「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045」を観ました。Netflixで昨日から配信です。攻殻機動隊の新作はシリーズ12作品でした。
ストーリーは、
2045年。全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、世界は計画的且つ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー”へと突入した。だが人々が、AIによる人類滅亡への危機を日常レベルで実感できるまでには衰退の進んでいない近未来。
公安９課が廃止となりバラバラとなった少佐たちは、内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、傭兵部隊として腕を奮っていた。全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバーは、電脳犯罪やテロに対する攻性の組織に所属し、卓越した電脳・戦闘スキルを誇っていた彼女らにとって、この時代はまさにこの世の春である。
そんな草薙率いる部隊が、ある事件でハメられてしまう。危機に陥った草薙たちの前に荒巻が現れる。新しく公安９課として立ち上げたいというのだった。アメリカ大統領の親書を出し、危機から草薙たちを助けけ出した荒巻は、日本の総理と共に、公安９課の再編を始める。
彼らが追うのは、“ポスト・ヒューマン”と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在。このポストヒューマンは突如として現れた。彼らは如何にして生まれ、その目的とは。大国間の謀略渦巻くなか、再編された草薙たちの公安９課が動き出す。
というお話です。
はい、攻殻機動隊が帰ってきました。待ってましたという感じですね。今回も、シリーズを引き継いで、やっぱりＡＩを敵に戦うのだと思います。まだ、解明されていないので、何とも言えませんが･･･。今回、新しく公安９課を創設するに辺り、このポスト・ヒューマンが必要となってくるんです。
このポスト・ヒューマンですが、今までの、”笑い男”や”傀儡廻し”と同じように、きっとＡＩが進化して、それぞれに独自でゴーストを持つようになったモノなのだと思いました。まだ、ポスト・ヒューマンが何なのかは謎なので、何とも言えませんが。でも、攻殻機動隊の”Soild state society"で、素子が持っていたいくつかの意識の一部が、独自で意志を持ったかのように行動していたことを考えると、このＡＩの動きも理解が出来てくるというものです。
でね、このシリーズの前半は、アメリカの組織にハメられて無駄な戦いをしている姿を描いているのですが、この部分、アクションが派手なので、結構、見応えがあります。少佐たちがいつものように活躍して、勝てそうなのに敵にハメられて、抜けられなくなっていく姿を描いていて、ちょっと、今までの公安９課の順風満帆を知っている人間には、あら？っていう感じでした。でも、これが上手い所なんです。今回、ここ何作か脚本を担当されていた冲方丁さんが抜けられて、昔のコンビ、神山さんと荒巻さんの２人で監督をされ、他に何人かの脚本家を混ぜて練られているようで、良く練られていた分、シリーズ12作を終えても、ストーリーは、まだ半場です。これから、どれだけ続くの？って言いたくなるような内容で、楽しみになりました。
観て頂ければ解るのですが、確かに12作ではこの長そうなストーリーを描くには短いと思いました。結構、盛り上げてあったので、途中で、これは12作では終わらないなと予想して観ていたので、ヤッパリネーって感じでしたね。でも、面白いですよ。
一言言うと、絵的にはＣＧで作られた少佐なので、ちょっとロボット臭いです。ゴーストを積んでいるんだから人間なのよと言われても、どーも信用出来なさそうに見えました。今までの少佐としては、ブサイクというか、マンガチックに見えてしまい、幼い雰囲気で残念でした。以前の少佐のイメージを重んじるなら、もう少し、年齢を高くして頂けたら良かったと思うのですが、このお話、人物が擬態なので、どんな容姿に変わっていても文句が言えないというのが、ちょっとムカついて、悔しく思うポイントではあります。
このポスト・ヒューマンが日本に３人いるという設定で、後半は、その３人を観るける為に奔走することになります。その中の一人が、若い学生の男子で、このシリーズの最終的な核を担う子なのですが、この子の過去が問題となり、その過去の中に、"ジョージ・オーウェル"の小説「一九四八年」というモノが出てきます。実は、この映像を観ている時は気が付かなかったのですが、ふと横を見たら、本棚の真ん中にこの本「一九八四年」がありました。以前に気になって、買っていたんです。この本、凄く深い内容の本なのですが、重要なのが、「戦争は平和なり 自由は隷従なり 無知は力なり」という言葉なんです。解りますか？国の言いなりになり、何も知らないで戦う方が幸せなんだよって事です。恐ろしいでしょ。
政府によって”事実”が隠され、その手先になったマスゴミによって都合の良い事ばかりが垂れ流されて、国民も何となく嘘じゃないのかと思いながらそれを黙認していると、世界がどうなって行ってしまうのか。何も知らない振りをしていると、住む場所が無くなっていくという事が、この本に書かれていることなんです。このジョージ・オーウェルは、1949年に未来を描いたこの小説を書きました。。この攻殻機動隊を観た後に、小説「一九八四年」を読むと、本当に身震いするほど、恐ろしくなります。
私は、このドラマシリーズ、超！超！お薦めしたいと思います。よく出来ているストーリーだし、少佐たちは兵隊たちに危害を加える事をせずに、何とか自分たちの希望を通したわけだから、苦労したかいがあるというモノです。やっぱり「攻殻機動隊」は面白いですね。タチコマは相変わらずの可愛さでした。ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんできてください
Ｐ．Ｓ ： 次のシリーズも凄く楽しみです。もー、トクサったら、何処にいっちゃったのぉ～！あ、ネタバレしちゃった・・・！
「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL:SAC_2045」
https://www.ghostintheshell-sac2045.jp/
