【TIFF2020】「ティティ」聖母のように美しい心を持った女性が身近に居たらどうします? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京国際映画祭2020で「ティティ」(TOKYOプレミア)を観てきました。

 

ストーリーは、

 

脳腫瘍で入院中にブラックホール拡張理論の証明を試みる物理学者イブラヒムは、代理母をするロマで病院清掃員のティティと出会う。イブラヒムの脳腫瘍は悪化し、一時、重体に陥るが、治療のおかげで回復することが出来る。部屋に戻ると、それまでに書いていて数式の紙が無い。元妻がもういらないと言って、捨ててしまったらしい。

 

ブラックホールの謎を解いた数式を書いたものだったのにと、途方に暮れるイブラヒムだったが、清掃員のティティが家に持ち帰ったと知り、彼女の元を訪れる。ティティは、文字も数式も読めないが、紙は高価で色々な使い道があるので貰って来たのだっjた。割れた窓に張り付けたり、ハーブの乾燥に使ったり、壁のインテリアにしたりと使っていたが、イブラヒムが大切な紙だというので、全て返却する。しかし、何枚か足りない紙があった。ティティに聞くと、婚約者のアミルにウサギ小屋の敷物にとあげたらしい。イブラヒムは何とか取り戻して欲しいと話し、アミルに連絡すると、帰ったら探して返すという。

 

 

仕方なくイブラヒムは、ティティの家に滞在し、アミルを待つことにする。あの紙に書いてある内容は、ブラックホールが地球を飲み込むのを阻止するための計算式なんだと、沢山の人を助ける為の数式なんだと話すイブラヒムに、ティティは、まるでノアの箱舟のノアのようだと驚き、尊敬し始める。

 

アミルが帰ってくるのだが、紙を返そうとしないばかりか、ティティが目当てなのではないかと疑い、イブラヒムを追い出す。ティティは、イブラヒムは良い人で、自分とは何の関係も無いと言うのだが、アミルは紙を返そうとしない。そして、ティティは代理母としての出産が迫っていた。

 

後は、映画を観て下さいね。

 

主人公のティティが、まるで天使か聖母のように正直で、優しくて、人の為になんでもやっちゃうような女性なんです。それ、騙されてるんだよって言っても、「良いんです、あの人が喜ぶなら。」って返すような人物で、呆れるほど人が良いんです。なので、それを利用している男がいて、その一人がアミルなんです。

 

でも、アミルも心底、悪い人間ではなく、ティティが何処までも尽くしてくれるので、いたたまれなくなる場面もあり、そんな彼女を愛おしく思っている部分もあるようでした。でもね、”代理母”は子供を産めない人を助ける仕事だからって、ティティに進めて、ティティは、もう既に2回も代理出産をしていて、今も妊娠しているんです。

 

 

ティティは、産めない女性の為にやっているつもりなんだけど、アミルは裏で取引をして、お金を貰っていたり、借金のカタに代理母をやらせたりしているんです。酷いでしょ。そんな簡単に何度も代理出産させるなんて、確かに妊娠は病気ではないけど、命の危険だってあるのだから、そんな簡単に引き受けてやることではないですよね。まったく、何を考えているんだか。

 

そんなティティが、妊娠中は病院の清掃員の仕事をしているのですが、その病院で、物理学者のイブラヒムに出会います。彼はブラックホールの研究をしていて、ブラックホールが地球を飲み込むと仮定した場合に、それを回避するための計算をしているらしく、大きな紙をベッドに広げて、ずーっと計算をしているんです。

 

イブラヒムを見舞っているのは元妻と娘で、イブラヒムがあまりにも学術にのめり込んでいて、家族を顧みなかった為に離婚したらしいんです。でも、脳腫瘍になり危険な状態だったりで、娘を父親に逢わせたりして、面倒を見てくれていたようでした。

 

 

そんなイブラヒムが回復し、自分の計算書を見ようとしたら、元妻が捨ててしまっていたんです。そりゃ、そうですよね、昏睡状態で死ぬ寸前だったのですから。その計算書を捜しに、ティティの所に訪ねるんです。ティティが捨ててなかったから良かったけど、普通、捨ててくださいって言われたら捨てるわよね。なんだよ、この物理学者!って思っちゃいました。たまたま、捨てないで持っていたというだけで、なんか責められることになっちゃって、捨てていれば良かったと普通なら思うけど、このティティは、それは困りましたねっていって、一緒に探すんです。いやいや、捨てた紙なんだから、無いのは当たり前だからね。

 

で、アミルと喧嘩したり、色々することになるのですが、何があっても、ティティは、人の為になるならって言いながら行動するんです。もー、いいから自分の為に生きなさいって言いたくなりました。でも、そんなティティがいたからこそ、周りの人々の心が潤って、憎しみなどが消えていくという事だったんです。相手を思いやり、利益など考えないで行動することが、人間の本質なのだという事を教えてくれていたような気がしました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。凄く良い映画なんですが、ちょっと良い人過ぎるところが、鼻に付いたかな。まぁ、最後の方で、自我が出る部分もあるにはあったのですが・・・。日本公開はどうかなぁ。とても大人しい映画なので、インパクトに欠けるかもしれません。でも、観ると、心が優しくなります。もし、公開されたら、ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

「ティティ」