「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」良く出来たミステリーです。ネタバレ厳禁作品です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」を観てきました。

 

ストーリーは、

フランスの人里離れた村にある洋館。全世界待望のミステリー小説「デダリュス」完結編の各国同時発売に向けて、9人の翻訳家が集められた。翻訳家たちは外部との接触を一切禁止され、毎日20ページずつ渡される原稿を翻訳していく。しかしある夜、出版社社長のもとに「冒頭10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒めば全ページを流出させる」という脅迫メールが届く。

というお話です。

 

 

ある個室で、二人向き合っている。留置所か刑務所で面会しているらしい。しかし、どちらが収監されているかは判らない。出版社のオーナーであるアングストロームは、本当の事を話せと相手に詰め寄るが・・・。

 

場面が変わり、ドイツのフックフェアの会場で、世界的ベストセラー「デダリュス」三部作の完結編「死にたくなかった男」の出版権を獲得したと、高らかに宣言するアングストローム。出版社のオーナーである彼は、多言語の翻訳を同時にスタートし、この話題作を全世界で一斉発売すると確約する。
 
 
後日、9カ国の翻訳者が選ばれ、フランスの豪邸に集められた。携帯電話やパソコンという全ての通信機器を没収され、助手のローズマリーに案内されて連れていかれたのは、ロシアの富豪が核戦争に備えて作ったという広大な要塞のごとき地下室だ。小説の流出を防ぐために屈強な警備員が随時3人ほど監視に立ち、毎日、20ページだけ渡される原稿を翻訳し、1か月で仕上げ、次の1か月で推敲するというのだった。食事は豪華で、週1日の休日のための娯楽施設も完璧だが、隔離生活には違いない。

初日から注目を集めたのは、その若さで英語版を任されたアレックスだ。慣れない環境で緊張する翻訳者の中で、豪快に居眠りを続けていた。もう一人、ロシア語版のカテリーナも、完全に浮いていた。「デダリュス」のヒロイン、レベッカに入れ込み、彼女と同じ白いドレスを着て、まるでコスプレだった。一方で金のためだと言い切るギリシャ語版のコンスタンティノスもいる。
 
 
毎日顔を合わせ、打ち解け合った9人の翻訳者たちは、やがて迎えたクリスマスの夜、ローズマリーを招待して聖夜を祝う。ところが、日付が変わる頃、事件は起きた。アングストロームの携帯電話に、「冒頭10ページを流出させた。500万ユーロを払えば損失は止められる。24時間以内に払わないと、明日、次の100ページもネットで公開する。」というメッセージが届く。メッセージの最後には、その夜、皆で合唱した歌のワンフレーズが引用されていた。
 
原稿にアクセスできる関係者は、本名も素顔も非公開の作者オスカル・ブラックと、アングストロームだけだ。翻訳者の犯行だと確信したアングストロームは、次の100ページを配らなければ流出出来ないはずだと翻訳作業を中止する。普段から反抗的なポルトガル語版のテルマは、私物の検査に抵抗するが、暴力も辞さない警備員たちに押さえつけられる。身の危険を感じた翻訳者たちは、流出方法を推理しはじめるが、直ぐに行き詰まり、互いに疑いの目を向け始める。
 
 
向き合った二人の人物、一方はアングストローム、そしてもう一人は・・・。アングストロームの旨には隠しマイクが仕込んであり、裏では警察が会話を聞いていた。彼らは何を知ろうとしているのか・・・。後は、映画を観てくださいね。
 
この映画、面白かった。本当に上手く出来ていました。この作品は、ネタバレしない方が面白いので、しませんよ。もし、どこかにネタバレが書いてあっても、見ないで観に行った方が楽しめると思います。9人の翻訳者がいるのですが、それぞれ、個性の強そうな人たちです。この9人が、出版社のオーナーであるアングストロームを追い詰めていきます。シェルターのような場所に隔離されているにも関わらず、原稿が流出し、どう考えても、翻訳者の誰かが流出したとしか思えない状況になって行きます。
 

 

でもね、謎解きをされると、あ、そうか、何で気が付かなかったのかしらと思うかもしれません。それくらい、上手く作ってあります。緊迫した状況の中で、翻訳者たちはお互いを疑って追い詰められていきますし、アングストロームは、原稿を流出させないために、あらゆる手を使うのですが、どんなにしても、流出は止まりません。仕方なく、お金を払って止めるのですが、何とも汚い奴だなぁという感じがするんです。

 

隔離されて身動きが取れない翻訳者たちも追い詰められていきます。誰が犯人か分からず、監視されているし、精神的に不安定になっていきます。そりゃ、そうですよね。外部との連絡も取れず、監視されていれば、おかしくなりますよ。

 

 

この翻訳者たちを演じているのが、有名俳優たちなんです。ほとんどの俳優さんを誰もが知っているんじゃないかしら。映画を観ていれば、本当に良く出ている方たちです。オルガ・キュリレンコやリッカルド・スカマルチョ、フレデリック・チョー、エドゥアルド・ノリエガなど、名前は分からなくても、顔は見れば知っていると思います。そんな翻訳者たちを管理するのが、ランベール・ウィルソン演じるアングストロームです。彼も、本当に良く映画に出ている大御所ですよね。最近では「パリに見出されたピアニスト」かしら。そんな俳優たちが、凄い戦いを繰り広げていくので、本当に目が離せません。密室なのに、ずーっとハラハラドキドキの連続なんです。

 

 

この密室で翻訳させるというのは、「ダヴィンチ・コード・シリーズ」の時に、本当に翻訳者たちがされた事らしいんです。恐いですよね。そんなにしなくてもと思うけど、まぁ、仕方ないのかしら。文学を愛していたら、作者への敬意があるから、原稿の流出なんてしないハズなんですけど、誰もがそうとは限りませんからね。

 

それにしても、面白い展開をしていたと思います。でも、犠牲者が結構出るので、ちょっとやり過ぎじゃないの?とも思いましたが、最後は正義が勝つということで、気持ちよくなりました。悪い奴はちゃんと裁いてやらないとね。私は、スッキリしました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私としては超を2つ付けたかったけど、単館系ではあるので、普段、単純なアクション映画などがお好きな方には、ちょっと不向きかもしれません。でもミステリーとしては、よく出来ていました。密室劇的な部分が多いので、舞台化したら面白いだろうなぁ。ミステリー好きな方、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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