【TIFF2020】「アラヤ」全て自分の意志のつもりでも、無意識下で過去の因果が関わってくる。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京国際映画祭2020で「アラヤ」(TOKYOプレミア)を観てきました。

 

ストーリーは、

 

猟師のダーチェンは息子を連れて山に入り、狩りが禁止されている地域なので、息子に警察が来たら笛を吹くようにと教えて、奥に入って行く。しばらくして笛が聞こえ、息子を捜しに行くが忽然と姿を消していた。探しても息子は見つからず、悲しみのあまり山中に隠遁する。

 

同じ頃、山に入ってきたトラックがあった。未亡人の女性を上手くトラックに乗せ、強姦しようとしていたのだ。気が付いた女性が逃げようとするが、暴行されてしまう。しかし途中で山の中から出てきた男が暴行していた男を殴り、女性は逃げる事が出来る。

 

それから17年の歳月が流れる。ある女性が中絶をする為に病院を訪れる。しかし、ギリギリで思い止まり、子供を産むことにし、父親の男に告げるのだが拒まれてしまう。それでも女性は子供を自分で産み落とす。

 

 

子供は産まれたが、心臓病を患っており、高い薬を飲ませ、手術を受けるように勧められる。父親の男は、子供など面倒になり、病院の帰りに山の中に捨ててきてしまう。すると、山の中で暮らしていた男が子供を拾い、その昔、失踪してしまった自分の息子の生まれ変わりだと思い、育て始める。

 

拾った子供が泣き止まず、一緒にくるまれていた処方箋を見つけ、男は薬屋に走る。薬屋に薬を強請るがお金は持っていない。薬屋はあげられないと断るが、あまりにも言うので、仕方なく5錠恵んであげる。

 

その薬屋は、その昔、暴行された女性の息子であり、暴行されて出来た子が妹としている。母親の死後に村を出ていたが、最近、実家に帰ってきて薬屋を始めたらしい。奇妙に繋がった人々の糸が絡まり合い、それぞれが意識せずに持っている遺伝的な記憶が繋がり始める。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、不思議な映画でした。出てくる人たちのほとんどが、過去に関係している人々で、最後まで行き着くと、あー、その人がこの人だったのねとか、子供だったのねとか、アラヤという村を中心に、誰もがここから離れられず、繋がっているのだということが解るんです。

 

このアラヤという題名ですが、映画の中では村の名前になっているけど、仏教用語で「アーラヤ識」というのから来ていて、人間の8つの心の中の最深層に位置するものらしく、普段自覚している意識よりももっと深い所で、強い力で私たちを動かしているものらしいです。

 

 

この映画も表面的にはバラバラとして、全く関係の無い人々ですが、彼らの過去の行いによって業が蓄えられていれ、それが現在の彼らの行動に関係してきているという事なんです。

 

そんな難しい事が描かれているのですが、うーん、確かにみんな繋がっているし、過去に関係してるじゃんって事なんですが、だから、どうなの?って思ってしまった私は、あまり理解が出来ていないのかな。

 

 

過去の出来事がっていうけど、誰も、そんなに悪いことをしている訳じゃないんです。どちらかと言うと被害者の方で、苦しんでいた人が、また、時代が変わっても苦しまなくちゃいけないの?って感じで、神も仏も無いなぁと思ってしまいました。過去に辛い思いをしていたなら、その分、未来では幸せにしてあげて欲しいよね。”泣きっ面に蜂”みたいなんだもん。

 

善い行いをしていれば返ってくるし、辛い思いをしたら、その分幸せな事もあるはずと私は思っているので、何処までもムチ打たれるというのは納得が出来ません。神がいるなら、そんな事しないでしょ。神が見ているというのなら、プラスマイナスゼロにしてくれなくちゃ、不公平よね。

 

 

私は、イマイチ、この映画の良さを理解出来ていないような気もしますが、不思議な雰囲気は、ちょっと良かったなぁと思いました。私は、この映画、お薦めしたいと思います。不思議な因果に導かれた人々が繋がっていく様は面白いと思いました。日本公開は、何とも言えませんが、もし、公開されたら、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

P.S : 阿頼耶識システムって、機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズに出てきたでしょ。それと同じ語源です。

 

 

「アラヤ」