東京国際映画祭2020で「スレート」(TOKYOプレミア)を観てきました。
ストーリーは、
養護施設で育った世には、アクション女優になって映画界で活躍する夢を持っていた。彼女の父親は俳優だったが売れず、妻は出て行き、アルコール依存症になり、娘は施設に入る事になったのだった。そんな父親を見ていたヨニは、主役出なきゃ意味がないという考え方をするようになり、主役を張る俳優になる事が夢になったのだった。
ある日、映画監督に呼ばれるが、主演ではなくスタントとしての起用だった。ヨニは断ったのだが、友人に仕事を請けなきゃダメだと言われ、スタントの仕事を請け負った。撮影当日、友人と現場に向かうが、誰も居ない撮影現場に辿り着く。周りを探っていると、子供の頃に貰ったお守りと同じものが落ちており、自分のと合わせると眩い光が満ちて、全く知らない世界に召喚されてしまう。
そこは独裁者に支配された無法地帯だった。村長のキム・ジナは、彼女を村を護る為に使わされた”鬼刀と思い、彼女に助けを求める。ヨニは、何が何だかわからず、逃げ出すのだが、そこで同じ世界から召喚されたユーチューバーと出会う。彼もヨニと同じように、お守りを握って何かを強く願ったら、この世界に飛ばされたらしい。彼からの情報によると、この世界にいる人々は元の世界と変わらないのだが、違う歴史をたどってきた世界らしい。
悪人により搾取され、苦しむ村人たちをほおっては置けないと、ヨニは立ち上がり、”鬼刀”として彼らを助ける事にする。そんな村に、ある男がやってくる。少年に話しかけるその男は、”鬼刀”だと言う。本物の鬼刀が現れて、ヨニはどうなるのか。後は、映画を観て下さいね。
この映画、面白かったです。予告を観る限り、どーもB級映画の匂いがプンプンしておりまして、これは見なくちゃと思って、観る事にしました。確かに、B級と言って良いような展開だし、ちょっと日本の戦隊モノっぽい感じもするのですが、面白いんです。特に、主演のアン・ジヘさんのアクションが素晴らしいんです。ホントにカッコいい。相手役たちもカッコいいけど、女性でこのアクションは凄いです。彼女は手足も長いし、容姿も良いので、戦いが綺麗なんですよ。ちょこちょこしていないんです。
話の中に本当の”鬼刀”役として出てくる男性がいるのですが、この人がイケメンなのよ。出る場面は少ないのですが、肩に小さなぬいぐるみの鳥を付けていて、その鳥が敵からの攻撃を阻止するバリアーを出したりして、笑えたわ。イケメンで、アクションも良いのに、そんなお茶目な事もしてくれて、気に入りました。
最近の韓国映画はヒューマンドラマが多いので、もう少しお遊び映画も観たいなと思っていたら、この映画があったので嬉しかったです。韓国のアクションコメディ、ちょっと特撮って感じが面白いです。もっと作って欲しいな。
内容としては、本当に単純で、パラレルワールドに飛ばされた主人公が、その世界で”主人公”として戦って、紆余曲折あった末に、何とか現実世界に戻ってくると言う、良くあるお話です。まぁ、夢オチみたいな感じなんだけど、これだけアクションを頑張ってくれていると、応援したくなるなぁ。
日本の映画で、「TRAVERSE トラバース」っていう映画があるでしょ。私は、まだ観れていないのですが、その映画もアクションを重要視して撮っているようで、ぜひ観たいと思っていますが、この映画は、日本の映画とは違ってワイヤーも使っているようだけど、若い監督が一生懸命アクションを撮影するぞって頑張っているような作品に見えて、そういう、これを撮りたいんだっていう気持ちは近いのかもしれないなと感じました。何もかもが平均的っていうより、撮りたい部分が押し出されている方が面白いし、観る方も今後が期待出来るかなと思います。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。本当は、”超!”を付けたいけど、物語はB級なんです。でも、アクションはAランクだと思いました。韓国映画のB級かなーとは思うけど、アクションは負けていないと思います。美人とイケメンが剣を使って戦いますよぉ。楽しめます。日本公開して欲しいな。もし、公開したら、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「スレート」