「ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏」の試写会に行ってきました。Fan's Voice (@fansvoicejp) さんの独占試写会で、当たりまして行ってきました。
ストーリーは、
娼婦として生きる母と息子を描いた映画「サラ、いつわりの祈り」の原作者として知られ、その才能と美貌から多くのセレブを魅了したリロイ。しかし、後にローラという女性が50ドルで雇った女性サヴァンナにリロイを演じさせていたことが明らかになり、リロイが架空の人物であることが判明。サヴァンナはなぜ、ローラの言われるままに数年もの間リロイを演じ続けたのか。
というお話です。
この映画、面白かったです。私、この”J.T.リロイ”という作家を名前だけしか知らず、小説も読んでいないし、その事件も、知らなかったんです。彼が世に出た頃に、私は一級建築士試験に突入しており、本なんて読む余裕は無かったんです。なので、今回、この映画で色々知ることが出来て良かったです。本も読んでみようかなと思いました。
まず、ローラという人物がいて、彼女が架空の”J.T.リロイ”という美少年が書いたとして小説を発表します。これがベストセラーになっちゃって、ローラは誤魔化しているんだけど、長続きはしませんよね。美少年が実体験を元に書いた小説ということで売れたんだから、もし、オバサンが書いたと分かれば、世間から見向きもされなくなると思ったのでしょう。どうしようと考えた挙句、パートナーの妹をリロイに仕立てて、表に出すんです。
これ、普通ならすぐにバレそうなのに、なんでバレなかったんでしょうね。まぁ、あの時代、まだSNSも普及していなかったし、直ぐに写真を撮ってアップするなんて芸当は無い時代だから、分らなかったのかなぁ。だけど、映画を観ていると、本当に彼らの裏側って、喜劇なんですよ。笑っちゃうの。誤魔化してヤバくなると、直ぐにマネージャーがリロイを連れて隠してしまうという、何とも不思議な光景が続くんだけど、誰も偽物だろうと言わないのよね。まして、女性がリロイという青年を演じているんですよ。解るよねぇ。
調べてみたら、女性でしょと疑われた時は、性転換中ですと答えたとかいう話が載っていて、オイオイ、そこまで言ったんかいって思っちゃった。もう、どう考えても、コメディよね。そんな二人に、世界が騙されたんだから。
この映画の試写会の後に、トークショーがあり、映画コメンテーターの方と宣伝の方がお話してくださったのですが、このお二人、J.T.リロイの映画が来た時に、ご本人たちをお世話をした方と、インタビューをした方でして、その時にどんなだったのかをお話してくださいました。どうしてあんなに騙されちゃったんだろうと、真剣にお話してました。オバサンと可愛いちょっとぽっちゃりした男の子という印象で、いつもオバサンがリロイを隠してしまって、と言ってました。オバサン=ローラは、高級なヨーグルトが好みで、これを買ってこいと随分パシリにされたそうです。この方たちのお話を聞いて、本当にこの映画通りの事があったんだと、現実味が帯びました。面白かったです。
サヴァンナという女性がリロイとなって、ローラに言われた通りに操られていくのですが、段々とサヴァンナも自分の意志を言うようになり、ローラに従わなくなっていきます。エヴァと知り合ってからは、もう、エヴァが好きだと言う気持ちが抑えきれず、ローラとは上手く行かなくなってしまうんです。恋は恐ろしいですね。でも、エヴァが見ているのは、サヴァンナではなく、リロイという作家と作品だけなんです。自分の為に利用することしか考えていないのですから、上手く行く訳が無いんです。純粋であればあるほど、世界は残酷で、壊されてしまうんです。
それにしても、このサヴァンナとローラですが、どこかオーラのようなものというか、才能があったのでしょうね。それだけの事件を起こしても、ちゃんと仕事を続けているというのですから、やっぱり、何か大きな事をする人って、持っているんでしょうねぇ。
サヴァンナ役をクリステン・スチュワートさん、ローラ役をローラ・ダーンさん、エヴァ役をダイアン・クルーガーさんが演じていました。美しい女性の共演で、目の保養になりました。サヴァンナ役にしては、クリステンさんは美し過ぎたかな。エヴァの本物は、もっとワイルドな方だそうですけど、今回は美しくて上品な方でした。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。本当に面白かったです。こんな事が、本当にあったとは驚きました。まして、彼らに騙された方がお話してくださって、笑ってしまいました。これは面白いし、美しいので楽しめますよ。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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