「シチリアーノ 裏切りの美学」イタリア映画祭が開催されていたら上映したかもという映画でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「シチリアーノ 裏切りの美学」を観てきました。

 

ストーリーは、

1980年代初頭、マフィア間の抗争が激化の一途をたどるシチリア。パレルモ派の大物ブシェッタは抗争の仲裁に失敗しブラジルへ逃れるが、残された家族や仲間たちはコルレオーネ派の報復により次々と殺害されてしまう。ブラジルで逮捕されイタリアに引き渡されたブシェッタは、マフィア撲滅に執念を燃やす判事ファルコーネから捜査への協力を求められる。麻薬と殺人に明け暮れる犯罪組織コーザ・ノストラに失望していたブシェッタは、組織の罪を告白することを決意。それはコーザ・ノストラの「血の掟」に背く行為だった。

というお話です。

 

 

1980年代初頭、シチリアではマフィアの全面戦争が激化していた。パレルモ派の大物トンマーゾ・ブシェッタは麻薬取引を巡り対立していたコルレオーネ派との抗争の仲裁に失敗しブラジルに逃げる。トンマーゾが居なくなり、トト・リイナ率いるコルレオーネ派はパレルモ派の人間を次々に抹殺。トンマーゾの息子たちは、パレルモ派のボスであるピッポ・カロに預けたのだが、何故か息子たちはそのまま行方不明になり、ピッポとは連絡が取れなくなってしまう。ピッポはコルレオーネ派へ寝返ったのだった。

ブラジルで逮捕されたトンマーゾは、イタリアの司法当局に引き渡され、マフィア撲滅に執念を燃やすファルコーネ判事から捜査への協力を求められる。トンマーゾはファルコーネ判事のマフィアを潰したいという情熱を感じ、今まで血の掟を守ってきたコーザ・ノストラが麻薬ビジネスで金儲けをする為だけの組織に堕落したことへの失望から、彼への協力を約束する。



 

彼が告白した調書は487ページにもおよび、コーザ・ノストラが行ってきた悪事が全てさらけ出されていた。その調書に従い、イタリア全土のマフィアが一斉に逮捕されることになる。もちろんマフィアも黙ってはおらず、裏切ったトンマーゾへの報復として、ブシェッタ一族を組織とは関係無い親族までも殺しまくった。

1986年2月10日、余りにも大量のマフィアが逮捕され、裁判が始まろうとっしていた。そこでは野次や怒号が飛び交い、法定は混乱する。そして4月3日、とうとう証人としてトンマーゾが法廷に現れる。マフィアたちは彼を罵るが、トンマーゾは「コーザ・ノストラの精神は今も忘れていない。彼らこそその精神を忘れた堕落者だ。」と言い返す。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

イタリアのマフィアを撲滅しようとした司法当局が、古いマフィアの考えを受継ぐトンマーゾ・ブシェッタに、あまりにもえげつない事をし始めたマフィア組織を裏切って全てを話して欲しいと持ち掛け、トンマーゾも、麻薬でお金を稼ぐことしか頭に無くなった組織のボスたちを許せないと思い、協力することになります。このトンマーゾに話しをしたファルコーネ判事という人が、とても素晴らしい人格者で、裏切って全てを話してくれたトンマーゾを信頼し、彼を守って行きます。

 

もちろん、マフィアの方は、裏切り者を許さずに、トンマーゾの親族全てを根絶やしにしようと、マフィアに関係ないブシェッタの親族まで殺し始めます。それにより、トンマーゾは親族にも恨まれるようになり苦しみます。でも、元々のマフィアは地域を守り、若い一般人などを麻薬漬けにして金を儲けようなんてことはしていなかったのに、あまりにもマフィアが堕落していたので、我慢出来なかったんです。

 

 

日本のヤクザもそうですよね。昔の組織の人たちは、地域を守りながら、それによりお金を貰っていたのに、金儲けの為に麻薬を流通させたり、利益優先になってしまったから、誰からも信用されなくなり、取り締まる法律も厳しくなったのだと思います。

 

それにしても、このトンマーゾ・ブシェッタが告白したことで、こんなにも沢山のマフィアが捕まるとは、ビックリしました。これ、実話が元になっていて、本当にこんな風な裁判が行われたようです。大きな法廷の周りに、沢山の留置場のような場所があり、そこにマフィアのボスたちが、何人かづつ入れられていて、その真ん中で裁判が行われるんです。あまりにも凄い光景でビックリしました。よくこんなやり方をしたなぁと笑ってしまいました。真実を言いたくても、恐くて言えないよね。

 

 

それにしても、マフィアがあまりにも残酷に人を殺していくので、本当に恐いなと思いました。今は、こんな事は起きないとは思うけど、でも、どうなんだろう。マフィアが撲滅してしまった訳では無いし、どこかでは活動しているだろうから、恐ろしいです。この裁判で有罪となったマフィアの人々は、今も刑務所に入っているようですよ。トンマーゾは、もう亡くなったって言ってたかな。ファルコーネ判事ですが、映画の中で、凄いことになります。彼がマフィア撲滅の先頭に立っていたことを知ったマフィアが、彼を殺そうと計画を立てて、とんでもない事件を起こすんです。驚きますよ。ネタバレしちゃうと面白く無いので、映画で観てくださいね。

 

 

判事に協力してからは、トンマーゾは一カ所に暮らすことが出来ず、色々な場所を転々としていました。マフィアは彼を許さないので、何処に行っても、追ってくるらしく、いつもドキドキしながら暮らしていたようです。お金は政府の補助もあったようですが、告白本などを出したりして、稼いで暮らしていたようでした。

 

でも、いつまで経っても、落ち着いて暮らすことは出来ず、いつ狙われるかと思って生きるのは辛かっただろうと思いました。トンマーゾが裏切った後は、ぽつぽつと裏切る人々が出て来て、彼の証言だけではなく、色々なマフィアの証言が取れたようです。イタリアは頑張りましたね。

 

 

映画としては、ブシェッタを追いながら、裁判の経過を描いていくのですが、いまいち分かりにくいかなと思いました。淡々と進んでいき、誰が何をしたと証言していくんだけど、過去の事を裁判で話して、それが映像で戻って行くので、時々、こんがらがっちゃって、分からなくなりました。もっとスピード感があって、ドキドキハラハラなら良いんだけど、淡々と進むので、どの話が重要なのか分からずに、忘れちゃうのよ。それに、すごく長い映画なので、ちょっと眠くなっちゃいました。

 

まぁ、でも、こんな事がイタリアであって、マフィアを撲滅する為に頑張っていたんだよっていう歴史映画(近代だけど。)なので、この頃は日本はどうだったのかななんて考えながら楽しみました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。ちょっと途中で疲れるかもしれないけど、歴史的な事件のお話なので、観終わったら、ちょっと充実したような気持になるような気がしました。出演している俳優もイタリアの有名な方々なので、イタリア映画祭などを知っている方は、知っている俳優さんが多いと思います。私は楽しめました。でも、長くて重いので、元気な時に行った方が良いと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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