「エジソンズ・ゲーム」子供のようなエジソンと実業家のウェスティングハウス、もし仲が良ければねぇ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「エジソンズ・ゲーム」の試写会に行ってきました。Fan's Voice (@fansvoicejp) さんの独占試写会でした。映画上映後に工学科の岩尾教授が説明もしてくださり、ありがたかったです。

 

ストーリーは、

19世紀、アメリカは電気の誕生による新時代を迎えようとしていた。白熱電球の事業化を成功させた天才発明家エジソンは、大統領からの仕事も平然と断る傲慢な男だった。実業家ウェスティングハウスが交流式送電の実演会を成功させたというニュースに激怒したエジソンは、ネガティブキャンペーンで世論を誘導。事態は訴訟や駆け引き、裏工作が横行する世紀のビジネスバトルへと発展していく。

というお話です。

 

 
19世紀、アメリカは電気の誕生による新時代を迎えようとしていた。白熱電球の事業化を成功させたトーマス・エジソンは天才発明家と崇められ、大統領からの仕事も平気で断る傲慢な男だった。
 
裕福な実業家ジョージ・ウェスティングハウスは、大量の発電機が必要なエジソンの”直流”による送電方式より、遠くまで電気を送れて安価である”交流”による送電方式の方が優れていると考えていた。若手発明家のテスラも、効率的な”交流”の活用を提案するが、エジソンに一蹴されてしまう。
 
エジソンはJPモルガンと契約をし、”直流”での電気整備を進めていくが、安価な”交流”に押され、巨額の投資をしたのも関わらず資金難に直面してしまう。JPモルガンは資金の打切りをほのめかせ、エジソンはある作戦に打って出る。
 
 
一方、ウェスティングハウスは”交流”での実演会を成功させ、話題をさらっていた。そんな中、エジソンは、”交流”による送電方式は危険で人を殺すと、ネガティブキャンペーンを打ち出し、馬を実験台として”交流”電気による安楽死をマスコミに披露する。”交流”は危険だというニュースが流れ、形勢は逆転し、”直流”の時代がやってくる。
 
窮地に陥ったウェスティングハウスは、テスラと手を組むことにし、”交流”の開発を進めていくのだが・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、面白かったなぁ~!いや、マジで私、この映画、凄く好きです。もちろん、大好きなカンバーバッチさんがエジソンを演じている事もあるのですが、とにかく映画が面白い。電流戦争についてを描いているのですが、その描き方が上手いのよ。

 

 

まず、エジソンという人は、電気とか電流とか、他にも沢山のモノを造るのが好きなんです。自分で楽しんで造っているから、もちろん仕事だし、儲けなきゃいけないんだけど、どう考えても、儲けを先に考えていないんです。まず面白いかが先なんですよ。対するウェスティングハウスは、実業家なので儲けが優先なんです。もちろんウェスティングハウスも面白い事が好きで、開発も好きなのですが、やっぱり事業として成り立つのかという事を考えているんです。その違いが、完璧に描いてあって、そのセリフの中にも、沢山出てくるんです。

 

電流戦争は、エジソンが”直流”が良いって言うんだけど、ウェスティングハウスは”交流”が良いって言うんです。これ中学くらいの物理だったかしら。”直流”は電池とかのようにプラスとマイナスがある方式で、”交流”はコンセントなどのプラスとマイナスを交互に流すという方式なんです。言葉だと難しいけど、絵で描くと一発で分かるのよねぇ。

 

 

”交流”の方は、プラスマイナスを交互に流すから電流が波になっていて、その波をHz(ヘルツ)って呼んでます。東京と大阪だと、この波が違うよね。”直流”は電圧が安定しているけど送れる距離が短いので、沢山の発電所が必要だけど、”交流”は送れる距離が長いので、発電所を作る経費が掛からないので安いんです。もっと色々な長所短所があるんだけど、それは割愛しましょ。

 

映画の中で助手がエジソンに、「なんで交流方式はダメなんですか?」って聞くと、「嫌いなんだ。」と一言言うんです。もう、大笑いしちゃいました。嫌いだから使いたくない。もう、これ趣味でしょ。直流と交流を併用したら、凄い面白い使い道が沢山出来たのに、どうしてもイヤだって、嫌いだからっだって。これ仕事でやっている人の言葉じゃないでしょ。エジソンのそんな所が好きだなって思いました。仕事だけど、面白くなくちゃ、好きじゃなくちゃ嫌って所がイイ!エジソンって、そんな人なんです。

 

 

そんな子供みたいなエジソンに相対するウェスティングハウスは、真面目で誠実な実業家なのですが、ある所でエジソンに凄い意地悪されちゃって、とうとう、ウェスティングハウスも仕返しをしちゃいます。後から後悔はするんだけど、エジソンもウェスティングハウスも、お互いに悪い事をしちゃって、罪悪感に苛まれているところがとても人間的だなって思いました。

 

そんな二人の間に入って、天才ぶりを発揮するのがニコラ・テスラです。見た目は若くてイケメンなんだけど、鼻に付く奴でした。でもね、凄い天才なの。彼のおかげで、ウェスティングハウスは成功するんです。そこら辺の絡みも面白いので見逃さないでくださいね。

 

 

みんな大好きなトム・ホランドは、エジソンの助手・インサル役で、子供の様に見えて、可愛かったです。文句を言いながらも、ちゃんとエジソンに付いて行くところが、忠犬っぽかったな。なんか、ちょっと柴犬っぽいの。可愛いでしょ。

 

映画を観た後に、この映画の監修もされた東京都市大学理工学部電気電子通信工学科の大電流エネルギー研究室教授の岩尾徹先生がいらして、解説をしてくださったのですが、凄く面白かったんです。解りやすかったし、なんたって電気のこと好きなんだなぁというのが現れていて、やっぱり「好きこそものの上手なれ」だなって思っちゃいました。好きで楽しむからこそ、新しい事が生まれるんですよね。エジソンと一緒です。解説、ありがたかったです。

 

もっと書きたい事沢山あるんだけど、あまりにも長くなっちゃったので、この辺りにしておきます。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。私、こういう映画、大好きです。対立しているけど、その対立の原因が一方は好き嫌いで、一方は事業でという、全く相容れないところが楽しくなっちゃうんです。でもね理工系は苦手とか、物理はダメとか、電気って何?みたいな方には、ちょっとお薦め出来ないかも。何言ってんのか解らないと面白くないんです。少しでも、理工系が好きかなという方は、ぜひぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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