「初恋」三池監督のイイとこ集めました。すっごく楽しめる映画です。コロナなんてぶっ飛ばせって感じ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「初恋」を観てきました。

 

ストーリーは、

天才ボクサーの葛城レオは、試合でまさかのKO負けを喫し病院へとかつぎこまれた。医師から自分の余命がわずかであるという事実を突きつけられ、自暴自棄になりながら歌舞伎町の街を歩いていると、男に追われる少女モニカの姿が飛び込んでくる。ただごとではない様子からレオが反射的にパンチを食らわせた男は、悪徳刑事・大伴だった。モニカは親の借金のカタにヤクザにとらわれていたという。レオは彼女を救うことを決意するが、それはヤクザと大伴から追われる身となることを意味していた。

というお話です。

 

 
欲望うずまく新宿・歌舞伎町。天涯孤独のプロボクサー・葛城レオは稀有な才能を持ちながら、負けるはずのない格下相手との試合でまさかのKO負けを喫し、試合後に受けた診察で脳に腫瘍があり余命いくばくもないと告げられた。
 
街を彷徨うレオの目の前を、少女が駆け抜ける。「助けて」という言葉に反応し咄嗟に追っ手の男をKOする。が、倒した男は刑事だった。レオは懐から落ちた警察手帳を手に取ると少女に腕をひかれ現場を後にする。少女はモニカと名乗り、父親の借金のカタに売春をさせられていて、ヤクザの元から逃れられないことを明かす。さっきレオが倒した男は刑事の大伴で、ヤクザの策士・加瀬と裏で手を組み、ヤクザの資金源となる“ブツ”を横取りしようと画策中。その計画のためにモニカを利用しようとしていた。
 
 
ヤクザと大伴の双方から追われる身となったレオは、一度はモニカを置いて去ろうとするが、親に見放され頼る者もいないモニカの境遇を他人事とは思えず、どうせ先の短い命ならばと、半ばヤケクソで彼女と行動を共にする。
 
モニカと共に資金源の“ブツ”が消え、それを管理していた下っ端組員のヤスが遺体で見つかったことを、その恋人のジュリから知らされた組員一同。組長代行のもとで一触即発の空気が漂う中、刑期を終えて出所したばかりの権藤は、一連の事件を敵対するチャイニーズマフィアの仕業とにらみ、組の核弾頭・市川らと復讐に乗り出す。ヤスの仇を自らの手で討ちたいジュリもそれに続いた。
 
 
一連の黒幕と疑われたチャイニーズマフィアのフーもまた、売られたケンカを買ってシノギを乗っ取ろうと、モニカとブツの行方を追うために、構成員のチアチーに命じて兵力を集めにかかる。
 
ヤクザと悪徳刑事にチャイニーズマフィア。ならず者たちの争いに巻き込まれた孤独なレオとモニカが行きつく先に待ち受けるものとは…。後は、映画を観てくださいね。
 

 

この映画、面白かったぁ〜!三池監督のイイところを全部集めて、楽しい可愛いエッセンスをちょっと落としてみたって感じで、もう、私は大喜びしてしまいました。キャストも最高でしたね。この役にはこの人じゃなきゃって人が、ちゃんとハマっていて、本当に観ていて楽しくなりました。

 

生まれて直ぐに捨てられたレオは、ボクシングの才能で頭角を表して人気になり、これからって時に、大きな脳腫瘍がありますから余命が少ないですよって言われちゃうんです。そりゃ、驚きますよね。とっても健康でボクシングをしていたんだから。で、自暴自棄になって歩いていると、横をすり抜けて走って行った女に”助けて”と言われるんです。その言葉で、まるで覚醒したように追っていた男を殴ってしまいます。この出会いって、あり得ないけど、あったら素敵よね。誰か助けてって思っていたら、目の前に王子様が現れて助けてくれるなんて、素敵でしょ。

 

 

でも、その女・モニカは、麻薬中毒で幻覚を見ていて、幻覚から逃げているんです。最低ですね。王子様なんてもんじゃないんだけど、その出会いで、レオはモニカを助けることになるんです。レオは、もう死んじゃうと思っているから、別に何も怖くなくて、相手がヤクザでも戦っちゃうんです。この二人を中心に考えると、確かに”初恋”なんだけど、他の人物の視点から見ると、全く違う世界が見えていて、そちらも面白いんです。

 

ヤクザの下っ端の加瀬が悪徳刑事の大伴と手を組んで、ブツの横取りを企んでいるのですが、作戦を聞くと上手く行きそうなんだけど、この二人がとってもヌケていて、失敗ばかりするんです。その上、加瀬を疑っているヤクザの城島も裏があり、公式HPの人物相関図を観て貰っても分かる通り、めちゃくちゃなの。ヤクザと中国マフィアが入り乱れ、その中を泳いで逃げるのが、レオとモニカって感じかしら。何とか必死で泳ぎきろうとするんだけどねぇ。

 

 

この二人の未来には、ヤクザ中のヤクザである権藤と、中国マフィアながら仁義を重んじるチアチーという、二人の重要なキャラクターが問題となってきます。誰でもかんでも殺せばよいというようなギャングではなく、理に適う事を重んじる二人がいるからこそ、酷い世界でも、雲間から光が見えるような、そんな内容になっているんです。そういうところが、三池監督は上手いんですよねぇ。

 

でね、今回、面白いと思ったのは、最後の方で、ありえねー!って場面をアニメで描いているんです。それ、上手いなぁと思いました。ただただ実写だけを使ってアクションを描いていると、派手過ぎて段々と現実味が無くなっていくのですが、そこを、ワザとアニメを混ぜることで、再度、現実に戻すんです。そこの切り替えが上手いと思いました。

 

 

そして、最後にキャラクターについて書かせてください。本当にピッタリ驚くほどでした。内野さんの権藤は超カッコ良くて、こっち側の役も良いなぁ。惚れ直しです。染谷さんのヤクザ、上手かったですねぇ。超ゲスくて良かったです。そして塩見さんや村上さんがいて、完璧にヤクザに見えました。中国マフィアもディーンフジオカさんの妹の藤岡麻美さん、カッコ良かったなぁ。もっと彼女を見たいです。そしてヤクザの情婦役のベッキーさん、素晴らしい!イイ役でしたねぇ。表情が凄く良かったです。これからも役者をメインでやって欲しい。

 

そして、やっぱり主演の窪田さんと、その相手役の小西さん。”ファンシー”でも共演されているのですが、今回も良かったです。小西さんのヤク中で、ボロボロの役、良かったです。窪田さんは、本当に何をやってもその役になり切れていて、上手いですねぇ。見え方が他の作品と全く違ってくるところが、彼の凄い所です。それに、最初は感情の無い、表情も無い役で、このゴタゴタ事件があって、やっと感情が芽生えたという姿が描かれていて、観ていて、一緒になって喜んでしまいました。やっぱり窪田さん、好きだなぁ。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。これは面白いですよ。アクションやサスペンス、ミステリーとしても面白いし、初恋という恋愛映画としても楽しめる。それに、ヤクザ映画の仁義も楽しめて、最後はスッキリするという、何とも贅沢な映画だと思いました。それに、役者が上手いから、感情の変化が良く解るんです。それぞれの人物の裏の感情と表の建前を楽しむと、凄く面白いですよ。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

P.S : クライマックスでホームセンターのユニディで戦う場面があるのですが、大伴のセリフでもあるように何でもあるのよねぇ。洋画「イコライザー」もアメリカのホームセンターで戦うんだけど、それに匹敵するくらい、ホームセンターでの戦いは面白かったです。

 

 

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