「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」を観てきました。
ドキュメンタリー映画なので内容は、
1968年に大学の不正運営などに異を唱えた学生が団結し、全国的な盛り上がりを見せた学生運動。中でももっとも武闘派とうたわれた東大全共闘をはじめとする1000人を超える学生が集まる討論会が、69年に行われた。文学者・三島由紀夫は警視庁の警護の申し出を断り、単身で討論会に臨み、2時間半にわたり学生たちと議論を戦わせた。伝説とも言われる「三島由紀夫 VS 東大全共闘」のフィルム原盤をリストアした映像を中心に当時の関係者や現代の識者たちの証言とともに構成し、討論会の全貌、そして三島の人物像を検証していく。
というお話です。
1969年5月13日、東大駒場キャンパス900番教室に、文豪・三島由紀夫が現れる。そこには1000人を超える学生たちが待ち受ける。東大全共闘が思想も立場も正反対の三島を討論会に招いたのだった。午後2時5分、伝説の幕が開ける。
第一章 七人の敵あり 三島の決意表明
第二章 対決
第三章 三島と天皇
最終章 熱情
以上の4章の順に話しが進んで行き。それぞれの思いをぶつけ合った。
ドキュメンタリーなので、直ぐに感想に行きますね。私、この時代に学生運動があったという事は知っていても、どんなものかは体験していないので、全く知りませんでした。映画の中で、色々な映像が出てきて、日本がまるで、今の中国や韓国みたいに、火炎瓶を投げたり、旗を燃やしたりという事をしていて、ちょっと驚きました。日本でも、こんな事をやっていたんですね。ちょっとビックリでした。そして、東大全共闘という人たちと、三島が対決しているのですが、私、基本が解っていないので、イマイチ、全共闘の人が何を主張したいのかが解りませんでした。なので、パンフレットを購入して、今、解読中です。
全共闘の人たちは、共産主義なんですよね。三島が右翼的で、全共闘が左翼的という事なのですが、左翼は資本主義反対で日米同盟反対ってことなので、軍事力を破棄して平和主義へというんだけど、それなのに、暴力で制圧しようとするのよね。不思議でした。だって、軍事力とか、力で押さえつけるのは良くないって言いながら、自分たちがやっているんですもん。映像を見ると、本当に酷く暴力的で、平和主義とはかけ離れているように思ったんだけど、考えてみれば、共産主義の中国やロシアも、直ぐに人を処刑したり、暴力で押さえつけたりしていますよね。共産主義=平和主義ではないのかなと思いました。
で、凄い討論が続いて行くのですが、この討論の凄さを言葉で説明は出来ません。だって、あまりにもレベルが高すぎて、私、説明出来ないもん。やっぱり、孤高の小説家と東大生が語り出すと、とんでもないレベルに上がっていくんだなという事を知りました。ホント、これ、観ていて凄く疲れましたもん。必死で理解しようとするから、頭が凄い勢いで回転するんです。
凄く面白いと思ったのは、東大全共闘の人たちは、三島の鼻を明かしてやろうとしているんだけど、三島は凄く頭が良いから、その罠に引っかからないんです。本当に頭が良いんだろうなぁと思ったのは、生徒たちの言い分を聞いて、良く理解して、自分が間違っているようなら、俺が間違っているって認めるんです。自分の間違いを人の前で認めることが出来る人って、本当に頭が良くて、全てにおいて、理解しているという事でしょ。話を先の先まで読んでいて、決してズレないように、誤魔化さないように持って行くんです。でも、全共闘の人は、やっぱりまだまだ学生だし、子供だから、自分たちの言い分が間違っていても、決して認めないし、そもそも間違っていることに気が付いていないんです。それが、凄いなぁと思いました。
この討論会に出ていた学生の人が、今も生きていて、インタビューで出てくるのですが、今でも自分たちは負けてない、正しいと言っていて、やっぱりレベルが違うんだなぁと思ってしまいました。きっと、この討論会に出ていても、自分たちの色々な間違いに気が付いた人は、それぞれに偉い人になっているんでしょうね。この討論会が良い思い出だったとして、それを糧にして、自分を伸ばして行った人も多いのだと思います。
三島の楯の会だった方々も出てくるのですが、昔の写真が出てくると、制服を着ていて、カッコいいんですね。自衛隊に体験入隊して訓練をしていたというお話も出てきて、もしもの時の為に備えてくれていた人たちがいたことを知りました。
私、三島由紀夫の文学が大好きで、彼のキャラクターも好きなのですが、こんな風な事を話していて、楯の会がこういう人たちでという事を、この映画で知りました。ちょっと、まだ良く理解が追いついていなくて、もう少し、勉強したいなと思っています。彼らがやりたかったことが、イマイチ、解ってないんですよ。この時代、みんな、何の為に、こんなに学生運動をしたり、三島は楯の会なんて作ったのか、時代を知らないし、まだ理解が出来ていないので、解ってないのが悔しかったです。両親に聞いてみたのですが、その運動を迷惑だと思っていた方だったようで、解らないようでした。
なので、この映画、何度か観てみないと、私は良く理解が出来ないようです。まだ1回目なので、満足な解説や感想が書けません。でも、ドキュメンタリーの内容は、凄く面白いと思いました。まず、私にとって、あの三島が映像の中で動いているというのが、凄く嬉しかったです。目が凄い綺麗なんですよね。この時代にカラコンなんて無いから、本当に美しい目だったんだと思います。魅力的でした。
私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。まだ全部を理解は出来ていませんが、凄く魅力的で面白い映画だと思います。この時代って、こんなに人間が活き活きしていて、精神世界とかを真剣に考えていたという事が解り、面白かったです。これ、2時間の映画じゃなくて、全編をDVDとかで出してくれないかしら。もちろん、この映画にしてくれていた方が観やすかったのだと思いますが、全編も観てみたいと思いました。でも、まず、このドキュメンタリー映画は観るべきだと思います。面白いですよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実|映画情報のぴあ映画生活
![]() |
三島由紀夫vs東大全共闘―1969-2000
3,080円
Amazon |
![]() |
美と共同体と東大闘争 (角川文庫)
552円
Amazon |
![]() |
三島由紀夫と全共闘の時代
1,540円
Amazon |
![]() |
フォトドキュメント東大全共闘1968‐1969 (角川ソフィア文庫)
1,469円
Amazon |