「一度も撃ってません」カッコつけてるけどイマドキは殺し屋なんて流行らないのかな?大笑いしました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「一度も撃ってません」を観てきました。

 

ストーリーは、

まったく原稿が採用されない時代遅れの作家である市川には伝説の殺し屋・サイレントキラーというもう1つの顔があった。しかし、彼は一度も人を撃ったことがなく、旧友である石田から依頼を受け、標的の行動をリサーチするだけだった。しかし、石田が中国系のヒットマンから命を狙われたことから、市川にも身の危険が迫る。

というお話です。

 

 

市川進、御年74歳。タバコ、トレンチコートにブラックハット。大都会のバー「Y」で旧友のヤメ検エリート・石田や元ミュージカル界の歌姫・ひかると共に夜な夜な酒を交わし、情報交換をする。そう、彼は巷で噂の“伝説のヒットマン”だ。今日も“殺し”の依頼がやってきた。がしかし本当の姿は…ただの売れない小説家。

 

市川を担当する編集者の児玉は、入社以来ずっと市川の担当をして部長となり、もうすぐ定年となる。次の担当を決めると言って、部下の五木を紹介するも、五木は最近の若者。相手の事を思いやったり、遠慮したりが全くない。初対面の市川に、相手を殺すまでの描写は細かいがストーリーが全くない、とこき下ろすが、市川は全く動じない。自分の小説に自身があるのだ。

 


 

市川は妻・弥生の年金暮らし。洗濯もすればゴミ出しもする。そんな彼はリアリティにこだわり過ぎ、実際の殺し屋の詳細な状況データを貰い、小説に反映しているのだった。昔からの友人であるヤメ検の石川と組み、彼が裏の社会から請け負ってくる殺人の依頼を請けて、自分が殺し屋という事にしながら、裏では本物のヒットマン・今西に頼み、その暗殺の状況を取材しているのだった。

 

そんな市川に、ついにツケが回ってきた。裏社会の組織が、謎のヒットマンに目を付けて、狙い始めたのだった。石川からの繋がりで、市川の名前も調べられてしまったらしい。これはマズイとヒットマンの今西に助けを求めに行くが、彼は新しい彼女が出来てそれどころではない。

 

 

一方、市川の妻・弥生が市川の行動がおかしいと感じ始め、浮気でもしているのかもと思い、彼の関係場所を訪ね歩いていた。そしていつもの店にも立ち寄ると、そこに市川の飲み仲間・ひかるがいた。そして何故か2人で意気投合していると、そこへ市川を訪ねる男が現れる。

 

とうとう誰にも頼れなくなってしまった市川は、覚悟を決めていつもの店に向かうのだったが・・・。後は、映画を観てくださいね。


 

市川を演じるのは石橋蓮司さん。もう、大笑いして最高でした。内容としては、たいしたものでは無いのですが、やっぱり演技が上手い方々ばかりで作ると、こんなにも笑えちゃうんですかね。真面目に演技をしてそうなんだけど、それが笑えちゃうんです。久しぶりに大笑い(口には出さないけどね。)してしまいました。

 

市川という作家は、作家といいながら全く売れていないんです。何本書いても、却下されてしまい、本としては売り出されません。デビューは純文学だったらしいのですが、ある時から突然にハードボイルド小説を書き始めて持ってくるようになり、児玉が言うには、北方さんの二番煎じになっているらしいんです。五木が言うには、描写は細かいけど物語が無いらしく、どっちにしろ、出版されないんだろうなぁというような小説らしいんです。

 

 

それでも市川は小説家としてのプライドを捨てておらず、今でも小説家として生活をしていて、ハードボイルド小説家としてのペンネーム・御前零児という名前が示す通り、午前0時に人が変わったように夜の街をうろついているんです。こんなんじゃ、妻も疑いますよね。夜帰ってこないなら、浮気かしらとか疑うでしょ。それに小説は出版されていないのに、お金がどうなっているのかと聞くと、出版は無いけど原稿は買ってくれたからと誤魔化すんです。実は、お金は殺し屋の報酬を半分貰っているという事なんです。

 

殺し屋というと、市川のように暗くて静かでというイメージですが、実際のスナイパーは普通の兄ちゃんで、妻夫木さん演じる今西は、普通の職人なのですが、裏の顔がスナイパーなんです。普通の人だから、恋もするし、人を殺せばドキドキもする。そんな部分は、結構、リアルなのかもなぁと思いました。

 

 

それにしても石橋さん、久しぶりの主演映画なんだそうです。本当に沢山の作品に出演されているので、いつも観ている感じなのですが、主演は久しぶりなんですね。大楠さんとの夫婦役、おもしろかったです。テンポがピッタリで、観ていて気持ちが良いんですよねぇ。そこに、岸部さんと桃井さんが絡んできて、本当に最高でした。そうそう、桃井さんのキャラ、最高なんです。ひかるは、昔、歌姫だったけど、今は立ち食いソバ屋のおばちゃんなのね。でも、立ち食いソバ屋のおばちゃんである”ひかる”も素敵なのよ。このオーラのあるおばちゃん役って、やっぱり桃井さんはピッタリ。好きです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。ちょっと、若い人向けじゃないように見えるかもしれないけど、あっという間に逮捕されたり、殺されたりする役なのに、一流の俳優さんが出演しているので、それを観るだけでも儲けものだと思います。でも、中年が観るのが一番楽しめるかな。中年って、色々な事にこだわりが出てきて、曲げられない年代でしょ。市川の、人にダメと言われてもこれは変えられない気持ちって、オバさんの私にも共感できました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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