【演劇】「アルトゥロ・ウイの興隆」這い上がる為になりふり構わない男はお好きですか? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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舞台「アルトゥロ・ウイの興隆」を観てきました。

 

ストーリーは、

 

これから幕を開けるのは、一人のギャングが強大な支配者へとのし上がるまでの道のりを描くショー。ファンキーでエネルギッシュな音楽、センセーショナルな事件、心を掴む弁舌・・・それは高揚感にあふれ、大げさで、時には滑稽にも思える物語だ。

 

舞台は不況にあえぐシカゴ。八百屋業界の利益団体、カリフラワー・トラストのメンバーたちは、港湾工事を口実に市からの貸付を受けようと画策している。だがそれには、正直者で知られる市会議員の重鎮ドッグズバローを買収しなくてはならない。思案の末、彼らは海運業者のシートと結び、その株を安価でドッグズバローに融通する。

 

一方、八百屋業界に食い込もうと企むギャングのボス。アルトゥロ・ウイは、港湾工事をめぐる汚職の情報をてにいれ、ドッグズバローを強請り、疑惑をもみ消したウイは、カリフラワー・トラストはもちろん、シカゴ市政にも深くかかわるようになっていく。

 

恐喝、殺人、放火。腹心の部下ローマ、ジヴォラ、ジーリを使い、あらゆる手段を用いて、支配を拡大するウイ。やがてその勢いは、隣町のシセロにまで及んでいく。はたして、人々はウイの独壇場とも言えるこの「ショー」を止め、その野望を抑えることが出来たのだろうか?

 

というお話です。

 

 

このお話、ナチスドイツでヒトラーが成り上がって行ったルートとほとんど同じようなルートで、その町のボスに成り上がって行った”アルトゥロ・ウイ”という男のお話でした。

 

演出がとても派手で、ロックなどに乗せて進んで行くので、イマイチ、ナチスドイツと同じお話という感じではありませんでした。でも、これで良かったのかな。だって、ナチスと同じような雰囲気だったら、ヒトラーのお話をそのままやればいいんだもんね。わざわざ、アルトゥロ・ウイにする必要が無いですから。白井さんの演出にしては、派手な雰囲気だったので、斬新だなぁって思いました。いつも、舞台の中に風がなびくような雰囲気の演出が多くて、とても美しいので、今回は、赤くて挑戦的な感じがちょっと珍しいと思いました。

 

内容に関してですが、言葉には、カリフラワーとか、八百屋とか、とても親近感が持てる日常に触れている名前なのに、殺し合ったり、罠にはめたりと、恐ろしい事がどんどん起こるんです。アルトゥロ・ウイは、普通のそこら辺のチャラチャラしたチンピラっぽかったのに、人の前に立ち、演説をする度に、人を惹き付けて支持を集めていくような人物に変わっていく姿が印象的でした。只のチンピラだったくせに。

 

 

そして、アルトゥロは自分が人の上に立って行くために、それまで一緒にやってきた幼馴染や、仲の良かった友人たちを、段々と切り離して行くんです。自分のイメージを上げていく為に、チンピラっぽい奴らや、ギャング的で直ぐに殺しなどをやりそうな奴らは、自分の周りから排除して行きます。そして、美しく真面目に見えそうな人間で、周りを固めていくんです。恐いでしょ。まぁ、上に立つ人ってこうなるのは当たり前なんですけどね。だって、どこかの社長だって、最初は汚い作業員と一緒にやっていたはずなのに、お金が入り始めると、突然におしゃれして外車に乗って、作業員の服なんて着なくなるでしょ。それと同じなんです。

 

草彅さん、その変化を良く表現していたと思います。表と裏の顔を使い分けてという感じが、よく出ていました。でも、ちょっとチャラチャラした感じが鼻に付いたかなぁ。素敵なんですけど、赤い服きて、歌いながら腰フラれちゃうと、こんな悪い奴の話をやっているのに、何してんのよっ!て言いたくなっちゃったりして。演出だから、仕方ないんだけど、ちょっと笑ってしまいました。

 

 

私は、この演劇、お薦めしたいと思います。面白かったです。とても楽しめて、面白いなぁって思っているんだけど、よく考えてみると、沢山の人が騙されて、一人の男に踊らされて、残酷な世界になっていくというのが、ちょっとゾッとしました。ぜひ、観に行ってみてください。と言いたいんだけど、チケットが手に入らないかもしれないので、配信などで見て頂いても良いと思います。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「アルトゥロ・ウイの興隆」  https://www.kaat.jp/d/arturoui