「水上のフライト」一つの夢が破れても、また次の夢を見続ける事は出来るんです。諦めないで! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「水上のフライト」をオンライン試写会で観ました。Fan's Voiceさん(@fansvoicejp)の独占最速試写会でした。

 

ストーリーは、

走り高跳びで世界を目指す遥は、事故に遭い歩くことができなくなってしまう。心を閉ざし自暴自棄に陥っていたある日、パラカヌーと出会った彼女は、周囲の人々に支えられながら新たな夢を見いだしていく。

というお話です。

 

 

自分の実力に絶対の自信を持つ高慢な遥は、走高跳で世界を目指し、有望スポーツ選手として活躍していた。だがある日、交通事故に合い、命は助かったものの二度と歩くことができなくなってしまう。脊椎損傷をしていたのだった。

将来の夢を絶たれた遥は、心を閉ざし自暴自棄になって閉じこもりがちになってしまう。遙を心配した母親の郁子は、亡くなった夫の友人である宮本に連絡をし、カヌーの練習に連れ出してもらうようにする。子供の頃に、父親に連れられてカヌーをしていた遙は、嫌々ながらも宮本の開いているカヌー教室に参加してみると、スポーツの楽しさを思い出すのだが、自分の動かない足を思い出し、打ちひしがれてしまう。



 

もうどうにでもなれと外に出た遙は、川辺の坂道を車椅子にブレーキもかけずに走り下り、途中で転がって倒れてしまう。倒れていた遙をカヌー教室の子供たちが見つけ、彼女をカヌー教室を手伝っている加賀の所へ連れていく。加賀は、パラスポーツの補助具を創る工房に勤めており、遙にパラスポーツの素晴らしさを教える。

足が使えなくてもパラスポーツならパラリンピックに行けるのだという事を知り、負けず嫌いの遙は、カヌーでパラリンピックへ行けないかと考え始める。宮本に相談し、パラリンピックを目指したいと相談すると、快く賛同してくれて、加賀も一緒に助けてくれることになる。



 

カヌー教室の子供たちも喜んでくれて、やる気を出した遙は、パラカヌーという新たな夢に突き進んでいく。そこには、沢山の人々の助けを借り、みんなの夢も一緒に運んでいく遙の姿があった。そしてパラカヌーの選考会へ向けての練習が始まる。後は、映画を観てくださいね。

 

久しぶりに、爽やかな青春スポーツものを観たような気がしました。チームプレーのスポーツ映画はあったけど、こういう個人プレーのスポーツものって最近無かったので、ちょっと楽しかったかな。それに、感動作に仕上がっていました。

 

 

高跳びの選手だった遙は、それまで、その競技の”女王”と呼ばれるほどストイックで、完璧な競技者だったんです。何となく、お蝶夫人っぽい感じなのよ。そんな彼女が、交通事故で脊椎損傷をして、下半身が動かなくなってしまいます。遙は絶望するんだけど、それでも持ち前の負けん気は持っていて、遊びでカヌーをしただけなのに、追い越されるとムカッとして、前に進もうと凄い漕ぐんです。そんなところが、この主人公の性格をよく表していて、面白いなぁと思いました。その負けん気が、後々、効いてくるんです。

 

 

子供たちや加賀との出会いで、パラスポーツを知っていく遙は、自分にも出来るかもと考え始めます。元々、トップクラスのスポーツ選手なんだから、運動神経は良いし、既に筋肉は付いているし、パラカヌーなら理想的ですよね。簡単そうかななんて思っていたのですが、見ていたら、とんでもなく大変なスポーツなのかもと思い直しました。

 

だって、腕だけで漕いで、上半身はバランスを取る為にカヌーの上で固定しておかなければならないようなんです。両腕を精一杯動かして漕いだら、どうしても身体も動いちゃうでしょ。下半身が動けば、足で上手く操作が出来るかもしれないけど、足が動かない彼らは、上半身だけでバランスを取ってカヌーに乗っていなきゃいけないのだから、凄い筋肉が必要だろうなぁと思いました。映画では、それ程、大変そうに乗っている訳ではないのですが、あれ、自分がやろうと思ったら、そう簡単にはいかないだろうと思います。すぐひっくり返りそう。

 

 

そんな遙を見守る存在が、宮本と加賀と子供たち、そして母親なんです。子供って、遠慮がないからストレートに「足怪我したの?」とか、「足はずっと動かないの?」とか聞くんです。残酷そうに見えるけど、きっと本人はストレートに聞かれた方が楽だと思うんです。変に気を使われたりするのって、イライラするでしょ。子供たちがいたからこそ、遙は吹っ切ることが出来たのかなと思いました。それに、補助具を創っている加賀が、付かず離れずで、良いフォローをするんです。これ、イイ役だなぁと思いました。杉野さんの演技、とても自然で良かったです。

 

母親は、サラッとしていながらずっと見守っているし、宮本は、一緒になってパラカヌーでパラリンピックに行こうと頑張っていたし、周りの人たちが、みんな優しくて、遙を愛しているという事が伝わってきました。母親役の大塚さん、宮本役の小澤さん、安定していて、安心して観ていられました。このお二人が出ていることで、お話全体が、落ち着いて地に着く感じがして、良かったです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。超を付けようかと思ったんだけど、来年、オリンピック・パラリンピックが開けるのか、ちょっと怪しくなってきていて、ここで盛り上げても良いのかなぁ~って思っちゃいまして辞めました。でも、映画としては、誰が観ても元気が貰える作品ですし、”スポーツってやっぱり良いなぁ”と思えるのが良いかなって思いました。コロナ禍で、スポーツも簡単には出来ないご時世ですもんね。でもスポーツ、やりたいですよね。そんな気持ちにさせる映画です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

水上のフライト|映画情報のぴあ映画生活