「プラド美術館 驚異のコレクション」を観てきました。
ドキュメンタリー映画なので内容は、
12019年に開館200周年を迎えた、世界最高峰の美術館の1つと評されるスペインのプラド美術館全貌に迫るドキュメンタリー。
15世紀から17世紀にかけて「太陽の沈まぬ国」とも呼ばれたスペイン王国。プラド美術館には、歴代の王族が圧倒的な経済力と「知識ではなく心で選んだ」約8700点の美術品が収蔵されている。宮廷画家ディエゴ・ベラスケス、フランシスコ・デ・ゴヤ、エル・グレコなどの傑作群にカメラが接写し、天才たちの筆遣いを紹介。
ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」、男性中心だった17世紀の美術界に名乗りを上げた女性芸術家クララ・ピーターズの静物画などをミゲル・ファロミール館長やベテラン学芸員が解説するほか、収蔵品の保存や修復、研究をするスタッフの作業風景や、新たなプロジェクトに参加する建築家ノーマン・フォスター卿の声などから、プラド美術館の新たな魅力にも迫っていく。
というお話です。
ここ最近、美術館映画が続いていますが、最初は「アムステルダム美術館」だったかしら。次に「ナショナルギャラリー」、「ヴァチカン美術館」「エルミタージュ美術館」「ウフィツィ美術館」などが続き、今回、「プラド美術館」の映画が公開されました。昔、「ルーブル美術館」の映画もあったかしら。
でも、美術館映画は全てが素晴らしい訳ではないと思います。今回の「プラド美術館」ですが、一つの絵を細かく詳細に撮影している場面が少ないんです。何となく全体を移す場面とか、解説、説明しながら幾つもの作品を映していくなどがあり、イマイチ、美術館映画としては、どうなのかしらと思いました。
美術館映画は、やっぱり、その美術館が目玉としている作品を丹念に解説しながら映してくれて、そこから、画家繋がり、時代繋がりなど、繋げて行って、その美術館が何を主体に絵画を集めているのかを示して欲しいんです。美術館によって、テーマがあるだろうし、ルネッサンス時代が好きなのか、現代絵画が好きなのか、時代が違っても、流れを汲んでいる作品を展示しているのか、そういうコンセプトが大切で、ただ、絵をダラダラ垂れ流されても、感動しないし、全然面白くないんです。
もう20年以上前にプラド美術館に行ったのですが、今回の映画で、確かに美術館の絵は撮影されていたけど、美術館の空気感や雰囲気は、全く描かれていませんでした。ヴァチカン美術館の映画の時は、あのヴァチカンの持つ空気感のようなものが描かれていたし、音楽もそれに合っていたんです。でも、今回は、それを感じられなかったんです。
プラド美術館は、ベラスケスやルーベンス、ゴヤなどが有名です。スペインはキリスト教のカトリックが主流なので、豪華絢爛な偶像崇拝が良しとされていて、それが絵画にも反映されています。キリスト教では裸の絵画など許されなかったので、「裸のマハ」はスキャンダル絵画で長年隠されてきましたが、今は裸でも問題無いですよね。
私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いかなぁくらいでした。美術館映画を観るなら、ヴァチカン美術館やナショナルギャラリーの映画の方が、私はお薦めかな。作り方が丁寧な気がします。特にヴァチカン美術館は、私が現地で見た時と近い雰囲気と感動を与えてくれました。でも、プラド美術館入門編として観るのは良いと思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。