「THEY SHALL NOT GROW OLD/彼らは生きていた」の試写会に行ってきました。Fan's Voice (@fansvoicejp) さんの独占試写会で、当たりまして行ってきました。
ドキュメンタリー映画なので内容は、
第1次世界大戦の終戦から100年を迎えた2018年に、イギリスで行われた芸術プログラム「14-18NOW」と帝国戦争博物館の共同制作により、帝国戦争博物館に保存されていた記録映像を再構築して1本のドキュメンタリー映画として完成。2200時間以上あるモノクロ、無音、経年劣化が激しく不鮮明だった100年前の記録映像にを修復・着色するなどし、BBCが保有していた退役軍人たちのインタビューなどから、音声や効果音も追加した。過酷な戦場風景のほか、食事や休息などを取る日常の兵士たちの姿も写し出し、死と隣り合わせの戦場の中で生きた人々の人間性を浮かび上がらせていく。
というお話です。
ドキュメンタリー映画なので、直ぐに感想に行きますね。
とにかく、凄い映画でした。第一次世界大戦の時代の映像を掘り起こし、色をつけて、映像の口を読んでもらって言葉を解読し、その吹替を付けて、戦場に生きる兵士たちの姿を描き出していました。戦場の映像なのに、とても明るい表情だったりして、笑い声も聞こえるんです。楽しそうで、時にはおどけてみたり、食事風景も幸せそうに見えました。だけど、戦場なんです。
楽しそうな映像が流れていたと思うと、突然に戦場の映像に切り替わり、たくさんの死体や、手だけ、足だけ、首と身体が分かれていたり、悲惨な大量の死体の山が積まれていたりという映像もありました。でもね、戦争中だから、そんな死体の横を通っても、別に、驚くことも無く、普通に行進をしていたりします。仕方ないですよね。それが日常になってしまっているんですから。でも、明日は我が身だとは思っていたと思いますよ。
もちろん、仲間が亡くなっていく姿や、そんな仲間を埋葬する場面や、行けと言われて塹壕から飛び出して行く兵士たちの姿など、戦争の飛散な映像も記録されていました。
休憩時に、そこに居たカエルちゃんを持ち上げて引っ張ったりして遊んでいる兵士の姿があったり、運動会のように綱引きをしていたりする場面もありました。犬を連れた兵士もいましたよ。
両極端な映像に思えますが、それが現実だったんです。そんな風に、第一次世界大戦下の戦場で、彼らは生きていたんです。今のように、スマホがある訳ではないので、戦況がどうなっているのかもわからない。ドローンも無いので敵の様子も解らない。自分たちが勝っているのか負けているのか、いつ戦争は終わるのか。何も解らない中、彼らは生きて、戦っていたんです。そんな姿が、とても生々しくよみがえっていて、本当に驚きました。第一次世界大戦なんて、大昔の事だと思っていたけど、その映像の中で笑っている人たちは、今の私たちとほとんど変わりなく、ただ、軍服を着ているというだけの違いなんですから。
このドキュメンタリー映画は、あまりドキュメンタリーが好きではない人にも観て欲しいと思いました。本当に映画の中の人々が、そこに生きていたんだという事が、とても鮮明に蘇っていて、映像を観るだけでも感動すると思います。戦争の悲惨さを伝える映画というよりは、人間は、本当に素晴らしいんだって事が伝わってくる映画でした。どんな状況下でも、生きることを喜び、楽しみ、最後の最後まで、生きることを諦めないという強さが、この映画には描かれていました。
ドキュメンタリー映画なのに、凄く感動してしまって、この思いをどう伝えて良いのか分からず、ずらずらと感想を書いてしまいました。でも、本当に見て欲しい。これ、凄い映画です。やっぱり、ピーター・ジャクソン監督って、凄いです。「ロード・オブ・ザ・リング」でゴラムにさえ愛を感じるように描いていた彼だからこそ、戦場の人々の命を蘇らせることが出来たのかなと思いました。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。人間とは何なのか、生きるとはどういうことなのかという事が、何となく、観ていると伝わってきそうな映画でした。これは、言葉で語るより、映像を観て頂くのが一番だと思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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