「HUMAN LOST 人間失格」人間は人生を楽しむ為に生きるべきです。限りある命だから美しい。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「HUMAN LOST 人間失格」を観てきました。

 

ストーリーは、

医療の革命的な進歩により人が死を克服した昭和111年の東京。人々は体内のナノマシンと、それらを管理するネットワーク「S.H.E.L.L.」によって無病長寿を実現したが、その社会システムが生み出す経済格差や、「S.H.E.L.L.」ネットワークから外れて異形化する「ヒューマンロスト現象」を生み出していた。そんな世界に暮らす青年・大庭葉藏は、ある日、ヒューマンロスト化した異形体「ロスト体」に遭遇し、対ロスト体機関「ヒラメ」に属する不思議な力をもった少女・柊美子に助けられる。そして、それをきっかけに葉藏自身もまた、人とは違う能力を持っていることを知る。

というお話です。

 

 
昭和111年。医療革命により死を克服し、環境に配慮しない経済活動と19時間労働政策の末、GDP世界1位、年金支給額1億円を実現した無病長寿大国・日本、東京。
 
大気汚染と貧困の広がる環状16号線外アウトサイドで薬物に溺れ怠惰な暮らしをおくる大庭葉藏。彼は今日も絵を描きながら絶望し、自殺を計ってみたのだが、またも友人の竹一に見つけられて、回復してしまう。何度やっても同じことの繰り返しで、さすがに死ぬのも飽きてきた。
そんなある日、竹一が率いる暴走集団”イチロク”が、「S.H.E.L.L.」のナノマシンによる健康管理を不快に思っている意志を表明すべく、レインボーブリッジを突破してインサイドに突っ込む計画をたてる。竹一の計画に堀木正雄という謎の男が助言をし、彼はハイになれる薬だと言って、竹一と葉蔵に薬を飲ませる。
 
 
ハイウェイを暴走し、インサイドのゲート前に爆弾を積んだ霊柩車を追突させることに成功し大喜びする竹一は、葉蔵の目の前でロスト体という異形体に変貌してしまう。このロスト体とは、体の中のナノマシンが暴走し、人間が変化してしまう事を言う。ロスト体となった人間は既に意識は無く、周りを破壊するだけの怪物となる。竹一と一緒に薬を飲んだ葉蔵もロスト体に変化するが、柊美子に助けられ元に戻ることが出来る。葉蔵も、美子と同じアプリカントであることが解る。アプリカントとは、ナノマシンが暴走しない進化した人間で、今のところ、美子と葉蔵、そして薬をばらまいている堀木正雄の3人がアプリカントであることが証明されていた。
 
 
堀木は、このナノマシンを開発した一人だが、このままでは日本に未来は無いと考え、全てのナノマシンを埋め込まれた人間をロスト化させ、ロスト化しない人間とナノマシンが投与されていない新人類だけで日本をやり直させようと考えているのだった。柊美子は今の社会のまま、日本を再生させようと動いており、長老と呼ばれる健康体に協力をしていた。3人目のアプリカントである葉蔵はどちらに付くのか。そして日本はどうなるのか。後は、映画を観てくださいね。

 

これ、私のあらすじで分かって貰えたかしら。説明がとても難しいんですよ。専門用語が沢山あって、それを説明するのが大変なんです。でも、今の日本が進んで行ったら、もしかしたらこうなってしまうかもという、誰もが健康を追い求め、行きつく先を描いているんです。

 

 

健康で人が死なない日本だけど、誰もが身体の中にナノマシンを埋め込まれて、19時間働かされて生きているんです。それって、生きている意味あるの?と聞きたくなりますが、どうしてそうなったのかなぁ。そんなに健康になったのなら、19時間個人の好きな事をして、後の5時間だけ仕事をするで良いんじゃないの?誰もが健康になれるような開発をしたのなら、その開発を他国に売って、国がお金持ちになれば、国民が働く必要は無くなるでしょ。なんでそうなったのかな?不思議でした。

 

そんな日本で、もうヤダ!と叫んだ竹一はロスト化し、葉蔵はアプリカントという特殊変異種でロストしても元に戻れるんです。意識も無くしません。なので、自分は人間失格だと思って、何度も自殺を試みていた葉蔵は生き続けることになる。何とも皮肉な内容で、確かに、太宰治の「人間失格」を元に作られていると思いました。

 

 

この映画の中で、健康な老人が”合格者”として珍重され、彼らのように長生きが出来るようにと、彼らとナノマシンのネットワークで繋がるのですが、老人たちは一切働かずに、若い人々のそれこそ生き血を吸って生きている感じなんです。本当に老害で、文句ばかり。若い人たちを従わせているんです。今の政治家たちと同じですよ。若い人の未来の事なんて考えてないんです。自分たちが長生き出来れば良い。現代の悪い部分を、上手く批判していました。若い働き盛りの人々が、どんどんロスト化してしまい、日本が崩壊するという予測が出ているのに、老人は何の対策も出来ずに文句ばかり。もー、繋がれてる老人を全部ぶっちぎっちゃえば良いのにと思っていたら、まぁ、それに近いことが起きるんですけどね。まぁ、映画を観てください。

 

 

この映画、理解出来た人が少なかったのかしら。評価があまり良くないのですが、これ、長生きする為に生きて行くのか、人生を楽しむ為に生きて行くのか、本当の生きるとは何ですか?という事を描いているんです。人間のあるべき姿とは何ぞやという事なので、この日本に生きる人々は、生きているけど人間失格なのではないかなと思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。私は、好きなのですが、ちょっとSFオタクっぽい人でないと、楽しめないかな?一応、主人公の葉蔵の生き方は、太宰の”人間失格”で描かれている葉蔵と同じ道を辿っているなと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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