【TIFF2020】「マリアの旅」年を取っても新しい世界は開けるんです。前を向いて歩きましょ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京国際映画祭2020で「マリアの旅」(TOKYOプレミア)を観てきました。

 

ストーリーは、

 

安定した老後を迎えていたマリアは、ある日、心筋梗塞を起こし、救急車で病院へ運ばれる。入院することになったマリアは、相部屋となった若いベロニカという女性と仲良くなる。彼女は重大な心臓疾患を抱えており、心臓移植が必要な患者だった。

 

マリアが退院する時、仲良くなったベロニカに「何かあったら電話をして。」と電話番号を渡して別れます。すると、しばらくして病院から電話がかかってきて、病院に来て欲しいと言われます。ベロニカの容態が悪くなっていて、連絡先を聞いたらマリアの電話を告げられたらしい。病院に行ってみると、身寄りがないから、あなたの電話を言ってしまったという。マリアはベロニカに何日か付き添うが、彼女は急変し、亡くなってしまう。

 

 

ベロニカには身寄りがないので、そのままだと火葬されてゴミにされてしまう。不憫に思ったマリアは名乗り出て、ベロニカの遺灰を貰い、彼女の遺品を頼りに、彼女の関係者を探しに行こうと旅に出る。今まで、夫の世話をやき、ほとんど旅など出た事が無かったマリアが一人旅に出たのだった。

 

バスを乗り継ぎ、ベルギーからスペインへ旅をする。ベロニカはスペインからベルギーに来て仕事をしていたのだ。スペインでベロニカが住んでいたらしい町を訪れ、彼女の事を聞いてみると、この町にもどこかから流れてきて住み着いたらしい。母親のファティマは既にそこにはおらず、恋人だったという男を見つけるが、少し付き合っただけでそれ程知らないと言う。

 

 

以前ベロニカが住んでいたという家に誰かが帰ってくるのを待とうとホテルを探すが、その町には無く、貸してくれる部屋はあると紹介され、部屋を借りる。その部屋の近くにあるレストランバーの主人と仲良くなり、不安だった一人旅が楽しくなってくる。ベロニカの遺灰を親族に届けるつもりだったマリアが、段々と自分を見つけていく。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、良かったなぁ。現代ヨーロッパ版の「バクダッドカフェ」みたいな感じなんです。もう人生の後半に来たマリアという女性が、今まで尽くしてきただけの人生ではなく、自分がやってみたい、楽しいと思う事を初める、人生再生のお話なんです。

 

 

きっと、結婚して、子供を産んで、夫と子供の世話をするだけで精一杯の人生を送ってきたのかなと思います。そんな彼女が、年を取って、子供たちも独立し、ふと気が付くと、何もしない夫が横にいるだけ。自分は何をしてきたんだろうと、我に返って、唖然としてしまう。女性には、こんな時があるんじゃないかしら。そんな彼女が、たまたま病院で出会った、若くて美しいけど、とても不幸な女性と出会って、まるで彼女が出来なかったことをマリアが変わってしてあげているような、そんな風に見えました。

 

ベロニカという女性は本当に謎で、スペインで話を聞きまわっても、何となくみんなが覚えているけど、確実な事は一切判らない。きっと、親しくしていなかったのでしょう。色々な場所を流れて住んでいたのかなと思いました。きっと、家族ももういないんじゃないかな。ベルギーで働いていたらしいけど、その仕事先の人も誰も来ていなかったので、バイトのような感じだったのかな。映画では、彼女の情報はほとんど出てこないんです。みんな、他人の事なんて、そんなに覚えていないよね。

 

 

スペインに行って、ベロニカが住んでいたらしい町に泊るのですが、マリアはお腹が空いてしまい、もちろんコンビニらしき店も無いので、一軒あるレストランに行き、何か食べるものをと頼みます。イヤそうな顔をされるけど、自分で作るからというと、キッチンと材料を貸してくれて、日本でいうお好み焼きみたいのを作るんです。卵を溶いてじゃがいもをスライスして、混ぜて一緒に焼いた感じ。私もお腹が空いていたので、美味しそうに見えました。簡単そうだったな。

 

レストランのオーナーは、従業員が辞めてしまい料理を作ってくれる人を探していたんです。そしてマリアに料理を作ってくれないかと頼み、もちろんマリアは断るんだけど、紆余曲折あり、日曜日のパーティーだけ、料理人としてレストランを手伝う事に。そんなこともあり、レストランオーナーと、イイ感じになるんです。オーナーは若いけど、でも、ちょっとドキドキするような展開がありました。こういうのって、ステキかも。

 

 

素敵な映画でした。私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。年寄りになったからって、妻をないがしろにする夫は痛い目を見ますよ。女の方が気持ちは若いんだから、その気になったら、もしかして、新しい道を歩き出すかもしれない。一緒にいてくれるのはお情けなんですよって事に気が付いた方が良いです。そんなことを感じた映画でした。日本公開、して欲しいなぁ。女性にぜひ観て欲しい。もし、公開されたら、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

「マリアの旅」