「レ・ミゼラブル」を観てきました。
ストーリーは、
パリ郊外に位置するモンフェルメイユの警察署。地方出身のステファンが犯罪防止班に新しく加わることとなる。知的で自制心のあるステファンは、未成年に対して粗暴な言動をとる気性の荒いクリス、警官である自分の力を信じて疑わないグワダとともにパトロールを開始する。そんな中、イッサという名の少年が引き起こした些細な出来事から、事態は取り返しのつかない大きな騒動へと発展してしまう。
というお話です。
パリ郊外の移民が多く住む地域のモンフェルメイユ。ここはユーゴーが”レ・ミゼラブル”の舞台として描いた町でした。その地域は、幾つものギャングが力を持っていて、それぞれが喧嘩にならないように収めているんです。そんな地域を受け持つ警察の犯罪防止班に入った主人公のステファン。静かな町から来たステファンには、力で押さえつけるようなやり方には納得が出来ませんでしたが、その地域で優しい事を言っていたら反対にやられちゃうんです。
そんな地域で大人たちの汚いやり取りを見せられて育つ子供たちは、それが当たり前だと思ってしまい、悪い事も悪いとは思わず、力を持って押さえつける奴が一番偉いのだと思ってしまう。そして社会がおかしくなっていってしまうんです。凄く恐ろしいと思いました。
最後の場面に、ヴィクトル・ユーゴーの「友よ、よく覚えておけ。悪い草も悪い人間もない。育てる者が悪いだけだ。」という言葉が出てきます。ここで人間の愚かさや醜さが心に突き刺さるんです。子供は何も悪くない、悪い事を見せている大人がいけないのだと言っていて、本当に恥ずかしくなりました。
大人が子供に正しい姿を見せていれば、子供は悪くならないんです。大人が悪いから、子供も真似て悪くなる。その通りなんです。日本だって、盗んだり、殺したり、詐欺をしたり、車であおったり、近所に嫌がらせをしたり、そんなことを平気で大人がやっていて、自分は悪くないと偉そうに訴えるでしょ。それ、悪いんですよ。SNSでも、言ったもん勝ちのような状態で、いい加減な情報を言いたい放題。
コロナウィルスの情報だって、適当な情報ばかり。トイレットペーパーが無くなると言って買い占めるバカな姿を見て、子供がどう思うんだろうと思います。みっともないと思わないのかな。そこら辺の信号だって、子供の姿が見えたら必ず守らないと、赤で渡ることを覚えたら危ないでしょ。簡単な事だけど、子供に見られても恥ずかしくない行動をしないと、日本もこの映画と同じようなことになるような気がしました。
移民の居住地ということで、自分が良い人でいても損をするだけだと大人たちが思っているんです。だから、人の為に動こうという気持ちは一切ないし、少しでも他人を出し抜こうという気持ちしか持っておらず、そんな大人に育てられたら、子供はもっと酷くなりますよね。純粋に悪を教え込まれるんですから。だから、どんどん凶悪になっていく。凄く恐ろしい連鎖だと思いました。観ると、ショックで言葉が出なくなります。
「レ・ミゼラブル」という題名は、この地域がその舞台だった事と、この地域の若者が大人の醜さを見せつけられて、最後には革命=反乱を起こすという事だと思いました。そしてその反乱は、醜い大人と同じように力で制圧し、力の在る者が正義だと見せつけるようでした。誰かが、本当の正義を教えなければ、子供は壊れてしまいます。本当に衝撃的なラストを見せつけられました。
私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。この映画は、本当に素晴らしい内容だと思いました。私はパラサイトよりもアカデミー賞に相応しいと思ったほどです。面白い映画というよりは、凄い衝撃作で、自分たちの姿を今一度見直しなさいよと言われているように思いました。”みっともない”という言葉を、大人は脳に刻み込むべきです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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