「愛なき森で叫べ」園子温監督の新作はもっとグログロになってましたぁ。実話から着想の作品です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「愛なき森で叫べ」を観ました。園子温監督の新作です。昨年、監督が心筋梗塞を発病されたのですが、その前に作られていたのかな?退院されて最初に挨拶に出席されたのが、「Netflixオリジナル作品祭」でした。そのネトフリでのオリジナル映画です。

 

ストーリーは、

1995年、東京。愛知県から上京してきた家出少年シンは、知り合った友人と自主映画の撮影をすることになり、知人の妙子と美津子に出演を依頼する。彼女たちは高校時代、クラスメイトが交通事故死した事件からいまだに逃れられずにいた。世間が銃による連続殺人事件に震撼する中、美津子のもとに、村田という男から電話がかかってくる。「10年前に借りた50円を返したい」という村田に不審感を抱く美津子だったが、彼の話術にひかれてしまう。村田の正体は、冷酷な詐欺師だった。妙子の姉も村田にだまされた過去があり、彼の本性を知ったシンたちは、村田を主人公にした映画を撮り始めるが・・・。

というお話です。

 

 
1995年、東京。愛知県から上京してきた家出少年シンは、若者たちによる自主映画の撮影に参加することになり、知人の妙子と美津子に出演を依頼する。彼女たちは高校時代、憧れのクラスメイトが交通事故死した事件からいまだに逃れられずにいた。
 
世間が銃による連続殺人事件に震撼する中、引きこもりとなっていた美津子のもとに、村田という男から電話がかかってくる。「10年前に借りた50円を返したい」という村田に不審感を抱く美津子だったが、紳士的な彼に次第にひかれていく。
 
 
村田の正体は、冷酷な詐欺師だった。以前、妙子の姉も村田にだまされていたことから彼の本性を知ったシンたちは、村田を主人公にした映画を撮り始めるが、妙子も村田に惹かれており、村田と会った時に映画を撮っていることを話してしまう。
 
村田は、この映画製作を利用して金集めをしようと企み、シンたちを仲間にして銀行などに融資を頼みに行くが、村田の会社は経営に行き詰っており融資をしてくれる訳が無い。銀行系は無理だと解り、今度は美津子の自宅へ押しかける。美津子の父親は大学教授であり、裕福な家庭だったのだ。自宅に押し掛けた彼らは、美津子の両親を脅し・・・。後は、映画を観てくださいね。
 

 

昨年、園子温監督が病気で倒れられ、その時に、衝撃作がもうすぐ公開だとニュースで流れていたので、それは観なくちゃと思っていながら、忘れていました。凄い衝撃作でした。うーん、ネトフリだからと思ってなのか、グログロ部分が多分に増えていたような気がします。今までも、凄い映像はあったけど、それ以上に、死体の数が多かったし、ビックリしてしまいました。

 

この作品は「北九州監禁殺人事件」という2002年に起きた事件をベースにしています。口の上手い男が良い事ばかり言うのを胡散臭いと思いながらも惹き込まれてしまい、何人も集まることによって、段々と集団意識が芽生えて行き、まるで昔の赤軍のように同調出来ない人間を迷惑と考えてリンチを繰り返すというような事をして行くんです。

 

 

この事件が、実際にこのような状態だったのかは分かりませんが、逃げ出したくても逃げられなくなってしまったのは、映画の通りなのではないかと思いました。一番統率力のある人間が黒と言えば、白い物でも黒くなってしまう。それを正直に白と言った人間は、廃除されてしまうんです。これ、今の日常の中でも起こっていますよね。声の大きい人が、いつも正しいような風潮になってしまう。でも違うんですよ。今はSNSがあるから、誰もが自分の意見を言って、同調する人も出てくる。ダメなものはダメと言えるようになったんです。

 

 

村田という男は、誰が観ても胡散臭くて、嘘つきだと分ると思うのに、何故か段々と信用してしまうんですよねぇ。その話し方が上手いのかな。話し方の抑揚が上手くて、ドキドキさせて安心させるというような、そんな心の変化を使って、人を惹き付けていたように見えました。そして、若い女性を手玉にとって、やりたい放題するのですが、それに同調してしまう男にも驚きました。シンという田舎から出てきた男性なのですが、村田の考え方に同調し、彼の言う事を確実に実行に移して行くんです。このシンという男の行動力が無ければ、村田なんて只の嘘つきだったのでしょうが、最悪の組合せが出来てしまったんですね。

 

まぁ、邪魔になった奴は次々と殺して行くのですが、これ、殺している時に、次は自分の番かもって、普通なら判ると思うんだけど、何故か、一緒になって殺しているんですよねぇ。リンチされても、すぐにキスをされて”好きなんだ。”って言われると、村田に付いて行っちゃうんです。信じられないんだけど、その心理は、その状況になってみないと解らないのでしょうね。

 

 

村田役を椎名桔平さんが演じているのですが、私、椎名さんは「謎解きはディナーのあとで」の風祭警部が頭に付いちゃってて、どーもお調子者をやっていると、只のアホな役にしか見えないのよねぇ。今回は、マジ本の凶悪犯なのに、ダメだったわぁ。笑ってしまいました。その村田に付いて行くシン役を満島さんが演じていて、彼は役によって、本当に表情が違いますね。好青年も出来るのに、今回は極悪人の影が裏

に貼り付いているという役で、面白かったです。

 

今回、本当にスプラッターなので、内臓系とかがダメな方は止めた方がよいです。本当に酷いです。園監督、ちょっとヤリすぎちゃったんじゃないかな。そろそろ、この系統から、少し離れて作品を作って欲しいな。毎度、またスプラッターかなとドキドキしてしまいます。それとも、もう、バリバリなスプラッターホラー映画を作って欲しいです。もう、ゲロゲロで、あまりにも酷くて笑ってしまうほどだと、また面白いかも。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。やっぱり実際の事件からヒントを得ての映画なので、人間の深層心理を抉っていて、抗えない人間の欲望のようなものを感じました。グログロだけど、やっぱり園監督の作品は面白いです。でもこれ、万人には薦められないなぁ。(笑)ネトフリで配信しています。DVDも出ているのかな。ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

P.S : 妙子役の女優さんがキレイでした。日南響子さんという方です。漫画の実写化とかに合いそうな女優さんだったなぁ。また彼女を観たいです。

 

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