「前田建設 ファンタジー営業部」マジで格納庫作っちゃうの?ねぇ、マジで?嬉しくなっちゃった。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「前田建設 ファンタジー営業部」を観てきました。Fan's Voice (@fansvoicejp) さんの独占試写会で、当たりまして行ってきました。

 

ストーリーは、

2003年、バブル崩壊後の建設業界。前田建設の広報グループ長は、「アニメ『マジンガーZ』の出撃シーンに登場する地下格納庫を現状の技術と材料で建設したらどうなるのか?」を検証するWEB連載を提案する。広報グループの若手社員・土井は嫌々ながらもプロジェクトに携わるうち、架空のものに対してどこまでも真剣に向き合う社内外の技術者たちの姿を目の当たりにし、意味のないことだと思っていた業務に本気で取り組むようになっていく。

というお話です。

 

 
前田建設の広報部・土井の前に上司がやってくる。マジンガー知ってる?あの格納庫、作れると思う?と聞いてくる。横にいた先輩は、あれは作れるでしょ、と言い、他の社員は難しいんじゃない?という。すると、じゃ、作っちゃおうかとほざく上司。はぁ?仕事中に遊ばないで下さいと言うと、仕事だよ、弓教授から依頼があったとして設計するんだよと言う。
 
何だかよく分からないがいいように丸め込まれ、上の人間たちも納得させたらしい。それから、マジンガーの格納庫の設計に入るが、難題が山積する。水の荷重、マジンガーのジャッキアップ、などなど、未知のものばかりだ。まず、マジンガーZの大きさを測り、格納庫の大きさを決める。マジンガーの高さに、ジャッキで上げる為の装置などを足して、大体、50mは掘らなければならないことが解る。
 
50m掘った時の土圧を考えると、それなりの土留めが必要となり、多量の”ずり(排出土)”が出てしまうのでその処理も考えなければならない。掘るのも簡単ではなく、トンネルを掘る時の技術を応用する。そんなことを、大人が真剣に考えているのを、土井はどうしても受け入れられず、一人、浮いていた。ファンタジー営業部の人間たちは、一人、また一人と、この企画にのめり込んでいく。そしてとうとう土井までも・・・。後は、映画を観てくださいね。
 

 

ちょっとマニアック過ぎるかとも思いましたが、私は、面白かったなぁ。もう、自分も混ざって、設計をしたいくらいでした。それにしても、何故、マジンガーの格納庫だったんだろう。簡単そうに見えるけど、マジンガーの全身を隠して、その上に汚水処理場を併設したプールを作るなんて、本当に大変ですよ。もちろん、構造計算したんだろうけど、50m掘るなんて、考えられないっす。しんどそうだし、その”ずり”を処理だけで、1億5千万ほどでしたっけ。どうかんがえても、利益出なさそう~。

 

今回の格納庫は、建築というよりも土木が重要で、業界の人間しか解らないような専門用語がばりばり飛び交っていて、まして、土木オタクの役の人も出ていて、面白かったなぁ。掘っていく土の性質をチョコレートと雷おこしとかって説明したりしていて、上手い説明だなぁと感心しておりました。確かに、詰まっている土はチョコレートで、ザリザリした土は雷おこしっぽいのよね。

 

そんなこんなで、建築土木オタクが大喜びしそうな内容でした。なので、一般の方々が観て、これを面白いと思ってくれるのかしらと、ちょっと心配になりました。でもね、この映画のように、真剣に考えていくと、漫画やアニメの建築物って、結構、建ったりするんだと思うんです。もちろん、莫大な予算が必要にはなりますけどね。

 

おぎやはぎの小木さんが上司役なのですが、ねじが外れちゃったような上司役がピッタリでした。こんな風に上手く乗せられてしまったら、やるしかなくなるよなぁと思いました。変な事でも、平然と進めていくので、部下はどうしようもないですよ。上手いなぁと思いました。

 

主人公の土井役を高杉さんが演じているのですが、土井は最後まで嫌々ながらやっているのですが、先に、上地さん演じる先輩がハマっていき、次に岸井さん演じる女子社員・エモトが土木オタクの社員に惹かれて行きながら、自分もハマって行くんです。そして本多さん演じる社員もみんなハマり、最後に、高杉くんが演じる土井も、真剣にこの仕事に取り組むようになっていくんです。

 

それにしても、前田建設工業が、こんな企画をやっていたなんて、初めて知りました。面白いですよねぇ。私も設計したいっす。建築業界なんて、どんなに面白そうな物件を任されても、最後には、予算に押されて、好きな建物にはならない事ばかりで辛いんですよ。美しくシンメトリーの取れた建築物にしたいと言っても、予算が合わないから半分で切りましょうとか、平気で言うんで、もう、ガッカリしてしまいます。まぁ、お客様の予算があっての建築物なので、仕方ないんですけどね。

 

格納庫、安く出来ていたなぁ。72億円で出来るって、2003年だからだと思うけど、今作ろうとしたら、倍近くかかるんじゃないかしら。それに、今ならジャッキアップも、全て油圧としなくても良いとおもうし、マジンガーの揺れは、ベアリングを使って耐震装置の応用を使えば危なくないと思いました。それに上のプールですが、水深2mくらいにして荷重を減らし、底に深く見える塗装で誤魔化せるんじゃないの?出来るだけ荷重を減らさないと、いくら岩盤だからと言って、杭を打たなきゃいけなくなると思うけど。あー、もう、つい口出しをしたくなってしまうのは職業病ですね。もう、辞めましょう。

 

最後に、この「前田建設ファンタジー営業部」って、あの”ヨーロッパ企画”が舞台でやったんですって。それが面白くて、映画化の企画になったらしいんです。なので、脚本はヨーロッパ企画の上田さんです。マジで最近、ヨーロッパ企画、キテるなぁ。いや、前からキテるか。でも、本当に面白いのよねぇ。

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。本当は超x2にしたかったけど、これ、建築専門用語が解って、建築が好きな人でないと、ハマらないと思うんです。一般の建築に興味が無い方だと、はぁ?で終わってしまうので、一応、建築に興味がある方には、超お薦めいたしますとしておいてください。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

前田建設ファンタジー営業部|映画情報のぴあ映画生活