東京国際映画祭2019 25作目は、特別招待作品「アイリッシュマン」です。
ストーリーは、
第2次大戦後のアメリカ裏社会。ある殺し屋が見た無法者たちの生き様を巨匠マーティン・スコセッシが描き出す。
というお話です。
第二次世界大戦後のアメリカ。
今は、ベッドの上で隠居をして、ぼんやり生活をしているフランク。そんな昔の事を回想しながら、自分の長かった人生を思い返していた。激動の時代を生き抜いた男が思いをはせるのは・・・。後は、映画を観てくださいね。
マーティン・スコセッシ監督の新作で、3時間半もあります。でもね、観ていて面白いので、観れちゃうんですよ。これが。ロバート・デニーロが主演で、フランクという男を演じているのですが、若い兄ちゃんの頃のフランクから老人のフランクまでを演じていて、CG処理で若く変えて見せているのですが、そんなに違和感が無いんです。とても自然に若く見せているので、うん、若くてもこんな人いるよねって感じで、楽しめるんです。
若いフランクはケチな泥棒なのですが、彼の人の良さから、マフィアたちに好かれて、仲間に入って行った様子が描かれていました。彼は、アイリッシュマン(アイルランド人)なのですが、戦争時にイタリアに派遣されていて、イタリア語を話せるというのが、このマフィアたちと関わることになる一つの要因なんです。フランクは、アイルランドからの移民であり、イタリア語を話し、人種による差別などをせず、人柄も良かったことが、最大のマフィアと言われたイタリアンマフィアたちに信頼されることになった由縁なのでしょう。
それにしても、全米トラック運転組合って、社会をも動かすような力を持っていたんですね。確かに、アメリカは広大だし、そこを電車ではなくトラックでというなら、運転手は大勢いるのでしょう。とにかく、凄い人々がたくさんいて、力も大きかった。ケネディ大統領の時代なので、彼がトラック運転組合に不利になるような政策などをすると、大統領の暗殺など、話が出ていて、現にケネディ大統領は暗殺されましたよね。映画の中では、ケネディの弟との戦いが描かれていましたが、大統領の暗殺も暗に表していたと思います。
マフィアがこれほどに力を持っていたんだなという事が良く描かれており、トラック運転組合という、労働者組合も、こんなに社会を動かす程のモノだったのだという事が解りました。なんだか、トラック運転手さんっていうと、一人でトラックを転がして、結構、孤独な人が多そうな気がしていましたが、この映画を観ると、運転手さんの結束って強いんだなって言う事が解ります。運転手さんの力だけでも、大統領が変わるのかもって言うほどに見えて、驚きました。
私、あまりマーティン・スコセッシ監督の作品が素晴らしいとかって、今まで、感じた事が無かったのですが、この映画を観て、本当に面白いんだなって改めて感じました。フランクという人物の描き方が、とっても肉厚なんです。デニーロさんが上手いのもあるのだと思いますが、人間の複雑な心の内を、良く描いていたと思います。また、周りの人物たちも上手いんです。こんなにおっさんばかりの映画なのに、目が離せないって、凄いでしょ。3時間半もあるのに、飽きさせないんですもん。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。はっきり言って、長いですが、本当に面白いです。ネットフリックスの映画なので、もし、映画館で3時間半、座っているのが辛いようなら、家で、半分に分けて観るのも良いと思います。私、もう一度、分けて観たいなぁ。登場人物が多いので、全部を理解して観るのが1回では難しいんです。もう一度観れば、歴史に照らし合わせながら観れると思うので、この時にケネディだなとか、キューバ危機だなとか、ロバート・ケネディがジミーを追求した時だなとか、歴史との関わりが多いので、楽しめると思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
東京国際映画祭2019 「アイリッシュマン」
https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32SPS05
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