【TIFF2020】「最後の入浴」可愛い甥っ子が成長し、大人の男に見えてきてしまい・・・。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京国際映画祭2020で「最後の入浴」(TOKYOプレミア)を観ました。

 

ストーリーは

 

陽光降り注ぐ田舎の村。15歳の少年アルシャンドルは、祖父の家で育てられていた。ある日、突然に祖父が倒れて亡くなってしまう。直ぐにアルシャンドルの伯母にあたるジョゼフィナに連絡が入る。修道院で修道女として、生徒たちの面倒を見ていた彼女は、突然の電話で、父親が亡くなったことを知らされて、甥のアルシャンドルが一人になってしまったと言われてしまう。

 

アルシャンドルは、ジョゼフィナの妹・アンジェラの息子であり、母親が田舎の祖父の所に預けたまま、既に4年間も会いに来ていなかった。ジョゼフィナが面倒を見なければ、アルシャンドルは施設に入ることになってしまう。とりあえずジョゼフィナは、お葬式の為に実家に帰り、色々と済ませて、アルシャンドルをどうしようか考えあぐねていた。自分が修道院を辞めて帰ってくれば良いのだが、そうもいかない。アンジェラに何度も連絡を入れるのだが、全く返事が返ってこないのだった。

 

 

仕方なく、しばらくは様子を見ようと、実家に滞在するジョゼフィナと、そこで暮らすアルシャンドル。ジョゼフィナは、まだ少年だと思っていた甥だったが、身体は大人の男と変わらず、同級生と恋愛をする年齢になっていたことに気が付き、複雑な心中になっていく。

 

そんな時、探していたアンジェラが実家に訪ねてきて・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

とっても微妙な内容の映画でした。15歳の甥っ子が一人になってしまい、戻ってきたジョゼフィナ。最初は、迷惑だと思っていたのですが、一緒に生活をし始めると、可愛くて、自分の息子のように感じて世話をするようになります。しかし、子供だと思っていた甥っ子が、男性になっている事に気が付き、気になり始めます。

 

 

修道女となって、既に40歳となったジョゼフィナは禁欲生活をしてきており、男性になっていた甥っ子、そして、とても女性らしい魅力を持ったアンジェラを前にして、気持ちが揺れてきてしまいます。

 

アルシャンドルは、身体は大きくて男性的になっているけど、まだまだ子供なんです。考え方も何もかも、面倒を見てあげないとダメな少年で、やっぱりお母さんが恋しいんです。ずーっと戻ってきてくれなかった母親ですが、それでも母親を待っていたんです。

 

ジョゼフィナは、母親アンジェラの代わりになれるかなと、一瞬、思ったのではないかなと思いました。息子のように思って、お風呂に入れてあげたり、色々な世話を焼いていると、子供なんだけど、身体は男性になっていて、それまでは女性ばかりの修道院に居たわけですから、なんとなくモヤモヤしてしまう訳です。でも、それを隠さなくちゃいけなくて、パーティーに行きたいと言えば、早く帰ってきなさいと送り出さなくちゃいけない。独占欲が出てきても、それを抑えなければいけない。

 

 

それまでジョゼフィナの中には、そんな感情が無かったのに、突然に湧き上がってくるのですから、そりゃ、頭の中がパニックになって、悩んでしまいますよ。その彼女の困惑ぶりが、良く描かれていました。

 

また、このアルシャンドルが、大人の身体をしているくせに可愛い顔をして、伯母さんにお風呂に入れて貰って髪の毛を洗って貰ったり、シラミを取って貰ったり、それを全く当たり前だと思って、やって貰っているんです。そりゃ、可愛くなっちゃうよね。私だって、こんな男の子が、素直にいう事を聞いてついて来れば、何でもしてあげたくなっちゃうわよ。うーん、ちょっと考えさせられる映画でした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。とっても微妙な心理描写をしている映画でしたが、気持ちは伝わって来たし、残された者が寄せ合って生きて行くというのは、良い事なのかなと思いました。日本公開は、どうかなぁ~。ちょっと難しいかなぁ~。とても静かな映画なので、どうなるか判りませんが、もし、公開されたら、観てみてください。もう一度、映画祭でも上映するようです。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「最後の入浴」   https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3301TKP17