「スキャンダル」我慢の限界を超えた時、女たちは立ち上がります。権力で何でも出来ると思うなよ! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「スキャンダル」を観てきました。

 

ストーリーは、

アメリカで視聴率ナンバーワンを誇るテレビ局FOXニュースの元・人気キャスターのグレッチェン・カールソンが、CEOのロジャー・エイルズを提訴した。人気キャスターによるテレビ界の帝王へのスキャンダラスなニュースに、全世界のメディア界に激震が走った。FOXニュースの看板番組を担当するキャスターのメーガン・ケリーは、自身がその地位に上り詰めるまでの過去を思い返し、平静ではいられなくなっていた。そんな中、メインキャスターの座のチャンスを虎視眈々と狙う若手のケイラに、ロジャーと直接対面するチャンスがめぐってくるが・・・。

というお話です。

 

 
2016年、アメリカニュース放送局で視聴率NO.1を誇る「FOXニュース」に激震が走った! クビを言い渡されたベテランキャスターのグレッチェン・カールソンが、TV業界の帝王と崇められるCEOのロジャー・エイルズを告発したのだ。49歳となったグレッチェンに、ロジャーは執拗に嫌がらせをし、最終的にクビを言い渡した。グレッチェンは、それまでのロジャーの酷い仕打ちに対抗する為に随分前から準備をし、クビになってすぐに、ロジャーを訴えたのだ。
 
騒然とする局内。看板番組を背負う売れっ子キャスターのメーガン・ケリーは、自身の成功までの過程を振り返り心中穏やかではなくなっていた。メーガンもグレッチェンと同じように、キャスターとなる前に、ロジャーからキャスターになりたいならロジャーの欲望を満たすようにと強要されたのだった。
 
 
しかし、周りは皆、ロジャーの味方だった。ロジャーに睨まれたら仕事を失くしてしまうという怖さがあり、誰も逆らえなかったのだ。しかし、少しづつ女性たちが立ち上がり、ロジャーを追い詰めていく。
 
そして、メインキャスターの座を狙う貪欲な若手のケイラは、ロジャーに会う機会をゲットし、彼の前でアピールすると、他のキャスターと同じようにロジャーの欲望を満たしたらキャスターにつかせてやる事も考えると言われ・・・。後は、映画を観てくださいね。
 
 
トランプが大統領になる前でしたよね。このニュースが流れた時、良く言った!と称賛したものです。女性にも平等の権利をと言いながらも、やっぱり男性に下に見られ、性の対象にされているのは変わりません。どうしたら変わっていくのかと言ったら、そういう考えを持つ人間を潰して行くしかないんです。日本では、まだまだ、声を上げる人が少ないですが、アメリカでの、このTV業界で起こったニュースは、画期的だと思いました。でも、ロジャーを落とすまでは、こんなにも色々な事があったんですね。
 
日本では、伊藤詩織さんが声を上げて、元TBSの山口敬之氏にレイプされたと訴えた事件がありますが、この事件だって対応が酷いです。こんなんじゃ、後に続いて訴えようという人が黙ってしまいます。レイプ被害などがあったら、警察は女性だけの対応課を作って対処するべきだし、検察だって、女性検察官で専門の部署を作るべきでしょ。一人で声を上げても、周りが守ってくれなきゃ被害は無くならないんです。
 
 
話を戻して、グレッチェンさんが最初に訴えたのは素晴らしかったです。このロジャーってオヤジ、殺しても飽き足らないわ。女は若くなきゃ意味が無いような言い方をして何様なのよ。ニュースキャスターは、ある程度の年齢で、経験を積んでいて学がないと、適切な対応やコメントも出来ないでしょ。若い子は原稿を読んでいるだけですもん。それならこれからはロボットで十分。可愛いのが良いなら、猫でも映してCGでしゃべらせればいいんです。そんなんだから、TVをみんなが観なくなるんです。ネットで文字で読むほうがよっぽど良いわよ。
 

 

そんなグレッチェンに呼応してメーガンが立ち上がるところが、カッコ良かったなぁ。一般人の私からみると、TVに出ていて、何もかも持っている様に見える美しい人達が、こんなにも苦しんでTVの前に立っていたという事に驚きました。どんな世界でも、下から上に登ろうとすれば苦労があるのだなと思いました。

 

でも、セクハラやパワハラはダメですよ。私も会社に勤めていた頃はパワハラ、セクハラは日常茶飯事でした。特に建築業界なので、女のくせにとか、女に出来る訳がないとか言われ、下ネタを言われ、触られたりも多々ありました。まぁ、それに負けなかったから、今があるんですけどね。若い頃から鍛えられたので、セクハラされたら、倍返し出来るほどのテクニックは手に入れました。もう周りは怖がって何も言いません。でも、反対にセクハラやパワハラで訴えられない様にしなくちゃね。でも、私は自分がやられて嫌だった事は人にはしません。

 

 

若いケイラというキャスター志望の女性が出てくるのですが、最初はみんな、彼女のように夢を持って、その仕事に入ってくるのでしょう。そこが泥沼とは知らずに、澄んだ水辺だと思っているんです。でも、一歩入ってみると、身体を差し出さなければ何もやらせて貰えない。そんな世界なのだと知るんです。そんな世界は変えていかないとね。

 

日本の女性は、まだまだ戦うには戦力不足かな。だって女性同士が協力するべきなのに、何故か女性の主張を女性が避難するからです。男性に従属することが良い事だとでも思っているのかな?同性なのに、全く理屈に合ってない事を平気で避難するからビックリしちゃいます。女性は男性の付属品という考えがこびり付いているのかしら。古い考え方を改めなければ、新しい世界など来はしません。夫に従属するのではなく、同等に仕事をしているのだと解らせなければ。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。但し、エンタメとして観ると面白くないでしょう。彼らの行動に強い意志があることを考えて、深く読み取れる方には、とても面白い映画だと思います。私は、まるで若い頃の自分がいた世界を観ている様で、ちょっと辛くなりましたが、みんなが声を上げていかなければ悪い事は変わっていかないという事が、良く分かります。沢山の方、特に女性に観てほしいと思いました。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。

 

 

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