「パピチャ 未来へのランウェイ」女はこうあるべきを押し付ける教えなど要らない。誰もが人間なのだ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「パピチャ 未来へのランウェイ」をオンライン試写会で観ました。Fan's Voiceさん(@fansvoicejp)の独占最速試写会でした。映画の後にムニア・メドゥール監督のトークショーがありました。

 

ストーリーは、

90年代、アルジェリア。ファッションデザイナーを夢みる大学生のネジャマは、ナイトクラブで自作のドレスを販売していたが、イスラム原理主義の台頭により、首都アルジェでは女性にヒジャブの着用を強要するポスターがいたるところに貼りだされていた。そんな現実に抗うネジュマは、ある悲劇的な出来事をきっかけに、自分たちの自由と未来をつかみ取るため、命がけともいえるファッションショーの開催を決意する。

というお話です。

 

 

1990年代、アルジェリア。ファッションデザインに夢中な大学生のネジュマは、毎夜のように大学寮を抜け出して、ナイトクラブで自作のドレスを販売している。夢は、世界中の女性の服を作るデザイナーになること。

同時期に、武装した過激派のイスラム主義勢力の台頭によりテロが頻発する首都アルジェでは、ヒジャブの着用を強制するポスターがいたるところに貼られるようになる。従うことを拒むネジュマだったが、ある悲劇的な大事件が起こり、大きなショックを受けて、自由を得る事への重要性を感じ始める

ネジュマは、家に伝わる生地”ハイク”を使って、自由を主張する為のファッションショーを開こうと考える。”ハイク”とは、ウール50%シルク50%の正方形の生地。色は白であり、ヒジャブの黒とは対照的なのだった。



 

しかし過激派の襲撃が頻発している今、ショーを開くのは危ないと大学からも中止を言い渡され、どうにもならなくなったネジュマたちだが、新聞記事を見て反撃を始める。

新聞に、給食に入れられている臭化カリウムに関しての記事が載っており、中枢抑制剤で慢性中毒を引き起こす危険性があると書いてあったのだ。女性を大人しくさせる為にそこまでしている社会で良いのかと訴えるネジュマに大学教員も反撃が出来ず、大学寮内でのファッションショーの開催を了承する。外からは遮断されているし、情報が漏れる事は無いと考えていたのだが・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、監督が経験した事実を元にストーリーを創作したとおっしゃっていました。1990年代のアルジェリアは、イスラム教の考え方が強く、女性は男性の所有物のような扱いだったようですね。女性は肌を見せないようにして、結婚したら夫にだけ姿を見せるって感じなのかしら。もう、私には全く理解が出来ない考え方で、ちょっと驚きます。監督は、そんなアルジェリアから18歳で両親と共に、国外へ出たそうです。この映画で描いたことは、現実ではないですが、体験から感じたことを描いたそうです。

 

ネジュマは、普通の女子大生です。大学の寮に入っていて、友達と仲が良くて、一緒になって寮を抜け出し、夜遊びをして、こっそり戻るという事をくり返しています。日本と同じですよね。でも、ある時、”女性はヒジャブを着用するように”というポスターが貼られるようになり、自由な服装をしていると目の敵にされるようになるんです。

 

 

男性から嫌がらせを受けたりヒジャブを強要されるなら、何となく敵だから解かるんだけど、同性の女性からそれをされるんです。おかしいでしょ。同じように苦しんでいるはずなのに、どうして自分が嫌な事を人に強要するのかしら。これ、社会の中でも良くあるんだけど、何故か女性って、同性に対して凄い対抗心と嫉妬を抱く人がいるのよね。全くそうでない人もいるんだけど、病的に同性に対して文句をいう人がいるのよ。

 

先日、日本でも、「女性は平気で嘘をつく」と言った女性政治家がいたけど、嫉妬心ですよね。凄く卑屈になっているからこんな言葉が出ると思うんだけど、自分の能力に自信がないから、人にこういう言葉が出てしまうと思うんです。この映画の中でネジュマを弾圧する女性も、自分は男性に従属しないと生活が出来ないと思っているから、それに反発して自立しようとする女性を弾圧するのよね。もし自立出来る女性が出てくると、自分の能力がない事を認識しなくちゃいけないですから。そんなレベルの低い戦いは止めるべきだけど、彼女らにとっては、それが生きる道なんだろうと思いました。

 

 

それにしても、テロを起こして、相手を殺すまでしてしまうのは狂気ですよ。こんな事が本当に起こっていたらしいので、そりゃ、どんなに自分の

祖国に居たいと思っても、そこには居られなくなります。

 

題名のパピチャですが、アルジェリアのスラングで「愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性」という意味だそうです。という事は、イスラム世界では、厄介な問題女性という意味ですよね。イスラムの常識を守れと言っているんですから。

 

これ、1990年代のお話ですが、現代もそれほど変わっていないですよね。随分と、女性の能力も認められては来たけど、アルジェリアも日本も、まだまだ男女同権とはなっていません。でもね、同権になるには、男性だけじゃなく、女性自身の意識の変化が大切だと思うんです。女性はこうあるべきだではなく、人間はこうあるべきだと考えなければ始まりません。

 

 

戸籍の名前だって、別々で良いでしょ。一緒にしたければすればよいし、自分のアイデンテティは捨てられないというなら、別姓にすればよいのに、子供がとかなんとか、理屈をつけて認めないのはやはり男性に従属していると安心という女性の卑屈な考え方です。何なら、アメリカのようにミドルネームで苗字を二つにしたっていいんじゃないの?これだけデータ処理で全てが出来るようになっている時代に、印鑑がとかサインがとか、下らない事言ってんじゃないのよ。指紋認証、顔認証、その内、DNA認証になるんだろうから。そうなると、困る女性は多いだろうなぁ。自分が産んだ子が夫の子供か、直ぐに解っちゃう。

 

話が反れましたが、ネジュマはファッションショーを開くことで、女性も言いたいことを言って、着たいものを着て、訴える権利があるのだという事を示したいと思っているんです。女子大生の彼女たちにとって、それしか考えを主張するところが無かったんです。なので、必死になってショーを開こうとするのですが・・・。30年も前の事なのに、今も同じことが、色々な国で起こっており、日本でさえも、男女同権になっていないということが、とても心に刺さりました。人間は、いつになったら自分の間違いを認める事が出来るんでしょうね。本当に辛いです。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。この映画を観て、本当に考えて欲しいです。人間は、何故多種多様な生き方を容認出来ないのか。考えるべきだと思いました。他人を認めるには、自分に自信が無いと出来ないかもしれませんが、ちょっとしたことで自信を持って良いんですよ。ご飯をよそうのが上手いとか、コーヒーを淹れるのが上手いとか、そんなんで十分じゃないですか。私は何かな~。観た映画の脳内整理が早いとかかな。うんうん。誰もが幸せに生きれる社会になるよう、こういう映画を観て欲しい。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

ちなみに、この映画、アルジェリア本国では上映禁止です。国は、国民に不都合な事を見せたくないようです。酷いですよね。日本はそんな国になって貰っちゃ困るなぁ。訴えたいことを映画で描いて、上映出来る国でいて欲しい。問題があったら訴えていきましょうね。

 

 

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