「ぶあいそうな手紙」たった1通の手紙によって、人はまた立ち上がることが出来るようになるんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「ぶあいそうな手紙」をオンライン試写会で観ました。cocoさんのサイト(https://coco.to/)で当選しました。

 

ストーリーは、

ブラジル南部のポルトアレグレに暮らす78歳のエルネスト。隣国ウルグアイからブラジルにやって来て46年になる。老境を迎え、視力をほとんど失ってしまったため読書も出来なくなった彼のもとに一通の手紙が届く。手紙の差出人はウルグアイ時代の友人の妻だった。手紙が読めないエルネストは、偶然知り合ったブラジル娘のビアに手紙を読んでくれるように頼む。手紙の代読と手紙の代筆のため、ビアがエルネストの部屋に出入りするようになるが・・・。

というお話です。

 

 

ブラジル南部、ポルトアレグレの街に住む78歳の独居老人のエルネスト。隣国ウルグアイからやってきて46年になる。サンパウロに暮らしている息子のラミロは一人暮らしの父を心配し、部屋を売却し、サンパウロで同居しようと言うが、エルネストは受け入れようとしない。

ある日、一通の手紙が届く。隣人のハビエルが新聞と一緒にエルネストに渡すのだった。実はエルネストは目がよく見えなくなってきており、自分で手紙を読もうとしても、どうにも読むことが出来なくなっていた。

エルネストはアパルトマンの入口で犬を連れた若い娘・ビアと出会い、彼女の受け答えを気に入ったエルネストは彼女を家に入れ、お茶をふるまう。ビアは、彼と話していてエルネストの目が見えなくなっている事を知る。ビアが帰り、ふと気が付くと写真立ての傍に置いたはずの部屋の鍵が無くなっている事に気が付く。



 

手紙をハビエルに読んでもらうと、友人のオラシオが死んだ報せで、彼の妻ルシアからの手紙だったのだ。オラシオとルシアとエルネストは学校が一緒で仲が良かったらしい。結局、手紙を最後まで読んでもらわずに一人になったエルネスト。しかし最後まで手紙を読みたいと思っていると、ビアがやってくる。

しかし彼女が来ると鍵が無くなったり、お金が無くなったりしていたので、彼女を疑っていたエルネストは、ちょっと罠をしかけ、彼女を世話係に雇うことにする。そして、手紙の続きを読んでもらい、その返信を書いて欲しいと頼む。



 

ルシアへの返事を口述し始めると「拝啓」から始まり、ビアはそんな書き出しじゃダメだと訴える。手紙の返事なら「親愛なるルシア」でしょと言うのだ。そういうもんかと彼女に従い、手紙の続きを口述してもらう。美しい文章で手紙を書き終え、ルシアに送ったエルネスト。その日からビアとのおかしな生活が始まる。

ビアもエルネストを信頼し始め、彼の部屋からお金を取った事を告白し、困った状況にあることを話し始める。するとエルネストはビアを息子の部屋に泊まらせることにし、共同生活を始めるのだったが・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、一人住まいの老人がある若い女性に心を開き、それによって、若い女性も色々と考え直し、再生していくというお話です。エルネストは、息子に一緒に住もうと言われているのですが、迷惑をかけたくないと言って断ります。どうもエルネストは息子ラミロと折り合いが悪いようで、仲が悪い訳ではないですが、どーも上手くいかないようなんです。でも、エルネストは凄く息子を愛しているんですよ。不器用な性格で、それを上手く伝えられないんです。ラミロも素直なタイプではないようで、まぁ、親子なので似ているからなのかしら。父と息子って、結構、こういう感じが多いですよね。

 

そんな時に、ビアという若い女性と出会って、家に入れるようになります。周りは、こんな若い娘が老人にかまうなんて絶対に裏があると思っていて、エルネストを心配するんです。ましてビアの見た目は最悪なので当たり前です。ハウスキーパーも、年金課の女性も、みんな心配して、気を付けてって言うんだけど、当のエルネストは全く気にせずなんです。そんな姿を見て、ビアも信頼し始めたのかなと思いました。

 

 

エルネストもビアの事はヤバいと解っていたみたいだけど、きっとそんなに大金がある訳でもなく、一人で生きている自分が何かされても、まぁ、いいかなって思ったのかもしれません。どちらにしろ、もう長くないと思っていたので、そんな考えになったのかなと思います。でもね、彼女との出会いで、エルネストの考え方も変わっていくんです。

 

ビアは、上の階の女性の姪らしいのですが、勝手に家の中を好き勝手にしたことで追い出されてしまいます。そんな彼女に手を差し伸べ、家に招いたエルネストは、彼女によって、見栄を張ったり、人と距離を置いたり、という頑固な考え方を曲げざるを得ない状況に持って行かれ、柔軟な頭になっていくんです。それが良く描かれていて、頑固おやじがこんな風に柔らかくなったら、色々な社会問題も解決するんだろうなぁなんて思いました。

 

 

あまり詳しくは書けないんだけど、1通の手紙が人一人の人生を変えていく事もあるんだよなって思いました。紙の手紙は書かなくなったかもしれないけど、メールでも何でも、やっぱり何か連絡を取る事って大切ですよね。それに文章だと気持ちが伝わりにくいから、言葉に気を付けますよね。この映画でもあるけど、”拝啓”って書き出しの手紙より、”こんにちは、お元気ですか?”っていう言葉の方が柔らかいでしょ。日本語は、漢字、ひらがな、カタカナとあるから、その使い方でも表現が違ってくるんです。魅力的な文章は本当に忘れないので、そんな手紙が書けるようになりたいなって思いました。

 

エルネストは、頑固で全く動かなそうな老人だけど、彼女のおかげで凄い決断をすることになります。とっても元気をくれる内容で、どんなに年を取っても、何かを始める事は出来るんだよって教えてくれていました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。最初の方は、展開が遅いような気がしたけど、段々と色々な事が起こり始め、楽しくなっていきます。単館系の映画ですが、誰もが共感出来るような内容だと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

ぶあいそうな手紙|映画情報のぴあ映画生活