舞台「天保十二年のシェイクスピア」を観てきました。
ストーリーは、
江戸の末期、天保年間。百姓隊の隊長が語り出す。
下総国清滝村には、二軒の旅籠が向かい合っている。二軒を取り仕切る鰤の十兵衛は老境に入った自分の後継を決めるにあたり、三人の娘に対して父への孝養を一人ずつ問う。腹黒い長女・お文と次女・お里は美辞麗句を並べ立てて父親に取り入ろうとするが、父を真心から愛する三女・お光だけは、おべっかの言葉が出てこない。十兵衛の怒りに触れたお光は家を追い出されてしまう。
月日は流れ、天保十二年。後を継いだお文とお里は、それぞれ亭主を担ぎ上げて「よだれ牛の紋太一家」「代官手代の花平一家」を名乗り、清滝村を二分する骨肉の争いを繰り広げていた。しかし野心のなさに愛想を尽かし、お文は紋太の弟・蝮の九郎治、お里は用心棒・尾瀬の幕兵衛をたらしこんで亭主殺しを目論み、相手方に濡れ衣を着せようと考えている。
やがて九郎治は紋太を殺し、幕兵衛は謝って十兵衛を殺めた後に花平も首尾よく手にかける。そこへ現れたのが、無宿者で醜い顔と身体、歪んだ心を持った佐渡の三世次。清滝の老婆のお告げに焚き付けられた三世次は、言葉巧みに人を操り、良家の争いに乗じて清滝村を手に入れる野望を抱くようになる。花平殺しを紋太一家の仕業と触れ回り、恩を売られたお里と幕兵衛は三世次を一家に迎え入れることにする。そこへ、飯岡の助五郎の元に渡世修行へ出ていたお文の息子・きじるしの王次が、父・紋太の無念を晴らすために帰ってくる。ところが三世次の策略によって母・お文と叔父・九郎治の共謀を知り、二人への復讐を誓う。
大混乱の中、波乱を呼び込む面々が次々と清滝村に足を踏み入れる。笹川の繁蔵の元に身を寄せていたお光が村に戻り敵対する王次と恋に落ち、王次は許嫁のお冬を突き放す。紋太一家のところで働く飯炊きのおこま婆の息子・桶屋の佐吉を追って、年期の明けた花魁・浮舟太夫も村にやってくる。
新代官の着任によって良家の争いはとりあえず手打ちとなったものの、代官の妻おきちがお光と瓜二つだったことから、さらなる大惨劇が巻き起こる。やがて時代は三世次の思うままに動いて行くようにみえたのだが・・・。
後は、舞台を観てくださいね。
この舞台、凄かったなぁ。シェイクスピアの作品を全部、この1つの舞台に詰め込み、話の辻褄が合うように調整していて、本当に楽しかったです。やっぱり、井上ひさしさんって天才だわ。もう、何度も上演されている舞台で、蜷川さん演出もあったようです。劇団新感線も上演していたのかしら。こんなに面白いのなら、以前のも観たかったなぁ。
最初は、”リア王”に始まり、マクベス、ハムレット、ロミオとジュリエット、夏の夜の夢、リチャード三世、などなどの話が、次々と繋がって行って、ちゃんと、前作を取り込んで、結末を迎えるんです。いやぁ、面白かったなぁ。
髙橋一生さんが三世次=リチャード三世を演じていて、リア王の所は欠けているけど、後は最初から最後まで、かき回して行きます。大体、シェイクスピアの戯曲って、みんな死んで終わっているから、今回は、最初から最後まで死体の山です。だって、そうでしょ。誰かが死んで、その復讐をしていく訳だから、誰もが死んじゃうのよ。みーんな幽霊になっちゃうんです。悲劇だけど、面白いですよ。
シェイクスピアの作品を知っていれば知っているほど、次々と話が続いて行き、面白いんだけど、え、次はそこに行くの?って感じで忙しくて忙しくて、面白いという感想以外、あまり出てこないんです。スミマセン。
私は、この舞台、超!超!お薦めしたいと思います。とても面白い舞台です。でも、シェイクスピアの作品を知らないと、あれだなとか、これだなって言う事に気が付かないので、ちょっと寂しいかもしれません。もう少し上演しているので、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「天保十二年のシェイクスピア」
https://www.nissaytheatre.or.jp/schedule/東宝主催公演「天保十二年のシェイクスピア」/
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