「グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇」を観てきました。
ストーリーは、
戦後の復興期、文芸雑誌の編集長・田島周二は何人もの愛人を抱えていた。さすがにこのままではまずいと思った田島は彼女たちと別れる決心を固めるが、愛人たちを前にすると優柔不断な性格が災いし、別れを切り出すことが出来ずにいた。困り果てた田島は、ガサツで金に金にがめつい担ぎ屋・キヌ子に女房を演じてくれと頼み込む。しかし、泥だらけの顔を洗ったキヌ子は誰もが振り返る美しい女性だった。
というお話です。
この映画、太宰治が書いていた未完の小説を劇作家であり演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチさんが付け足して、1本の脚本にしたものです。舞台で公演していたのですが、今回、映画化されました。うーん、観た後の感想は、やっぱり舞台の方が良かったなぁと思ったかな。まぁ、当たり前ですよね。生で目の前で役者さんが演じてくれる方が、良く見えるに決まっていますから。
私、舞台のグッドバイを2015年に観まして、周二を仲村トオルさん、キヌ子を小池さんが演じられて、そのイメージが頭にあったので、大泉さんの周二が、どうも私には合わなかったようです。編集長で、お金もあって、女性にモテるという男なので、上品そうな顔立ちでおっとりした感じが私の周二のイメージなのですが、大泉さんは、ちょっとガチャガチャしていて、人が良くて口が上手い所で人に好かれるのかなというイメージだったので、私には今一つだったんです。でも、舞台の方を見ていなければ、最初からこの大泉さんのイメージなので問題ないと思います。
キヌ子は、本当に小池さんはイメージ通り。小池さんこそがキヌ子だという感じで、とっても良かったと思います。戦後の混乱の中、女性一人で生き抜く、強くて優しい女性にピッタリでした。演技も上手いし、素晴らしいです。
愛人役の緒川さん、水川さん、橋本さん、妻の木村さんと、良いキャストが揃っていました。その上、皆川さん、田中さん、池谷さん、犬山さん、松重さん、戸田さん、そして、濱田さんが、もう、大笑いするほど個性の強いキャラクターを演じていて笑えました。この、周りの人々に関しては、舞台色が強かったなぁ。
ストーリーとしては、太宰作品としては、ちょっとこんなに笑っちゃって良いのかしらという感じに仕上げて合って、太宰というよりは、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品になっています。でも、作品としては、やはり太宰の時代のモノなので、現代の人から見ると、ちょっと古い感じがするような気がします。それに、スピード感も映画としては問題かなぁ。舞台では良くあるのですが、1年後とか、2年後とか、突然に時間を進めてしまうのですが、それまでは、同じ時間をずーっとズルズルやっているので、観ている方が時間の感覚に付いていけなくなるような感じがしました。
ストーリーとしては楽しめるのですが、イマイチ、映画としてどうなのかと言われると、どうかなぁと思ってしまいました。スミマセン、私は舞台の方を先に観ていて、とても気に入っていたので、どうしても比べてしまうのです。この映画だけで観れば、楽しいかなと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。楽しくて、ちょっと引いてしまいそうな周二という男を楽しんでください。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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