「母との約束、250通の手紙」を観てきました。
ストーリーは、
シングルマザーとして息子ロマンを育てるユダヤ系ポーランド人移民のニーナ。息子が将来、軍人として活躍した後、作家として成功すると信じる彼女は、息子の才能を引き出すために躍起になる。ロマンは、そんな母からの過剰な愛と重圧にあえぎながらも、母の夢をかなえようと決意。成長したロマンは自由フランス軍に身を投じ、病で生死の境をさまよった時も、ニーナからの激励の手紙が届き続けた。やがてロマンはパイロットとして活躍し、執筆した小説が出版され作家デビューも果たすことになるが・・・。
というお話です。
感動作で、とても良い作品でした。私、この”ロマン・ガリ”さんという作家さんを知りませんでした。フランスの三島由紀夫と言われている人だなんて、ぜひ、読まなければと思いましたが、その人の自伝的映画です。あまりにもパワフルな母親で驚いてしまいました。
いやぁ、こんな母親だったらどうなっちゃうんだろう。だって、ロシアからの移民なのに、フランス軍で勲章を貰って、外交官になって、作家として成功すると、子供の頃から呪いのように教え込んで、全ての教育を受けさせるという、何とも凄い母親なんですよ。まず、普通は移民と言うと、簡単にはフランスの市民になれないでしょ。市民になってからも、何年かは監査措置をとられて、その上、ユダヤ人だったので迫害されていたんですよ。そんな状況から、軍で勲章やら外交官なんて考えられないでしょ。小説家は、どんな国の人でもなれるだろうけど、でも才能が無いと無理ですもんね。
でも、それをやり遂げてしまう息子っていうのも、恐ろしいなぁと思いました。全て、母親が呪っていた通りに、フランス軍に入り、勲章を貰い、外交官になり、小説家としても成功するという、恐ろしい男性でした。でも、66歳で自殺をしたのかな。最後の手紙に「大いに楽しんだ。ありがとう。」と書かれていたらしいので、満足した一生だったのかなと思いました。
母親がパワフルだったので、息子は母親の為に頑張るのよねぇ。もちろん、そんなに簡単に行く訳が無いから、途中で嘘をついたり、誤魔化したりして、母親をガッカリさせないように苦労をするんだけど、それでも、結局、母親に言われた通りになっちゃったわけだから、凄いでしょ。もう、凄いとか言っているより、恐ろしいって感じですよ。
もし、自分の母親が、このニーナみたいな人だったら、私なんて直ぐに家を出て逃げ出しただろうな。だって、辛いでしょ。何処までも付いてきて、色々な事に口出しするんだから。現代で言う、モンスターペアレンツって奴ですよ。でも、このニーナは、自分が人に自慢したい為じゃなくて、本当に息子を愛しているというのが分かるので、ちょっと”モンペア”とは違うかな。見ていて息子を溺愛しているのが解るんです。だから、文句を言いたくても、つい言えなくなっちゃうのよねぇ。
この溺愛されるのも大変かなと思うけど、でも愛して貰えない子供がいる昨今、これほど愛して貰えるのは、本当に幸せなのではないかと思います。母親に愛して貰ったということだけでも、自分の宝物になるでしょ。ウザかったり、面倒だったりはしたかもしれないけど、でも、愛していてくれたんだっていう気持ちは、本当に財産になると思います。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。パワフルな母親にちょっと引くかなと思いますが、それが、後になって、本当の愛だったという事がジーンと伝わってくるので、感動すると思います。やっぱり、人間は、愛して、愛されるのが幸せですよね。それを知らなければ、人間としては欠けているような気がします。ぜひ、母親の愛を感じてきてください。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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