【TIFF2019】「アイリッシュマン」この大作は見逃せません。どんなに長くても面白いです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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東京国際映画祭2019 25作目は、特別招待作品「アイリッシュマン」です。

 

ストーリーは、

第2次大戦後のアメリカ裏社会。ある殺し屋が見た無法者たちの生き様を巨匠マーティン・スコセッシが描き出す。

というお話です。

 

 

第二次世界大戦後のアメリカ。

フランク・シーランは肉の配送トラックの運転手をしながら、肉を横流しするというケチな盗みをしていた。ある日、その犯罪が会社に見つかり解雇されてしまうが、弁護士を頼んで無罪として貰う。弁護士と仲の良かったラッセル・バッファリーノを紹介されると、以前に面識があり、直ぐに仲良くなる。彼は、裏社会の大物であり、フランクは、彼からの依頼を受けるようになる。
 
その後、ラッセル・バッファリーノ・ファミリーの裏の仕事をしながらも、フランクは全米トラック運転組合の幹部として長らく活動していた。全米トラック運転組合は、ジミー・ホッファが委員長をしており、彼はとても人気があった。フランクも彼の為に活動し、彼を公私共に長い間支えていた。しかし、ある事件でジミーが訴えられ、有罪となって4年間服役してから、状況が変わってくる。ジミー下で副委員長をしていた男が台頭し、出所してきてからも、組合を裏で支えるマフィアは、ジミーに実権を返さなかった。
 
 
怒ったジミーは、実力で取り返すとして委員長の座を取り戻し、マフィアの力を廃除しようと動き出す。フランクは、ジミーも友人だが、ラッセルの方が長い友人だった。ラッセルたちマフィアは、運転組合の潤沢な資金を使って、土地建物などに沢山の投資をし利益を得ていたため、マフィアに貸し付けている資金をジミーに回収されたのではたまらない。
 
フランクはジミーに、何とか考え直してマフィアと上手くやってくれと忠告するのだが、一度決めた事を変えないジミーは、方針を変えなかった。ラッセルたちマフィアは、ジミーの説得を諦めて、フランクにジミーを暗殺することを依頼する。ファミリーの依頼で今までも人殺しを行ってきたフランクだったが、ジミー・ホッファの暗殺には苦しんだ。
 

 

今は、ベッドの上で隠居をして、ぼんやり生活をしているフランク。そんな昔の事を回想しながら、自分の長かった人生を思い返していた。激動の時代を生き抜いた男が思いをはせるのは・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

マーティン・スコセッシ監督の新作で、3時間半もあります。でもね、観ていて面白いので、観れちゃうんですよ。これが。ロバート・デニーロが主演で、フランクという男を演じているのですが、若い兄ちゃんの頃のフランクから老人のフランクまでを演じていて、CG処理で若く変えて見せているのですが、そんなに違和感が無いんです。とても自然に若く見せているので、うん、若くてもこんな人いるよねって感じで、楽しめるんです。

 

 

若いフランクはケチな泥棒なのですが、彼の人の良さから、マフィアたちに好かれて、仲間に入って行った様子が描かれていました。彼は、アイリッシュマン(アイルランド人)なのですが、戦争時にイタリアに派遣されていて、イタリア語を話せるというのが、このマフィアたちと関わることになる一つの要因なんです。フランクは、アイルランドからの移民であり、イタリア語を話し、人種による差別などをせず、人柄も良かったことが、最大のマフィアと言われたイタリアンマフィアたちに信頼されることになった由縁なのでしょう。

 

それにしても、全米トラック運転組合って、社会をも動かすような力を持っていたんですね。確かに、アメリカは広大だし、そこを電車ではなくトラックでというなら、運転手は大勢いるのでしょう。とにかく、凄い人々がたくさんいて、力も大きかった。ケネディ大統領の時代なので、彼がトラック運転組合に不利になるような政策などをすると、大統領の暗殺など、話が出ていて、現にケネディ大統領は暗殺されましたよね。映画の中では、ケネディの弟との戦いが描かれていましたが、大統領の暗殺も暗に表していたと思います。

 

 

マフィアがこれほどに力を持っていたんだなという事が良く描かれており、トラック運転組合という、労働者組合も、こんなに社会を動かす程のモノだったのだという事が解りました。なんだか、トラック運転手さんっていうと、一人でトラックを転がして、結構、孤独な人が多そうな気がしていましたが、この映画を観ると、運転手さんの結束って強いんだなって言う事が解ります。運転手さんの力だけでも、大統領が変わるのかもって言うほどに見えて、驚きました。

 

私、あまりマーティン・スコセッシ監督の作品が素晴らしいとかって、今まで、感じた事が無かったのですが、この映画を観て、本当に面白いんだなって改めて感じました。フランクという人物の描き方が、とっても肉厚なんです。デニーロさんが上手いのもあるのだと思いますが、人間の複雑な心の内を、良く描いていたと思います。また、周りの人物たちも上手いんです。こんなにおっさんばかりの映画なのに、目が離せないって、凄いでしょ。3時間半もあるのに、飽きさせないんですもん。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。はっきり言って、長いですが、本当に面白いです。ネットフリックスの映画なので、もし、映画館で3時間半、座っているのが辛いようなら、家で、半分に分けて観るのも良いと思います。私、もう一度、分けて観たいなぁ。登場人物が多いので、全部を理解して観るのが1回では難しいんです。もう一度観れば、歴史に照らし合わせながら観れると思うので、この時にケネディだなとか、キューバ危機だなとか、ロバート・ケネディがジミーを追求した時だなとか、歴史との関わりが多いので、楽しめると思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

東京国際映画祭2019 「アイリッシュマン」

https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32SPS05