「酔うと化け物になる父がつらい」を観てきました。
ストーリーは、
毎日アルコールにおぼれる父、新興宗教信者の母という一風変わった家庭環境で育ったサキは、普段はおとなしいのに酔うと化け物のように豹変する父の行動に悩まされ、いつしか自分の心にフタをして過ごすようになっていた。そんな自分とは正反対に明るく活発な妹や、学生時代からの親友に支えられながら、サキは家族の崩壊を漫画として笑い話に昇華することでなんとか毎日を生きていた。そんなある日、父に病気が見つかってしまい・・・。
というお話です。
うーん、確かに感動作だとは思いますが、どうなんだろう。お酒を自制出来ないのは本人の問題だし、家族がそれを止められなかったのも問題だし、何と言って良いのか分かりませんでした。私もお酒は好きですし、飲みだすと徹夜で飲んでも良いくらしだし、ベロベロに酔う事だってあります。本当にお恥ずかしいですが、記憶だって無くしちゃう事だってあります。でもね、飲まなきゃやってらんない事もあるし、飲んだら嬉しくなって楽しくなるから飲むんですよ。それはお酒を飲んで、同じように酔っぱらった経験がある人にしか理解は出来ないと思います。
主人公のサキは、自分はお酒を飲んでいないんです。全く飲まないで、傍観しているだけなんです。これじゃ、お父さんの気持ちは解らないですよね。社会に揉まれて、家族を守らなければという状況になってこそ、お酒で仕事のコミュニケーションを取って、その後、お酒を飲まなきゃやってらんないっていう気持ちになるのが解ると思うんです。
お父さんは、会社の人事にいるようで、その部署で認められるために、あまり飲めなかったお酒を飲めるようにして、必死で上司に付き合ったと思うんです。だからこそ今の地位があって、妻が新興宗教に入ってお金を継ぎ込もうとも、家庭はお金に困ることなく、生活が出来たんです。妻が新興宗教に入って、お金を継ぎ込んでいたら、普通、一緒に入信するか、離婚しますよねぇ。
それから何年か経ち、次女は就職しているのに、主人公のサキはプーをしていて、全部、父親の給料で暮らしているんです。それが解かってんのかな?ベロベロに酔っぱらっている父親に養われているんですよ。お父さん、優しいですよね。自分で稼いで生活しろっつーの。もし、私がサキの立場なら、そんなに嫌なら、直ぐに家を出て自立しますよ。でなきゃ、文句を言う権利はないですもん。
それくらい甘えていたサキが、お酒を飲んでいた父親をモデルにして、漫画を描いて認められるって、どうなのかしら。父親はネタにされて、どう思っているのかな。お父さんは、きっと、こんなにも必死で家族の為に働き、友達を助けようとし、頑張ってきたのに、笑い者にされるのかと思ったらやりきれないだろうなぁ。
最後には、サキも父親の気持ちや性格が解り、良い人だったと感じたかもしれませんが、お父さん側からの気持ちになると、娘は最後まで自分を認めてくれなかったと嘆いていると思いました。漫画家になって有名になったと思っているかも知れないけど、そこからが勝負で、良い作品を書き続けなければ直ぐに切られる職業でしょ。そこで人付合いが出来なかったら、失速して二度とチャンスなんて巡ってこないですよ。そんな時、必死でお酒を飲んで上司と付き合っていたお父さんの気持ちが解るんじゃないかな。
渋川さんのお父さん役、上手かったなぁ。本当に良い味出しますよねぇ。名脇役というか、この映画では、彼が主人公と言って良いほどの演技でした。渋川さん、好きだなぁ。彼だからこそのお父さんでした。
私は、この映画、まぁ、お薦めしたいと思います。私はつい、お酒が好きなお父さんの気持ちになってしまうので、この娘目線の映画は、ちょっと辛かったです。でも、まぁ、これから自分で生きて行けば、社会の厳しい事も分かるんじゃないかな。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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