「キュア 禁断の隔離病棟」を観ました。話題になった時に観忘れて、観ようと思いながら忘れていたんです。ネトフリにあったので、観てみました。
ストーリーは、
ニューヨークの金融会社で働くロックハートは、アルプスの療養所に出かけたまま戻らない社長を連れ戻すよう会社から命じられる。現地に到着した彼はすぐに社長との面会を求めるが、面会時間が過ぎているらしく会わせてもらえない。仕方なくホテルに戻ることにしたロックハートは、その途中で事故に遭って大怪我を負い、療養所に運び込まれる。治療を受ける中でこの施設に不審感を抱いた彼は、やがて驚きの事実にたどり着く。
というお話です。
ニューヨークの大手金融会社で働く野心家のロックハートは、業績を上げ上り詰めるのですが、会社は経営困難になり、ある会社と合併しなければという状況に陥ります。直ぐに社長の了承が必要となるのですが、社長は療養所に行ったまま帰ってきていません。経営陣はロックハートに社長を迎えに行くように命令します。ロックハートは自分より先輩の方が適任だと言うと、その先輩は先日心臓発作により死亡しており、経営陣はロックハートが会社で行っていた不正を上げて、この不正を当局に告発されたくなければ言われた通りにするようにと言われてしまいます。仕方なく、社長が入っている療養所に向かうロックハート。
スイスの療養所に向かうタクシーの中で、療養所の噂を聞きます。その療養所の土地には200年ほど前にバロンという貴族の屋敷が建っており、そのバロンは高貴な血を絶やさないようにと妹と結婚して子供を産ませようとしたらしい。しかし近親相姦を良しと思わない村人に襲われ、建物ごと焼き払われたというのです。そんな話を聞きながら、療養所に到着するロックハート。
療養所で面会時間外だったのですが所長のヴォルマーに理由を話し、ペンブルック社長に合わせて欲しいと訴えますが合わせて貰えず、療養所内をうろうろしていると、プールのようなところで社長に出会います。一緒に帰るように話すのですが了承して貰えず、仕方なく、一人で帰ろうとすると、帰りのタクシーの前に鹿が飛び出してきて、大事故になり、ロックハートは意識を失います。
ロックハートが意識を取り戻すと、片足にギブスがはめられており、ベッドに寝ていました。3日間目を覚まさなかったと言われ、足は折れているようです。療養所で治療をした方が良いと言われ、了承するロックハート。ここにいる間に社長を説得して連れ帰ろうと思うのですが、調べ始めると療養所では怪しい治療を施しているようでした。そして社長を探して奥まで入り込むと、水に浸かった老人たちや、ミイラのような老人を見つけ、ロックハートの恐怖は頂点に達して行きます。
そんな療養所の中で美しい少女ハンナと出会います。彼女も病気のようで、ここで治療をしているらしい。ロックハートは事故に遭い、社長を連れ帰るのが遅れている事を電話する為に、ハンナと連れて療養所の麓の町に下ります。そこで電話をすると、事故の報告はされておらず、早く社長を連れ帰るように言われます。しかし、ハンナを連れて町へ出たことをヴォルマーに知られ、強制的に療養所へ連れ帰られます。
町で聞いた話や状況から推察すると、ヴォルマーはバロンであり、ハンナは、そのバロンと妹の子供らしいことが分かってきます。そして治療と称するものが、彼らを生かす為に使われているらしい事も分かってくるのですが、知り過ぎたロックハートは監禁され、社長は既に殺されて、自分も同じ道を辿るかのように”ある治療”を施されて、自我を喪失してしまいます。しかし母親の形見の人形を見て・・・。後は、映画を観てくださいね。
映画が長かったので、解説も長くなってしまいました。うーん、2016年製作のドイツとアメリカの合作です。私の好きなデイン・デハーンが主演だったので、映画館で観たかったのですが、これDVDスルーだったのかな。
観始めると、ロックハートが金融界でバリバリしているし、彼の父親も金融界にいたらしいけど何かがあって自殺したという振りがあるし、母親の死も出てくるので、何か、彼の過去に関係があるのか、壮大な秘密があるのかと想像したのに、何もありませんでした。只のフリでした。
要は、ただ、社長を迎えに行った社員が療養所の謎を暴いて、必死で働くのなんてバカらしいと改心するというお話です。それを147分間、やってくれるので、結構、しんどかったです。でもね、面白くない訳じゃないのよ。結構、ドロドロしていて、ギョッとする場面も多いんです。
このヴォルマー=バロンが200年も長生きしている理由が、この”治療”なんだけど、治療に使われるのが”ウナギ”なのよぉ~!別に精力が付くからって訳じゃなくて、ウナギの血に毒があるのですが、ウナギをその地域の水と一緒に身体の中に取り入れて、人間の体液を絞り出すという、何ともキモち悪い事をしてました。ウナギは生きたまま体内に入れるんです。もー、訳が分からんっ!
ロックハートは治療を受ける前から、ウナギちゃんに襲われる妄想に取りつかれており、予知してたのかなぁって感じでしたね。ぬたぬたウナギちゃんたちは、マジでキモかった。ウナギを食べるのは好きだけど、一緒にお風呂に入るのはイヤだっ!それもごっそりウナギの風呂イヤだっ!
ストーリー的には、微妙です。とても不思議な内容だけど、盛り上げておいて、ふーん、そんなもんなんだって感じで、もう少し話をスマートにしてしまえば、もっと面白かったのではないかなと思いました。金融界も関係なく、父の自殺も、母の死も、事件には何の関係も無く、老人患者が話しかけてきた色々な言葉も関係ありませんでした。凄く思わせぶりで進んで行くのに、それが何も関係無いというところが、とっても残念。それに、こんなにロックハートが、療養所内を探検しているのに、全く気が付かれず、捕まらなかったところが、セキュリティーってあんの?って感じで、笑っちゃいました。
まぁ、でも、デイン・デハーンはカッコいいし、ミア・ゴスもちょっと不思議な怖さもあって楽しめました。日本で公開されなかったのは、上映時間が長いのと、ちょっと話がバラバラしているところかしら。でも、面白かったけどなぁ。最後、自転車で逃げるところは、ちょっと笑っちゃったけどね。最後にやってくれるなぁって思っちゃった。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。話は、バラバラしていて、要点が絞れていない感がありますが、主演は良いし、まぁ、家で観る分には楽しめたので、観る価値はあると思いますよ。私はネトフリで観ました。ああー、デイン・デハーン、もっと色々な映画に出てくれないかなぁ。カッコ良かったなぁ。ぜひ、この映画、観てみてください。
ぜひ、楽しんでくださいね。
「キュア 禁断の隔離病棟」 https://eiga.com/movie/86566/