【TIFF2020】「アップル」記憶を失くした男が食べたアップルはイブが貰った物と同じかも・・。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

東京国際映画祭2020で「アップル」(TOKYOプレミア)を観てきました。

 

ストーリーは、

 

男は、自宅アパートを出て、街をふらついてバスに乗ると眠ってしまう。運転手に終点だと告げられ、何処に行きたかったんだと問われるが、何が何だか、全く解らない。どうして自分がそこにいるのか、自分は何者なのか。

 

茫然自失の男は医師の診断を受けるが、身元も何も判明しない。男は、記憶回復のためのプログラムを受け、録音テープの指示に従う毎日が始まる。病院の関係者が、送られてくるテープを聞いて、その指示に従って行動を続けていくと、記憶が戻ってくるかもしれないと言われ、真面目に、その送られてくる課題に取り組んでいく。

 

 

男は、自分と同じように治療を受けている友人も出来て、毎日のスケジュールが埋まっていく。余計な事は考えず、指示に従うという事を続けて行くのだが、男の表情はすぐれないままだった。

 

彼は、何故かリンゴを気に入っており、毎日のようにリンゴを買っては食べていた。八百屋の男と顔見知りになり、ある日、八百屋が、リンゴは記憶の回復に役立つらしいよと言ったとたん、リンゴを置いて、オレンジを買い始める。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、良い映画だったなぁ。何が起こっているのかよく解らず、まるでコメディのような内容が続くのですが、最後にじんわり、温かい感動が沁み込んでくるような、そんな映画でした。

 

 

内容は、そんなに無いんです。記憶を失くした男性が、行政の保護を受けて、記憶を回復させるためのプログラムを受けることになるのですが、これが、レトロなのよねぇ。だって、今時、カセットテープですよ。おいおい、今時、カセットデッキさえも売ってないんだよって教えてあげたくなりました。カセットが聞けない時代になってきているんです。そんな現代に、カセットで指示をするって、凄いレトロでしょ。

 

記憶を失くした彼は、何か訳ありのようでした。指示された通りに、色々な行動を重ねていくのですが、この指示内容が、全く記憶に関係無いと思われるような事ばかりなんです。なんでこんな事やらせているんですか?って聞きたくなるような、的外れな行動で、誰かの趣味じゃないかと思っちゃいました。これ、全部が趣味なら、指示した奴らは変態だな。誰が観ても、ナニコレっていうような指示内容でした。

 

 

記憶を失くしちゃった男は、顔に感情が出ず、まるで能面のような顔で色々な事をこなして行きます。何があっても、まるで感情が無いように、表情が変わらないんです。でも、時々、ふと、意志があるような目にな

り、あれ?と思うのですが、また直ぐに、感情は消えてしまうんです。

 

ある日、散歩途中で、名前を知っている犬に出会います。でも飼い主が来る前に、その場から立ち去って、知らない振りをしていたので、きっと、記憶が無くなったフリをしているんだなと気が付きました。時には、以前住んでいた番地を言ってしまい、慌てて、それは昔のだったと訂正したりして、何か、大きな理由があって、記憶喪失のマネをしているんだろうなという事が解ってきます。まぁ、その理由については、ネタバレになるので書けません。でも、私は感動しました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。記憶喪失を治すための治療をして行くのですが、それ治療の為じゃなくて、完璧に面白いからやらせているだけですよねってツッコミたくなるような内容でして、楽しめました。日本公開はどうなるのかな。面白い映画なので、公開してくれたら嬉しいな。映画祭で上映された「アフター・ラブ」とセットで観て欲しいような作品でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

「アップル」  https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3301TKP05