「幸福路のチー」を観てきました。
ストーリーは、
台湾の田舎町で必死に勉強し、渡米して成功を収めた女性チー。ある日、祖母の訃報を受け、故郷である幸福路へ久々に帰ってくる。子ども時代の懐かしい思い出を振り返りながら、自分自身の人生や家族の意味について思いをめぐらせるチーだったが・・・。
というお話です。
空想好きだった幼い頃は、毎日が冒険だった。金髪に青い目のチャン・ベティと親友になってからの日々、両親の期待を背負っての受験勉強。学生運動に明け暮れ、大学卒業後は記者として忙殺される毎日を送った。
良い映画だと思いましたが、あまりにも優等生タイプの映画で、私は、ちょっとタイプでは無かったかな。台湾の田舎のお話ですが、日本で言えば、昭和中期の日本を描いているようで、それを現代の自分が懐かしむという進め方なんです。子供の頃は貧しくて、だけど楽しくて、学校の友達と帰り道で遊んで、無垢な幸せを楽しんでいたけど、今は、アメリカ人と結婚してアメリカに住んでいて、故郷に帰ってきたら変わっていて、ちょっと寂しいけど懐かしいっていう事なんです。
そりゃ、誰だってそうですよ。昔は懐かしいです。そこで、昔に戻るか、先に進むか、それはそれぞれの考え方だけど、上手くいかないからって、昔に逃げるのは、私は嫌いです。前に進むために故郷に帰って、新しく生きる為の準備をするなら良いですけどね。これ、台湾だからかもしれませんが、このチーは、大学に行き、記者となるけど、体制批判をした為に会社が潰れて、アメリカに逃げるんですよ。
いとこにアメリカに呼ばれたからという事だけど、結局は、自分の国の為に働かずに、海外に逃げたんです。もし、自分に力があると思うなら、自国で働くべきでしょ。台湾とか中国の人たちって、アメリカは夢の国で、あちらなら幸せになれると思っているのかな。その価値観が私は嫌でした。ここでも逃げて、アメリカからも逃げて、未来から逃げて過去に思いを馳せるなんて、私は気に入らないなぁ。映画としては、綺麗だし、誰が見ても、普通に感動作に見える、優等生タイプのお話ですけどね。私なら、全てを捨てて両親のいる故郷に帰るなんて、悔しいし恥ずかしくて嫌ですけど。
故郷に帰って大切な両親と暮らして、それも幸せだろうし、これから原点に戻って、1から始めるということなら、それもいいのかなと思いました。ちょっと私には合わない映画でしたが、一般的には、とても良い映画だと思うし、皆さんは感動すると思います。ちょっと雰囲気的には、日本の「この世界の片隅に」っぽい感じかな。戦争は関係無い映画ですが、雰囲気が、あんな感じです。もっと現代のお話ですけどね。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。私の考えとは違ったので、私には合いませんでしたが、一般の方が観ると感動すると思います。生きて行くのに迷って、何度も失敗して、故郷に帰ってみたら、昔とは変わっていたけど、そこに流れている空気は同じものだって感じで、良い作品だと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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