが、この時は、まだ父親の恐怖から逃れられていないのかなと思いました。

 

本当の父親の過去がどうだったのかは解りませんが、デニス・クエイドが演じているので、父親にも色々な過去があったんだろうと思わせるような感じでした。やっぱりデニス・クエイドだと、味が出ますねぇ。暴力男なのですが、改心してからの父親はとても弱弱しく、息子の事を思っているように見えました。

 

この映画、音楽の力も描いているのですが、家庭内暴力があると、これほどに子供に影響を与えてしまい、大人になってもそこから逃れられない人が沢山いるのだろうという事を描いていました。このバートは、父親と和解出来て、精神的抑圧から開放されたのだと思いますが、通常はこんな風に解り合うことは難しいと思いました。社会問題ですね。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。良い映画だし、家庭内暴力の影響を良く描いていると思いました。暴力描写が大してあるわけではないのですが、身体的精神的な暴力が与える影響を描いていて、そんな問題を、音楽の力で癒して行くという部分が何とも優しい映画でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌」