「スマホを落としただけなのに囚われの殺人鬼」誰もが怪しくて誰もに裏がありそうに見えるんです！

「スマホを落としただけなのに　囚われの殺人鬼」を観てきました。

ストーリーは、

長い黒髪の女性ばかりが狙われた連続殺人事件の解決から数カ月後。同じ現場から新たな身元不明の死体が発見された。捜査にあたる刑事・加賀谷は、かつて自分が逮捕した連続殺人鬼・浦野のもとへと向かう。獄中にいる浦野が口にしたのは、浦野が師と仰ぐ「M」というダークウェブ上に存在する謎の人物だった。一方その頃、加賀谷の恋人である美乃里に謎の男の影が迫っていた。

というお話です。

長い黒髪の女性ばかりを狙った、連続殺人事件。事件を追っていた刑事の加賀谷が、連続殺人鬼の浦野を捕まえて事件は幕を閉じた。

犯人を捕まえたにも関わらず、それから数ヶ月後、浦野が遺体を遺棄していた現場の近くから、又も若い女性の遺体が発見される。同時期に仮想通貨が盗まれ、ホワイトハッカー・JK16という人物が流出した仮想通貨にマーキングをして現金化するのを防ぐという事件が起きました。ネット上では正義の味方としてJK16の正体探しが盛り上がりますが、数日後、このJK16と名乗っていた女性が殺されます。

捜査が混迷を極める中、捜査チームの責任者・牧田は、加賀谷を呼び、連続殺人鬼の浦野から話を聞いて欲しいと頼まれる。毒島が言うには、浦野は加賀谷となら話をしても良いと言っているらしい。加賀谷は浦野に面会し、山中の女性の遺体も殺したのかと聞くと、それは浦野にネットの全てを教えてくれた”Ｍ”という人物が殺したんだと思うと話します。”Ｍ”とは一体何者なのかと聞きますが、判らないがＰＣが使える環境を用意してくれれば、捜査協力することが出来ると話します。

警察は浦野に協力させることに決め、その環境を浦野に提供します。

同時期に加賀谷の彼女の美之里が謎の人物に狙われ始め、その人物が”Ｍ”と名乗ります。殺人鬼のＭと、美乃里を狙うＭは同一人物なのか。警察は美乃里にオトリとなって貰う事にし、彼女に護衛を付けて、Ｍの人物特定を急ぎます。

誰もが怪しく見える中、加賀谷が紹介した美乃里の会社の経営者・笹岡は、加賀谷に自分の会社に戻って来てくれないかと話をする。その会社は加賀谷と笹岡の二人で立ち上げた会社であり、加賀谷は警察に入るために辞めたのだった。そして加賀谷が何故警察に転職のかという理由も明らかになってきて･･･。後は、映画を観てくださいね。

今回も、結構、盛りだくさんの内容でした。最初から思わせぶりな場面が入ってくるので、え？誰？って感じで始まります。前作の被害者・稲葉麻美と富田誠の結婚式に出席した加賀谷と美乃里は、帰り道で喧嘩をするのですが、原因は、加賀谷が、長く付き合っているのに二人の事を真剣に考えてくれないという事でした。そりゃ、年ごろなんだから、女性は結婚とか、考えて欲しいですよね。女性は、例えば子供を産もうと思ったら年齢制限が出てくる訳だし、そりゃ、付き合っているなら真剣に考えて貰わなきゃ。

その喧嘩の後くらいから、何故か美乃里を付け狙う人が出てくるんです。これも、また思わせぶりなんですよ。まぁ、サスペンスの鉄則として、最初に思わせぶりで怪しい奴は味方なんですけど。それと同時に、色々な場所で死体が見つかって、サイバー犯罪に関係があるということで、浦野の名前が出てくるんです。この浦野のキャラクター、羊たちの沈黙のハンニバルっぽくしているんだと思うけど、成田さん、上手いですね。天才と狂人は紙一重って言うけど、本当にそんな風に見えるから凄いです。

そして、サイバー犯罪と殺人を犯した”M”を追い詰めていくのですが、浦野がMの隠れ家を教えて、その後に捜査協力が決まりPCを使える部屋に移動させられた時点で、私は本当の”M”が誰なのか、犯人は誰なのか判っちゃいました。これ、上手くストーリー構成しているんだけど、浦野の監視をする警察官の性格と借金があるという設定で、完璧にどう進むのか分かっちゃいます。この監視の警察官の設定を普通の人にしておいてくれれば、もう少しドキドキしたんだけどなぁ。

それと、仮想通貨が盗まれる事件があって、ホワイトハッカーがマーキングをしてくれて収まるんだけど、この部分、あまり取り上げられなくて、勿体ないなぁと思いました。だって、この部分だけでも１つのストーリーが出来るほどの出来事なんですよ。それに、普通の人にマーキングをしたから平気っていう意味も説明してあげないと、解らないんじゃないの？このハッカーが殺された事件も、最初に山中で見つかった遺体の事件も、一応、詳しい情報は与えられるんだけど適当に流されちゃって、そこら辺が、なんか残念でした。これ、連続ドラマでやれば、もっと細かく描けるんだと思うけどね。

じわじわと、加賀谷の母親との問題と、浦野の子供の頃に虐待されていた経験が明らかになってきて、子供の頃の酷いトラウマが、大人になってもフラッシュバックのように襲って、辛い思いをするという事を描いていました。もっと子供の虐待は、周りが見つけてあげて守ってあげなきゃダメですよ。本当に助けてあげたい。殺されてからじゃ遅いんです。おかしいと思ったら、直ぐに児童相談所が介入出来るようにして欲しいです。

そんなこんなで、盛りだくさんの内容だったので、全ては描き切れていませんが、今回の事件はちゃんと解決しています。文句を書いちゃったけど、映画としては、良く出来ていたし、面白かったと思います。でも、この映画を観るなら、出来れば、前作を観ておいた方が、加賀谷と浦野の関わり方とか、浦野が何をした犯人なのかとかが分かるので、楽しめると思いますよ。

そうそう、加賀谷の友人の笹岡を、鈴木さんが演じていて、ちょっと嬉しくなりました。結構、重要な役ですよ。刀剣乱舞の三日月さんを演じていて、綺麗な人だなって思っていたのですが、やっと出てきましたね。これからが楽しみです。ちょっとスッとした雰囲気のイケメンって、必要よねぇ。こういう人がカフェのマスターとかで、カフェオレを出しながら”元気出してね。”って癒してくれたら幸せだわぁ。ああー、妄想が膨らんじゃうわ。