「i 新聞記者ドキュメント」を観てきました。
ドキュメンタリー映画なので、内容は、
映画「新聞記者」の原案者としても話題を集めた東京新聞社会部記者・望月衣塑子を追った社会派ドキュメンタリー。オウム真理教を題材にした「A」「A2」、佐村河内守を題材にした「FAKE」などを手がけた森達也監督が、新聞記者としての取材活動を展開する望月の姿を通して、日本の報道の問題点、日本の社会全体が抱えている同調圧力や忖度の実態に肉迫していく。2019年・第32回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門に出品され、同部門の作品賞を受賞した。
という映画です。
これは、あらすじも何も、上記の通りの内容なので、直ぐに感想に入りますね。
6月に公開になった「新聞記者」の原案を書いた望月衣塑子さんのドキュメンタリー映画です。
望月さんが、森友学園問題や加計学園問題、沖縄の辺野古基地の問題、などを追って、首相官邸への取材や、官房長官の記者会見での繰り返しの質問をする姿を追っているのですが、いやぁ、凄かったです。もし、こんな人に張り付かれたら、本当に人間辞めたくなるなぁと思いました。本当にしつこい。でも、これくらいやっても、真実は出てこないのでしょうね。その追及の姿勢には、頭が下がる思いでした。
いつの日から、マスコミはマスゴミと言われるようになり、政府や大企業と癒着するようになったんでしょうね。新聞はスポンサーがいるのでしょうから、スポンサーの汚い部分は暴かないし、政府に睨まれるとイヤなので、政府に対しては甘くなるという事も解らないではないのです。だけど、そんな事やっていたら、偉そうにジャーナリズムなんて語るなって事でしょ。ただのそこら辺の、SNSの荒らしと一緒じゃないですか。強いものには巻かれて、弱いものばかりを攻撃する。そこに真実なんて無いですよね。
そんな現代のマスゴミの中にあって、珍しく、大声で叫んで、強いものを叩いていく女性がいるんだという姿が描かれていました。以前から、確かに、ニュースなどで、うるさいオバサンが喋っているなぁと思っていたのですが、それが望月さんだったんですね。内容を知らないで、あの質問の声を聞いていると、ただ、誰かオバサンが文句を言っているようにしか聞こえなかったのですが、この映画で、改めて彼女がしている質問を聞いてみたら、しごく全うな質問をストレートにしているだけで、なんで答えられないのかな?と不思議に思うようなことでした。
それと元TBS記者からの準強姦被害を訴えた伊藤詩織さんへのインタビューなども映画の中にありました。このニュースも何度聞いてもおかしいなと思うんです。伊藤さんはレイプされたと訴えていて、相手の山口さんは合意の上の性行為だったと言っているようで、こういう問題は決着がつかないですよね。言った言わないの問題と一緒です。女性としてはレイプされたという伊藤さんを信じたいけど、元TBS記者に取り入って利益を得たいという考えがあって2人で会ったのは事実だし、何とも難しいですね。望月さんも、伊藤さんだけじゃなく、山口さんも取材してくれれば、公正な気持ちがするけど、片方だけの取材では偏っているような感じが否めませんでした。
政府相手に問題を突き付けて行く根性は、本当に凄かったなぁ。自分にこれが向けられたらマジで恐いけど、大きな力を持つ権力に立ち向かうには、これくらい強く出る必要があるのでしょうね。
そんな彼女を追っているドキュメンタリー監督の森さん、”FAKE”の監督もされていたんですね。今回の新聞記者のドキュメンタリー、凄かったですが、追っている問題が、飛び飛びでブツッブツッと着れるので、あれ?さっきは辺野古だったよねとか、森友だったよねと、頭をどんどん切り替えなくてはならず、ちょっとしんどかったです。
そうそう、森友学園の社長と奥さんのインタビュー、笑えました。全て騙されましたって言っていて、こういう人たちって凄いと思いました。このタイプのオヤジやオバサンって土建屋に多いんだけど、役所に対しても恫喝で押していき、嘘を言っていてもその嘘が頭の中で真実に変換されちゃうんですよね。同じような人々に何度も会ってきたので、解ります。一度、会話を交わしただけでも頭の中で友達になっちゃうんです。私なんて顔も覚えていないのに、友人ですと言われても知らないっつーの。申し訳ないけど、私は、この部分は笑いしか出ませんでした。大体、8億円を1億円で買えるなんて、凄い脅したのでしょうね。役所の職員は純粋培養の方が多いので、恫喝されると”うん”って言っちゃうのよね。全てが政府の陰謀だとしてしまうのは、問題だと思います。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。でも、面白い映画とは言えません。考えさせられるけど、この映画の全てが本当だと思ってしまうのも、危ないと思いました。もちろん、誰もが書けない事を追っていくという姿勢は素晴らしいのですが、この望月さんがやることが、全て正しいとは思わない方が良いかなと思いました。やはり、そこで自分の目で見て考えることが大切なんじゃないかな。冷静な目で、誘導されないように、この映画を観てください。そして、この部分は共感出来るけど、この部分は分からないなあとか考えてみて下さい。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
![]() |
新聞記者 [DVD]
3,221円
Amazon |
![]() |
新聞記者 (角川新書)
864円
Amazon |
![]() |
Black Box
1,540円
Amazon |