「黒い司法 0%からの奇跡」を観てきました。
ストーリーは、
黒人への差別が根強い1980年代の米アラバマ州。犯してもいない罪で死刑宣告された黒人の被告人ウォルターを助けるため、新人弁護士のブライアンが立ち上がるが、仕組まれた証言や白人の陪審員たち、証人や弁護士たちへの脅迫など、数々の困難に直面する。
というお話です。
黒人差別が根強い1980年代アラバマ州。ブライアン・スティーブンソンはハーバードを卒業後、この地域で弁護士として働く為に引っ越してきた。家族には反対されたが、インターン時代に知り合った死刑囚との交流で、彼らが不当に扱われて死刑となることを疑問に思ったのだった。
アラバマ刑務所に行くと、ブライアンは弁護士なのに黒人だという事で裸にされて身体検査をされる。いきなりキツイ差別を受けたウォルターだが、負けずに死刑囚との面会をこなしていく。すると、その中に、犯してもいない罪で死刑宣告されたウォルター・マクシミリアンと出会う事となる。ウォルターを助ける為、ブライアンは無罪を勝ち取るべく立ち上がる。
しかし、白人優位の社会で、ウォルターを陥れる為に仕組まれた証言や、白人の陪審員たち、検事さえも白人で、全くウォルターの証言をする黒人の声は聞いてもらえない。そして証人や弁護士たちへの脅迫などもされて、数々の差別と不正がブライアンの前に立ちはだかる。それでもブライアンは諦めず、法に従い、同じ志を持つエバ・アンスリーと共に、「真の正義」を求め過酷な状況の中、闘い続ける。
果たしてブライアンは、最後の希望となりウォルターを救う事ができるのか。可能性0%からの奇跡の逆転はあるのか。後は、映画を観てくださいね。
実話を基に作られた映画だそうです。1980年代という事は、今から40年くらい前ですね。その頃、まだ、こんなに差別が酷かったんですね。私はもう生まれていたし、その頃、私の父が米国に赴任していたのですが、そんな酷い話は聞いたことが無かったです。まぁ、私も子供だったから、知らなかっただけなのかもしれませんが。でも、ホテルのガードマンが黒人の大きな人で、驚いて怯えた顔をしたら、凄く優しく案内をしてくれたと言っていました。だから、黒人の方に悪い印象は無いのですが、その頃は、日本人のような黄色人種も差別をされていたのかなぁ。
その頃のアラバマ州では、犯罪は黒人がするものと決めつけていて、冤罪が横行していたようです。この映画の中にも、沢山の冤罪の人が出てきました。もちろん、本当に犯罪をした人もいるんですけど、裁判もして貰えず、弁明も出来ないまま、死刑囚となってしまうようなんです。
ある死刑囚は、ベトナム戦争に行きPTSDになってしまい、つい爆弾を作ってしまって置いておいたと言うんです。つい爆弾を作るっていうのはおかしいですが、それくらい恐怖心が蓄積していて、いつもそばに自分を守る物を置いておきたかったのかもしれません。それを子供か誰かが持ってしまったらしく、事故が起きたのかなと思います。はっきり語られないので想像もありますが、人を殺す為に作ったのではないと言いたいのに、弁明は聞いてもらえず、直ぐに死刑判決になったらしいんです。そんな、本当に起こした事件だけど、内容が違うというものも、随分あったようです。
そんな中で、完璧に冤罪だと判る案件が、このウォルターの事件でした。証言まで作って、無理やりに犯人に仕立て上げられてしまったのが、このウォルターでした。ブライアンは、そんな事は許されないと訴えるのですが、法廷では”黒人が言う事なんて信用できない。”という空気が蔓延していて、どんなに訴えても、判決が覆らないんです。信じられませんでした。証言は嘘ですと言っても、物証が無くても、警察の書類が偽造されているのが解っても、裁判所は最初の判決を押し通そうとするんです。本当に驚きました。あり得ないですよね。
そしてブライアンは、どこまでも諦めずに、アラバマ州でダメなら、合衆国の裁判所に訴えて、その上、マスコミも使って訴えるんです。そりゃそうでしょ。だって、その地域でいつまで訴えても、誰も黒人を信用しないんですから。いやぁ、酷い話だと思いました。でも、何故か、黒人たちはアラバマ州から出て行かないんです。映画を観ていると分かってくるのですが、そのアラバマ州は、黒人たちが昔から住み着いていて、歴史のある場所のようでした。なので、本来なら白人の方が遠慮するべきなんです。それなのに、こんなに差別が酷くて、白人優位だなんて、間違っています。許されないと思いました。
このブライアンさんとエヴァさん、そして冤罪だった方々のご本人の映像がエンディングで流れました。ウォルターを殺人犯だと偽証して、後から改心して助けてくれた人が、2017年に刑務所を出所したという場面があり、ちょっと驚きました。30年間、刑務所にいたそうです。それぞれに色々あったのだと思いますが、全く罪を犯していない人が死刑囚にされるという理不尽な事がまかり通っていたというのは、恐ろしい事だと思いました。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。実話がベースのお話ながら、よく出来ていて、映画として観ても面白いです。上手く出来ていると思いました。それに、マイケル・B・ジョーダンとジェイミー・フォックスがカッコイイんです。そこにブリー・ラーソンなので、この3人の名前を聞くだけでも、観ようと思うでしょ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
![]() |
ブラック・クランズマン [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
1,500円
Amazon |
![]() |
それでも夜は明ける [Blu-ray]
1,400円
Amazon |