「WAVES ウェイブス」の試写会に行ってきました。Fan's Voice (@fansvoicejp) さんの独占試写会でした。
ストーリーは、
フロリダで暮らす高校生タイラーは、成績優秀でレスリング部のスター選手、さらに美しい恋人もいる。厳格な父との間に距離を感じながらも、何不自由のない毎日を送っていた。しかし肩の負傷により大切な試合への出場を禁じられ、そこへ追い打ちをかけるように恋人の妊娠が判明。人生の歯車が狂い始めた彼は自分を見失い、やがて決定的な悲劇が起こる。1年後、心を閉ざした妹エミリーの前に、すべての事情を知りながらも彼女に好意を寄せるルークが現れる。
というお話です。
この映画、凄く良かった。人生には、本当に色々な事があって、誰しもが悩み、苦しみ、そして喜びもある。そんな色とりどりの人生だからこそ、とても愛おしくて、生きる価値があるのだと言っているような内容で、最後には感動がぶわぁ~っ!とあふれ出るような感じでした。
そんな内容なのですが、文字で書くと、映画的には良くある内容だよねと言われてしまいそうでしょ。でもね、この映画は違うんです。映像と音楽が飛び抜けて素晴らしいの。私は、あまり音楽には詳しくないけど、映像に合った音楽をテンポ良く付けていて、映像と音楽とストーリーの組み合わせが凄く良いんです。
私が一番気に入ったのが、テイラーが父親にずっと管理され、押さえつけられていたのを、とうとう反発して、父親を打ち破った後に、テイラーの映像と一緒に流れるのが、カニエ・ウェストの「I Am a God」なんです。それまでテイラーにとっては、父親が神だったけど、とうとう自分自身が神となって、意志を持って動き始めるという意志のようなものが感じられて、そのテンポに映像もピッタリ合っていて、素晴らしかった。この場面から、物語は急展開し始めるのですが、そのスピード感も良かったなぁ。
題名が”WAVES"となっていて、”波”ですよね。人生山あり谷ありで、波の様だという事もあるのだと思いますが、この映画全体も、内容の流れ方と言い、スピード感と言い、音楽と言い、映像と言い、全てにおいて波を感じさせるように作られていて、穏やかに流れていると思ったら、荒々しく進み始め、ゆっくりかと思うと、凄いスピードで進み始める。そんな波のような映画でした。だから、寝ていられないんです。ゆったりしていてどうなるのかなぁ~なんて思っていたら、突然に凄い事が起こったりして、キャ~ってなるんです。そのバランスがイイんだよなぁ。気持ちイイんです。音楽もイイんだろうなぁ。
映像もね、光の使い方が美しくて、その時の人物の心の中を光と色だけで表しているようで、面白い表現の仕方だなと思いました。そのマーブルっぽい画面を観ていると、その人物の気持ちが伝わってくるんです。不思議でしょ。でも、きっと不安なんだろうなとか、うきうきしているんだろうなとか、そんなことが伝わって、まるでモダンアートのような感じなんです。それが無理やり演技をさせて伝えるよりも、伝わってくるんですよ。これ、言葉で伝えにくいけど、観て頂ければ分かると思うの。
この映画、海外アーティストの曲を知っていたら、楽しめるんだろうなぁ。音楽とキャラの心情がかぶるので、より気持ちが伝わると思うんです。私は、あまり知らず、カニエ・ウエストやエイミー・ワインハウスくらいしか普段聞いていないので、悔しかったです。アニマル・コレクティブとかフランク・オーシャンは、名前は知っていても、ちゃんと聞いたことが無くて、うーん、残念。これから、もし、31の楽曲が1つのサントラになったら絶対に買うんだけど、これは無理だろうなぁ。公式サイトで、少しづつ聞けるようですよ。
テイラー役とエイミー役は、ほとんど新人の方の様ですが、上手かったです。特に、エイミー役のテイラー・ラッセルさん凄く可愛いです。最初は苦しんでいるけど、段々と笑顔が見えるようになると、本当に笑顔が可愛いの。これから楽しみな女優さんです。エイミーの恋人役のルーカス・ヘッジスは、マンチェスター・バイ・ザ・シーで助演男優賞にノミネートされるなど、今、話題の俳優さんですよね。今回も良かったですよ。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは面白いし、新しい感覚で映画が楽しめると思いました。これ、ラップやヒップホップなど、最近の音楽をやっている人は、ぜひ観るべきだと思います。何度も観たくなる映画だと思うし、もしDVDを発売したら、絶対に買って家で流していたい映画だと思いました。生活の中に、この映像と音楽を組み込むとテンポ良く進みそうな気がします。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。