「マティアス&マキシム」涼しげな風が穏やかに流れて、二人の気持ちを包むような作品でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「マティアス&マキシム」をオンライン試写会にて観ました。Fan's Voiceさん(@fansvoicejp)の独占最速試写会でした。

 

ストーリーは、

幼なじみである30歳のマティアスとマキシムは、友人の短編映画で男性同士のキスシーンを演じたことをきっかけに、心の底に眠っていた互いへの気持ちに気づき始める。婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠しきれない。一方、マキシムは友情の崩壊を恐れ、思いを告げぬままオーストラリアへ旅立つ準備をしていた。別れが目前に迫る中、本当の思いを確かめようとするマティアスとマキシムだったが・・・。

というお話です。

 

 

30歳のマティアスとマキシムは幼馴染。その日はジムで汗を流し、一緒に仲間のパーティへ向かう。リヴェットの妹が来るという話があり、10代の遠慮を知らない彼女のパワーに、友人一同、関わりたくないという気持ちがあるのだが、彼の言えでのパーティなので、どうしようもない。

リヴェットの家へ着くと、彼らを待ち受けていたのは彼の妹からの”あるお願い”。彼女の撮る短編映画の仲間がバックレたため、主演俳優が足りなくなってしまった。映画の俳優をして欲しいというのだ。最初は助けるつもりで了承したものの、男性同士のキスシーンがあることを知ったマティアスとマキシムは文句を言い始める。しかし、言いくるめられてキスシーンを演じることに。



 

マティアスとマキシムは、その偶然のキスをきっかけに秘めていた互いへの気持ちに気付き始める。美しい婚約者のいるマティアスは、思いもよらぬ相手へ芽生えた感情と衝動に戸惑いを隠せない。

一方、マキシムはこれまでの友情が壊れてしまうことを恐れ、想いを告げずにオーストラリアへと旅立つ準備をしていた。迫る別れの日を目前に、二人は抑えることのできない本当の想いを確かめようとするのだが・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

今回のドラン作品、イイですぅ~!幼馴染で、ずっと一緒に騒いで育ってきた友人同士のマティアスとマキシム。もちろん、好きなんだけど、それが愛かもしれないと気が付き始めて、どうしよう・・・って慌てる姿が、ちょっとコメディっぽく思えるように描かれるんです。今までのドラン作品だと、こんな風に、ふふって笑える感じじゃなかったと思うけど、今回は、笑えるんです。

 

6人位の男子グループなんだけど、マジで子犬がじゃれ合っているように仲が良くて、いつもつるんでいるんです。そんな中でも、特に、子供の頃から一緒に育ってきた幼馴染のマティアスとマキシムは、家庭環境は全く違い、マティアスの家は父親が弁護士で既に母と離婚しているモノの、マティアスも同じ弁護士となっています。仕事も順調で、美しい婚約者もおり、順風満帆という感じ。一方、マキシムは貧困家庭であり、一緒に住む母親は管理能力が無く、マキシムが後見人として全てを管理し、面倒を見ているんです。

 

 

もう30歳になるマキシムは、このままではいけないと思い、オーストラリアへ行って生活を立て直そうと考えました。母の後見人を叔母に頼み、海外で頑張ってみたいと思ったんです。それで、あと数日というところから映画が始まります。

 

でね、冒頭からしばらくして、待望のキスシーンが待っているのですが、実際はキスシーンは隠れていて見えません。ポスターの画像にも使われているけど、見えていないでしょ。でも、これが良いんですよ。チュッという軽いモノなのか、濃厚なキスなのか、分かんないけど、ここが発端となり、心が揺れ始めるんです。でも、このシーンの前に、仲間が、「あいつら高校の時もキスしてたよな。」って言っているんです。このセリフに続く部分が、実は、この二人は、昔のキスの時点で、恋に落ちていたんじゃないかっていう事が判るんです。うーん、素敵でしょ。

 

 

お互いに恋愛とは思っておらず、キスした後も、まさか、相手は男だぞ!って、自分を否定し続けるのですが、特にマティアスは、お堅い世界に生きているし、自分はノーマルだと思っていたから、その思いを受け入れられないんです。凄く、彼の気持ちが伝わってきて、うんうん、解かるわよって共感していました。

 

そんな悩んでいる時に、アメリカから来たケヴィンという弁護士と仕事で出会い、自分の欲望に素直なケヴィンを見ていて、自分も思いを受け入れて良いんじゃないかと考え始めます。そうそう、好きなのに意地悪したりするのは子供だぞ!自分の心に素直になって、例え結ばれないかもしれないけど、思いは伝えるべきなのよ。

 

 

一方、マキシムも悩んでいました。彼は、マティアスが好きな事を素直に受け止めていて、叶わない愛だから思いと、その気持ちを黙ったままオーストラリアに行って、断ち切ってこようと思っていたのだと思います。それでも思いは大きくなって、その上、マティアス自身も同じ思いを抱いているのかもというシチュエーションがあり、もじもじするんですよぉ~!きゃぁ~!もー、私も腐女子の仲間入りだわっ!もう、この何とも言えない二人を観てしまったら、小さな妖精オバサンとなって二人の前に現れて、”こっそり付合っちゃいなよ。”って言いたくなったわ。よく妖精のオジサンを見た人っているでしょ。だから、私も妖精のオバサンになりたいっ!そして二人の前に現れたいっ!

 

うーん、スミマセン。つい、あまりにも良い映画だったので、興奮してしまった。本当に、ドロドロしたところが無く、若い頃の(30歳だけど。)美しい思い出という感じで、微笑ましい場面が幾つもあり、二人が愛おしくなりました。

 

 

もちろん、ドラン作品なので、映像や色々なシチュエーションに細工がしてあり、そちらも楽しめます。彼らの衣装の色の対比や、映像の使い方、人々の視線の捉え方など、観るべき部分が多数あります。人々の視線の使い方は上手かったです。マキシムには顔に大きな痣があるのですが、人の視線を意識させることにより、コンプレックスを持っている事などを描いています。映像の対比が面白いですよ。横長のスクリーンですが、その中にスマホで撮影したような縦長の窓の映像を入れていくんです。大きな世界から、突然に小さな世界に二人だけが映っていると、もう、二人の世界には誰も入れないというような気持ちにさせて、素敵でした。こういう対比が面白いでし。

 

いやぁ、あまりにも良い映画だったので、感想も長くなっちゃいました。というか、もっと書きたいくらいだけど、ここらで止めておきます。また、映画館に観に行ったら、再度、感想を書いちゃうかもしれません。映画館にも観に行くと思うけど、これ、絶対にDVDを買っちゃうな。この二人は、見ていたくなる二人でした。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。これは面白い!私、大好きな作品です。誰もが観たら、それなりに感じるところがあると思いますし、ちょっと”ふふっ!”って笑っちゃう場面が沢山あります。素敵な映画でした。やっぱりグザヴィエ・ドラン監督って凄い!ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ 9月25日公開です。

 

 

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